県立中部病院の看護師間でワクチンデマが広まっていた?
- 西村大臣閣議後記者会見(令和3年7月2日)
- 「デマもあり医療機関では珍しくワクチン接種を希望しない看護師」
- 「ワクチン拒否の圧力」があったのでは?
- ワクチン接種者は0.5%、未接種者は100~63%が感染
- 県立中部病院の看護師間でワクチンデマが広まっていた?
- 感染したら命のリスク・ワクチン接種ができない者が多い医療高齢者施設
西村大臣閣議後記者会見(令和3年7月2日)
西村大臣記者会見(令和3年7月2日)|政府インターネットテレビ
特にですね、いろいろ聞きましたら、県立中部病院、これ基幹病院、本当に中核的な病院なんですけれども、ここで51名のクラスターということで。まぁ、医療機関・高齢者施設のクラスターは減少傾向にあります。当然ワクチン接種を進めてますのでこうしたことは珍しいんですけれども、聞いてみるとまあいろいろと理由があってですね、入院された方、発熱があったそうなんですけれどもPCR検査が遅れたとかですね。それから、ある棟の看護師さんたちがワクチン接種を希望していなかったと、10何名。まぁ、いろんなデマとかなんかいろんなものがありますので、医療機関の看護師さんでは珍しいんですけれども10何人打っていなかった方のうち12名が感染したというふうに聞いています。ですので、特に医療機関・高齢者施設、重症化するリスクがある方々、まず今優先して接種を進めてますので、ぜひ、正しい情報を私どももお伝えしていきますし、理解をしていただいて接種を進めていただくことが大事だと思っていますし、もう現役世代も始まっていますので、ぜひ、若い方含めて多くの方にワクチンの接種をお願いしたいと思います。
令和3年7月2日の西村大臣閣議後記者会見では、沖縄県の県立中部病院でのクラスター感染に関する内容に触れていましたが、ほとんどのメディアでスルーされています。
「デマもあり医療機関では珍しくワクチン接種を希望しない看護師」
沖縄県立中部病院のクラスター感染については
- クラスター感染の発表が遅れた
- 県が記者会見を阻止した
などの言葉が躍ることが多いです。
しかし、「ワクチン未接種の看護師の大半が感染した」ということについて報じるメディアはほとんどありません。
7月3日時点のWEB版では、琉球新報と産経新聞のみです。
「ワクチン拒否の圧力」があったのでは?
西村大臣の発言からはいくつもの事情が示唆されます。
ある棟の看護師さんたちがワクチン接種を希望していなかった
「ワクチン接種をするか否かは個人の判断だ」
などと言って拒否する風潮を作り出したい人が居ます。
しかし、本件では特定の棟の看護師が集中的に接種を拒否していたということです。
個々人が完全なる自由意思で自律的に判断していたなら、600名以上の看護師を要する県立中部病院ですから、ワクチン拒否をする者が居たとしても、もっとバラけるはず。
こうした事情からは、その科・医局の力関係によって【一部の人間関係の間では、ワクチン拒否をするように圧力がかけられていた】可能性があります。
ワクチン接種者は0.5%、未接種者は100~63%が感染
看護師を600名として、ワクチン未接種者は12~19名。
すると、ワクチン接種者が感染した率は約0.5%。
他方、ワクチン未接種者が感染した率は100~63%になります。
ワクチン接種による感染予防効果は、臨床試験では実証に至っていませんが、疫学レベルでは観測されていますので、感染予防効果があるワクチンの接種を拒否した看護師の大半がクラスター感染した、という事案であると言えます。
県立中部病院の看護師間でワクチンデマが広まっていた?
いろんなデマとかなんかいろんなものがありますので、医療機関の看護師さんでは珍しいんですけれども10何人打っていなかった方のうち12名が感染したというふうに聞いています
ー中略ー
正しい情報を私どももお伝えしていきますし、理解をしていただいて接種を進めていただくことが大事
県立中部病院の看護師間でワクチンデマが広まっていた?
このことを示唆するような西村大臣の発言です。
直接病院側から聞いたのか、それとも世の中で出回っているデマがあり、看護師が接種しない判断をするに至る理由の中であり得るものとして推測しただけなのかは定かではありませんが。
これはかなり重大な内容で、もしも医療従事者たる看護師のワクチン拒否の理由がこのデマに基づいており、感染した結果、クラスターが拡大した、という因果関係が示されたら、訴訟で負ける可能性は十分にあるでしょう。
というか、ぶっちゃけ、看護師なのに接種しない判断をするような人間って、(現在推奨されていない妊婦や基礎疾患を有する方でない限り)ワクチンに関するデマ情報を信じた者しか居ないでしょう。
感染したら命のリスク・ワクチン接種ができない者が多い医療高齢者施設
特に医療機関・高齢者施設、重症化するリスクがある方々、まず今優先して接種を進めてますので
医療機関・高齢者施設でワクチン接種を優先的に進めているのは、そこで働く人がプロフェッショナルだから、だとか、新型コロナ患者に接しやすいから、ということもありますが、それ以上の理由もあります。
それは、そこに入院・通院する方というのは、一般的に体が弱っている・免疫力が低下している方が多いということ。
そのため、感染したら命のリスクが一般よりも高く、また、ワクチン接種も控えるべきと診断され得る状態の人も出てくる。
だからこそ、集団免疫でそういう人を守る必要性が、一般の職場よりも遥かに高い。
こういう環境だということ。
法令上も、そうした環境である医療施設等において、一般よりも高い義務を課していますが、このことに触れる者はほとんどいません。
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