「ブルーインパルス=戦闘機」という虚偽のナラティブに汚染されたか
河北新報「仙台上空を飛行した戦闘機ブルーインパルス」
仙台上空を飛行した戦闘機 あの「ブルーインパルス」でした 東北絆まつりの事前訓練
— 河北新報オンライン (@kahoku_shimpo) 2024年5月23日
記事はこちら👇https://t.co/ajE7nLqWWX
河北新報が「仙台上空を飛行した戦闘機 あの「ブルーインパルス」でした」などと記事を書きX(旧Twitter)に投稿していました。
かなり酷い事実誤認です。
T-4練習機のアクロバット仕様:河北は「航空機」「ジェット機」に訂正
河北はその後、「戦闘機」の部分を「航空機」に変更し、さらにその後に「ジェット機」に訂正していました。
当該機体は「T-4ブルーインパルス」という通称であり、T‐4練習機をアクロバット仕様に改修したもので「戦技研究仕様機」とも呼ばれています。*1
松島基地を本拠地とするブルーインパルスは自衛隊法20条5項の航空教育集団であり、*2実質的にも「戦闘機」とは別の分類であり、武装もありません。*3
したがって、「戦闘機」と記述したことは事実誤認ということになります。
河北新報は「ジェット機」に変更したタイミングで「見出しを一部手直ししました」とXのアカウントで投稿していますが、カード部分は相変わらず「戦闘機」のままです。
【見出しを一部手直ししました】仙台上空を飛行した航空機 あの「ブルーインパルス」でした 東北絆まつりの事前訓練 | 河北新報オンライン
— 河北新報オンライン (@kahoku_shimpo) 2024年5月23日
https://t.co/ajE7nLqWWX
カード部分の表記が「戦闘機」のままです。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年5月23日
たとえばツイッターのディベロッパーツールがまだ有効なのでここにURLを入れるなどして更新願います。https://t.co/6ZLg9Ft9MN pic.twitter.com/hQW6LefvPF
いつまでこの状態を放置するんでしょうか?
本件は軽微な修正のため、修正した旨を記事本文に書かないのはともかくとして、「戦闘機」という事実誤認が残っている最初の投稿を消さないのはなぜでしょうか?
なお、小松基地は機体の運用にかかわる情報のため、今回の飛行は事前に公表されていなかったとしています。*4
「ブルーインパルス=戦闘機」という虚偽のナラティブを広めるマスメディア
川崎市制100周年を記念し6月29日に開かれる「かわさき飛躍祭」でのブルーインパルス飛行に不安や疑問の声が上がっています。地元住民は住宅密集地の上空の飛行に「市は飛行を『飛躍祭に花を添える』というが、中原区民の安全を担保にするのはやめてほしい」と訴えました。 https://t.co/I7FkdfVj7S
— 東京新聞川崎支局 (@Tokyonp_kawasa) 2024年5月8日
神奈川県の川崎市平和委員会などが、市制100周年記念イベントでのブルーインパルス飛行に中止を申し入れました。
— 日本平和委員会 (@japanpeacecom) 2024年5月9日
「ブルーインパルスはジェット戦闘機。ウクライナやガザで多くの人が殺される中、市の100周年の祭りに殺傷武器を呼ぶのは違和感がある」https://t.co/MIxr3l0yKR
ラサール石井 戦闘機をカッコいいと思う気持ち…誰かに利用されないように
「ブルーインパルス=戦闘機」という虚偽のナラティブは定期的にマスメディアが広めています。。ただし、活動家らの弁を紹介する形のものでした。
ところが今回の河北新報の記事はそうではなく、自身の言葉として報じてしまっていました。事の発端となったXの投稿者の発言の引用でそうなった、ということではありませんでした。
松島基地を擁する宮城県の地元メディアである河北新報がこのようなナラティブに加担してしまっているのは、非常に根深い問題でしょう。
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