IOCのスタンスも軟化していくのだろうか…
- 産経新聞「キリングゲームは支援できない」を山下貴司元法相が否定
- IOC、国際オリンピック委員会のeスポーツに対するスタンスの説明
- Abemaプライムでの山下議員の説明「IOCも変化するので動向を注視」
産経新聞「キリングゲームは支援できない」を山下貴司元法相が否定
いやいや、そんなこと言ってないって。
— 山下たかし (@YAMASHITA_OK) 2023年11月7日
IOCのスタンスについて説明したら、なぜか私の発言として見出しになってたのです。
引用された新聞記事は事前のゲラとも違ってて抗議したんだけど、報道はこわい。
昨夜出演したAbemaプライムでも、しっかりと否定させていただきました! https://t.co/yhJeTcFwyW
元法務大臣で自民党スポーツ立国調査会に設置されたバーチャルスポーツ推進プロジェクトチームの座長である山下貴司衆議院議員がX(旧Twitter)上にて、自身のインタビューを報じた記事について間違いであると主張しています。
山下議員が引用している記事の元ネタは、2023年10月30日付の産経新聞の以下記事。
【ビジネス解読】政府のeスポーツ支援、シューティングゲームは困難か 理由は「殺し合い」- 産経ニュース
IOC、国際オリンピック委員会のeスポーツに対するスタンスの説明
山下貴司元法相は産経新聞の取材に「キリング(殺し合い)ゲームは支援できないだろう」とシューティングゲームの支援は困難との考えを示した。
産経新聞ではこのように、山下議員の発言として掲載しています。
が、山下議員はIOC、国際オリンピック委員会のeスポーツに対するスタンスの説明であり、これは誤りだとしています。
なお、IOCのバッハ会長が10月14日にインドのムンバイで行われたIOCセッションで発言した内容にもeスポーツに関する言及がありましたが、その中でも「仮想スポーツやスポーツシミュレーション」について強調する場面がありました。
Another dimension of this digital revolution is esports. There are 3 billion people playing esports and gaming around the world. It is estimated that over 500 million of them are interested specifically in esports which includes virtual sports and sport simulations.
なお、Xで山下議員が引用した以下の記事は、山下議員の指摘後、内容を追記し、タイトルも変更しています。
自民党議員、eスポーツ支援で「キリング(殺し合い)ゲームは支援できない」とシューターへの立場示す。しかし本人は「自分の発言ではない」と否定【UPDATE】 - AUTOMATON
Abemaプライムでの山下議員の説明「IOCも変化するので動向を注視」
11月6日(月) 21:00 〜 22:00に放送されたAbemaプライムにて山下議員は、「"キリングゲームは支援できないだろう"というのは、6月に開催された"Olympic Esports Week"において、IOCの役員から言われた話である」と発言していました。
山下議員の意見としては「自民党はゲームの中身をみて何を支援するかどうかというのは決めない、日本国内では既にクリエイターの側で自主規制が行われており上手くいっている、一方的な規制は個人的には反対」というものでした。
佐々木俊尚氏から「それはIOCの公的な見解なのか?」という質問に対しては山下議員は「役員が個人的に言ってきたもの」と理解しているようです。
さらに、「IOCはこれまで"Virtual Sports"と呼んできたが今年になって舵を切ってきた(esportsという用語法を用いるようになった)、IOCはどんどん変わっていくところがある」と指摘しました。
前掲のIOCバッハ会長の発言中にも6月にシンガポールで行われた"Olympic Esports Week"が触れられていましたが、そこでは今年リリースされた格闘ゲームである「ストリートファイター6」も、競技種目とは別ですがエキシビジョンマッチが行われていました。
参考:『スト6』「オリンピック eスポーツウィーク」エキシビション 結果。シンガポール開催。ときど出場
なお、競技種目となった格闘ゲームとしては『バーチャルテコンドー』があり、シューティングゲームとしては『フォートナイト』があります。
ただ、フォートナイトは的あてゲームのモードとして競技が実施されており、通常の対人(対キャラクター)の撃ち合いが発生する形式ではありませんでした。
山下氏は番組中、「ボクシングがキングオブスポーツと言われている」ことを引き合いに出しており、格闘ゲームも基本的に認められるべきという方向の見解を持っているようです。
ただし、IOCのスタンスとしては、今後どのような内容のゲームがeスポーツの対象とされていくのかはかなり流動的ではないかと予想されるため、動向を注視していくべきとしています。
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