事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

【2021年】非実在児童ポルノの閲覧等の犯罪化を求める請願まとめ:寺田静議員紹介、エクパットジャパンら提出

「非実在児童ポルノの閲覧等の犯罪化を求める請願」に関連する資料等のまとめ

 

非実在児童ポルノ閲覧等の犯罪化を求める請願

子供の性搾取被害悪化の現状に鑑み、国連勧告に沿った児童買春・児童ポルノ禁止法の第三次改正を求めることに関する請願:付託された同趣旨の請願一覧:参議院

寺田静議員提出、令和3年12月10日受理、令和3年12月16日付託の請願があります。

児童買春・児童ポルノ禁止法の成立から二十二年、第二次改正からも七年を経た今日、横行する子供の性の商品化や、性搾取・虐待を撲滅し、子供の性被害を無くすために、また、GPeVAC(子どもに対する暴力撲滅のためのグローバル・パートナーシップ)推進国の使命として、二〇一九年二月発表の国連子どもの権利委員会による日本政府への勧告の内容を十分に検討し、性被害の現状を改善する抜本的な第三次改正を成し遂げるよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、子供、又は主に子供のように見えるよう描かれた者が明白な性的行為を行っている画像及び描写、又は、性目的で子供の体の性的部位の描写を製造、流通、頒布、提供、販売、アクセス、閲覧及び所持することを犯罪化すること。
二、「女子高生サービス」や子供エロティカのように、子供買春及び子供の性搾取を助長し、又は、これらにつながる商業活動を禁止すること。
三、加害者に責任を果たさせ被害者となった子供たちの救済を確実なものとするために、オンライン及びオフラインでの子供の売買、子供買春、子供ポルノに係る犯罪を捜査、訴追し、処罰する努力を強化すること。
四、生徒、親、教員及びケア提供者を対象として、新しい技術に伴うリスク、及び安全なインターネットの利用法についてキャンペーンを含む意識喚起プログラムを強化すること。
五、子供の売買、子供買春、子供ポルノに関する国連特別報告者の勧告(A/HRC/31/58/Add.1、para.74)を実施すること。

非実在児童ポルノのアクセスや閲覧までも犯罪化することを求める内容があります。

それ以外の項目もありますが、特筆すべきはその部分でしょう。

寺田静議員紹介、ECPAT JAPAN エクパットジャパンら提出

児童買春・児童ポルノ禁止法改正を求める要望書を提出しました | ECPAT/STOP JAPAN

ECPAT/ストップ子ども買春の会
公益財団法人日本キリスト教婦人矯風会
公益財団法人日本YMCA同盟
特定非営利活動法人シンクキッズ-子ども虐待・性犯罪をなくす会
特定非営利活動法人ぱっぷす(ポルノ被害と性暴力を考える会)
アジアの女性と子どもネットワーク(AWC)
東京・強姦救援センター(TRCC)
認定NPO法人国際子ども権利センター(シーライツ)
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
特定非営利活動法人CAPセンター・JAPAN
一般社団法人Colabo(コラボ)

寺田静議員が紹介役となって提出された請願は、ECPAT JAPAN=エクパットジャパンら11団体の連名で提出された要望書と請願はまったく同じ内容です。

子どもの買春と非実在児童ポルノって、何か関係あるんでしょうか?

追記:衆議院でも大河原まさこ議員紹介で同じ請願が提出

第207回国会 請願の一覧

請願名「子供の性虐待・性搾取被害悪化の現状に鑑み国連勧告に沿った児童買春・児童ポルノ禁止法の抜本的改正を求めることに関する請願」

衆議院でも大河原まさこ議員紹介で同じ請願が提出されています。

同様の請願は過去にも何度か提出されており、別の議員も紹介議員に含まれていた場合もありました。

国連特別報告者の勧告(A/HRC/31/58/Add.1、para.74)

子供ポルノに関する国連特別報告者の勧告(A/HRC/31/58/Add.1、para.74)

United Nations A/HRC/31/58 General Assembly Report of the Special Rapporteur on the sale of children, child prostitution and child pornography Distr.: General 30 December 2015

74. Individual offenders and criminal networks use financial services to either pay for
the sexual exploitation of children or transfer the proceeds from such crimes. This has pushed the financial sector to act and the Financial Coalition Against Child Pornography was launched in 2006 in the United States. Similarly, the European Financial Coalition against Commercial Sexual Exploitation of Children Online and the Asia-Pacific Financial Coalition Against Child Pornography were created. Those initiatives have shown a commitment from some banks and financial service providers to stop being indirect intermediaries in the demand for the sexual exploitation of children. Other financial service providers, such as those trading in bitcoins, are yet to take comparable measures, even though it has been emphasized that virtual currencies are extremely hard to trace and thus ideal for illegal transactions.

子供の売買、子供買春、子供ポルノに関する国連特別報告者の勧告(A/HRC/31/58/Add.1、para.74)というのはこの部分。

2006年にアメリカで出された"Financial Coalition Against Child Pornography"

European Financial Coalition against Commercial Sexual Exploitation of Children Online

the Asia-Pacific Financial Coalition Against Child Pornography

要するに、子どもの性的搾取の需要を間接的に仲介することになる行為(暗号資産含む送金のサービスの提供など)を禁止しろ、と言っているわけです。

自民党山田太郎議員による政府見解等の説明

自民党山田太郎議員がこのツイート画像で、関連する規定や政府見解をまとめていますが、ソースを付ける形で以下に残します。

閣議決定「選択議定書にいう「児童ポルノ」にはおよそ実在しない児童の描写は含まれない」

内閣参質一九〇第六七号 平成二十八年三月八日 参議院議員山田太郎君提出国際約束上の児童ポルノの定義に関する質問に対する答弁書

同条(c)に規定される「児童」は、実在する児童であると解され、同条(c)に定義される「児童ポルノ」には、およそ実在しない児童を描写したものは含まれないと解される。

政府の閣議決定として、「選択議定書にいう「児童ポルノ」にはおよそ実在しない児童の描写は含まれない」旨が山田太郎議員の質問主意書への答弁書と言う形で存在。

児童の権利条約選択議定書第二条(c)というのは以下の条文。

児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書

第二条

(c)「児童ポルノ」とは、現実の若しくは擬似のあからさまな性的な行為を行う児童のあらゆる表現(手段のいかんを問わない。)又は主として性的な目的のための児童の身体の性的な部位のあらゆる表現をいう。

子どもの権利委員会2019年日本の第4回・第5回統合定期報告書に関する総括所見

CRC総括所見 日本 4-5 - ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト - atwiki(アットウィキ)

子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書の実施についての委員会の前回の総括所見および勧告のフォローアップ

46.子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書に基づく締約国報告書についての 2010 年の委員会の勧告(CRC/C/OPSC/JPN/CO/1)を実施するために締約国が行なった努力には評価の意とともに留意しながらも、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a) あからさまな性的活動に従事する子ども(または主として子どもとして描かれている者)の画像および表現または性的目的で子どもの性的部位を描いたあらゆる表現の製造、流通、配布、提供、販売、これらの表現へのアクセス、その閲覧および所持を犯罪化すること。 

子どもの権利委員会2019年日本の第4回・第5回統合定期報告書に関する総括所見の46において、「主として子どもとして描かれている者)の画像および表現または性的目的で子どもの性的部位を描いたあらゆる表現」に関して犯罪化を求めている記述がありますが、これは国連の公式見解でも何でもなく、法的拘束力もありません。

子どもの権利委員会の報告書等があまりに支離滅裂であるのに、それを奇貨として確定事実であるかのように利用していたのがフェミ議連であり、左派勢力です。

「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利条約選択議定書の実施に関するガイドライン」政府見解

「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利条約選択議定書の実施に関するガイドライン」公表に対する政府の見解|外務省

「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書の実施に関するガイドライン」案に対するコメント(仮訳)

14. (パラ61)表現の自由に対する制約は最小限でなければならず,児童ポルノの範囲については極めて慎重に検討しなければならない。この点,「pornography」は,従来から視覚により認識可能な物を指すところ,音声媒体や文章まで含むかどうかは,今後慎重に検討されるべきである。ついては,第3文から「audio representations」と「writtenmaterials in print or online」を削除することを提案する。

さらには「選択議定書の実施に関するガイドライン」に対する政府見解では、児童ポルノの範囲として別方向からの慎重な姿勢を見せており、音声媒体と文章については削除することを提案しています。

エビデンス無くアジア人の描写や日本アニメを駆逐しようとする動き

「子供に見えるキャラ」規制の請願ですが、幼く見えるアジア人が対象になりやすく、日本アニメを駆逐する動きと言えるでしょう。

  • 実在児童を被害から守る仕組みに力を割くのが先では?
  • 非実在児童の描写が「現実の児童の危害に繋がる・或いはそうしても良いのだという観念を持たせることに繋がる」というエビデンスは?

後者の「エビデンス」として「バトナー研究の再編」をした【アイルランド・コーク大学のクエール教授の報告書】を根拠とする人が居ますが…

性的有害情報に関する実証的研究の系譜~従来メディアからネットまで

The ‘Butner Study’ Redux: A Report of the Incidence of Hands-on Child Victimization by Child Pornography Offenders Michael L. Bourke & Andres E. Hernandez

そういう因果関係を示す論文ではない、ということが明らかです。

以下などでまとめられています。

非実在の存在への描写を違法・犯罪化する因果認定ルートを創出することのおそろしさ

非実在の描写⇒(実在児童への危険発生or危害を加えて良いという観念の発生)⇒犯罪

こういう因果認定・犯罪成立ルートを創出するとどうなるでしょうか?

非実在の描写ですら犯罪化されるなら、実在する人物に対する描写も犯罪化される。

表現規制派は、このおそろしさが分かっていない。

政治的な主張にも規制が及ぶ話。

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