事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「自衛隊派遣人数が少ない!戦力の逐次投入は悪!」論が木原防衛相、上念司、山田宏、和田政宗らに撃破される:能登半島地震

覚えたての言葉でそれっぽく言ってるだけの人がバレました。

「戦力の逐次投入は悪」論が上念司、山田宏、和田政宗らに撃破

災害対策における「戦力の逐次投入は悪」論がネット上で喧しいですが、上念司、山田宏、和田政宗らによって撃破されています。

  1. 「逐次投入が悪」は、敵兵により「各個撃破されるから」という理屈が前提
  2. 災害対策は別に「撃破」されるものではない
  3. 今回の地震では地理的制約や機能的制約もある
  4. そうした中ではむしろ多人数の準備が全員整うまで待機するのではなく、準備が出来次第逐次投入していくのが本来の姿

まとめるとこうした論が整理されています。

同様の内容は木原防衛相からも言及されました。

木原防衛相、能登半島地震への自衛隊派遣「初動が遅い」指摘に「初期段階では航空機での被害状況把握」などと説明|日テレNEWS NNN

災害対応に関して「戦力の逐次投入!悪だ!」と言う主張が出てくるのが信じられませんが、銀河英雄伝説 の見過ぎなんじゃないでしょうか。

能登半島地震と熊本地震や東日本大震災との条件の違い

https://twitter.com/ModJapan_saigai/status/1743490327846293871
  • 災害発生当初から約1万人の即応態勢
  • 熊本地震では1万人ぐらいの投入だったが、基地が近くにあり「号令をかけた」のがその規模だってのであって、その全員が同時に現場に入って作業に当たったわけではない
  • 他方で、今回は近くに基地はない
  • 被災地域が能登半島の特に先端という地理的制約、交通網が途絶していたという条件もあった
  • 初期の段階では、空中機動力を重視した航空機を活用した被害状況の把握に努力

こうした今回の震災の被害状況により、海外からの人的物的支援についても余剰となったりメリットが僅少であることから、「現地に負担をかけない支援」のみの申し入れを受け入れるのみにとどまっています。

ネット上の「戦力の逐次投入は悪!」論の初出

ネット上の「戦力の逐次投入は悪!」論の初出はおそらくこの人。

これ以降、自衛隊の派遣人数に関して「戦力の逐次投入は悪!」という言説が一部界隈で広がっていきます。

東京新聞や立憲民主党の泉健太代表も…共同通信が報道して拡散

自衛隊の投入遅いとの批判に反論 被災地、展開規模巡り首相 | 共同通信

立憲民主党の泉健太代表は5日「自衛隊が逐次投入になっており遅い」と政府対応に疑問を呈した。16年4月に起きた熊本地震で、震度7の「前震」があった2日後に自衛隊規模を1万5千人とした前例との比較が念頭にある。

他方で、公党である立憲民主党の泉健太代表も「自衛隊が逐次投入になっており遅い」などと主張していることが共同通信の報道で判明して拡散。

泉氏のXでは見られない主張です。

なお、東京新聞もこの論調に乗っかっていました。

以上