あいちトリエンナーレの表現の不自由展が急きょ再開されたことを受け、トリエンナーレ実行委員会会長代行の名古屋市長、河村たかし氏が抗議の座り込みを宣言しました。
大村知事の決定に手続的な瑕疵があるので指摘します。
名古屋 河村市長「再開はひどい話」きょう座り込みで抗議へ | NHKニュース
河村市長から大村秀章への公開質問状
名古屋市:あいちトリエンナーレ2019にかかる愛知県知事への公開質問状について(暮らしの情報)
実は、令和元年9月20日には名古屋市長の河村氏から愛知県知事の大村知事に対して公開質問状が送付されていたにもかかわらず、これに対する正式な回答が未だに無いということでした。
その中には展示再開に向けた重要な指摘が含まれて居ます。
大村知事はトリエンナーレ実行委員会規約に違反している
あいちトリエンナーレ実行委員会の組織は会長を愛知県知事、会長代行を名古屋市長としています。河村市長の公開質問状もトリエンナーレ実行委員会会長代行の名義でなされています。
トリエンナーレ実行委員会規約
議事概要(あいちトリエンナーレのあり方検証委員会 第1回会議) - 愛知県
あいちトリエンナーレ実行委員会規約では、運営会議の議決事項が来ていされてます。
13条2項(3)に「その他実行委員会の運営に関する重要な事項」があります。
展示企画の一つを中止・再開することはこの重要な事項にあたるはずです。
現に大村知事は表現の不自由展を中止した際には16条の専決処分を根拠としました。
会長の専決処分を根拠に表現の不自由展を再開できるのか?
この専決処分は運営会議の議決事項であるものを対象にしています。
ここで、専決処分の要件に「緊急を要するとき」があるのが重要です。
展示中止の際にはこの要件はあったでしょうが、展示再開の場面ではどうでしょうか?
8月4日に中止をしてから10月8日に再開するまでに2か月間もありながら、その間一度もトリエンナーレ実行委員会を開催せず、表現の不自由展の扱いを実行委員会に諮ることもしていません。
にもかかわらず、愛知県の政策顧問である上山信一を副座長に据え、自らもオブザーバーとして出席するという、とても第三者委員会とは言えない実態である「あいちトリエンナーレ検証委員会」を1ヶ月以上に渡って主催し、この中で展示再開を決定しています。
これは明らかに「緊急を要するとき」の要件を充たしていないでしょう。
今後、愛知県に対して大村秀章個人に対する請求を求める住民訴訟が提起されるとすれば、この事実は非常に重いでしょう。
「隠して出す」を認識していた補助金詐欺疑惑の指摘
表現の不自由展の一部作家が、「当該作品の内容を隠して出す」と言っており、それを芸術監督である津田大介が認識していたことが示唆されています。
この事実が本当であれば、愛知県は文化庁への補助金申請の際に「専門家のチェックをした上で展示している」という記載内容が事実と異なることを知りながら申請をしていることになり、補助金詐欺となる可能性が出てきます。
まとめ:河村市長の抗議の座り込み宣言は正当
現職の市長が座り込みをするのはどうなんだ?という意見はあるかと思いますが、大村知事のこれまでの経緯に対する批判は100%正当です。
そもそもこの話は憲法上の表現の自由の侵害ではなく【公的事業の乗っ取り】の問題。
まさにメディアやいい加減なコメンテーター、ごく一部の憲法学者がありもしない脅威を煽っているに過ぎない話です。
以上