事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

国会会議録(議事録)が検索できない理由:国立国会図書館に聞いてみた

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国会会議録が見れない場合があります。

「あの質疑から時間が経っているのになぜ議事録が見れないんだろう?」

「しかも、同じ日の別の委員会は見れるのに、この委員会だけがUPされてない」

こういう思いをした経験がある人もいるのではないでしょうか?

現時点でも複数の会議録がUPされていないものがあるので、その原因や傾向について国立国会図書館に聞いてみたので整理していきます。

国立国会図書館の国会会議録検索システム

国会の議事録は国立国会図書館が提供している国会会議録検索システムで衆参すべて過去分をさかのぼって見ることができます。

こちらにUPされていない場合でも、衆議院には委員会ニュースというページがあり、ここで質問者がどういう内容について質疑したのかの概要が分かります(政府答弁の内容は無し)。

会議録がUPされるのは通常、約2~3週間とされていますが、簡略なものについては数日でUPされることもあるようです。

また、3週間以上経っても会議録がUPされない場合も極一部でありますが存在します。それは国立国会図書館がサボっているということではなく、衆議院、参議院の側でタスク未処理となっているからです。そちらから国立国会図書館の事務の方に会議録が送られないといけません。

衆議院、参議院での議事録処理

本会議や委員会が開かれると速記が行われます。

「速記を止めて」と議長が発言するのを聞いたことがある人も多いと思います。

細かいことは分かりませんが、閉会後、衆参の議院の事務方が速記等から議事録を起こすようです。「あー」とか「うー」とかは省き、途中の言い間違いも必要があれば排除して意味が通るようにします。

その上で、発言の内容が正しいか、同音異義語の表記はこれで良いかなどを確認するために発言者に確認するという流れになります。

発言者が必ず中身を見るのかは分かりませんが、議事録の元となる紙は発言者が属する会派に渡されるようです。

したがって、議事録がなかなか出来上がらないという場合は、ここで止まっているということです。ちなみに、誰のせいで止まっているかは教えてくれませんでした。

早く質疑の内容を把握したい場合には衆議院、参議院のインターネット審議中継では日を置くことなくすべてが視聴可能なので、そちらで見るしかありません。

なお、衆議院の場合は第151回国会(平成13年1月31日召集)以降の衆議院の会議録の議事部分を掲載しています。

参議院の場合は30日以内に開催された会議・委員会は各議院のWEBページから閲覧可能です。

中には国会の会期を挟んだり1年以上かかる例も

国立国会図書館や各議院の事務方に聞くと、1年以上経っても議事録が発言者から来ないという例も過去にはあったと言います。

選挙や解散があった場合に発言者が国会議員ではなくなったりする場合もあります。このときは流石にペンディングにはせず、公開に踏み切るそうです。最悪の場合でも選挙・解散があった後のタイミングで議事録は公開されるそうです。

いずれにしても、議事録が隠蔽される、公開されない、ということは在り得ません。

最近で止められている国会会議録の例

いくつか興味深い例があるので挙げてみます

第196回国会衆議院内閣委員会第2号平成30年3月9日

国会議事録杉田水脈パチンコ

2018年7月31日時点魚拓:

https://web.archive.org/web/20180731071844/http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/0002_l.htm

この日は杉田水脈議員が質問に立ち、韓国ソウル市で捏造フィルムが上映されたことに西早稲田2-3-18を拠点とするWAMが関与していることや、ヒューマンライツナウなどが関与しているAV強要問題、ギャンブル依存症の主要因としてパチンコが原因であるという答弁を引き出した回です。

委員会ニュースで質疑内容はわかります。

具体的には、まずWAMで日本を断罪する裁判の真似事が行われた際に検事役を務めたのが今のソウル市長であるということが杉田議員の発言で述べられています。

次に、毎年3月にニューヨークの国連で女性の地位向上委員会が開催されるところ、400のNGOがパラレルイベントを開催しているようですが、2015年は「慰安婦問題の真実と正義 日本軍慰安婦」というものをWAMの代表のわたなべみな氏が作成し、主催者はヒューマンライツナウでその事務局長が伊藤和子であることが指摘されています。

そしてアダルトビデオ出演強要問題について、実際は強要ではない例もあるということが指摘されています。この問題を取り上げたのがイ・ミカという挺対協の代表だということにも触れています。

日付を見るとわかるように、3月のものが7月末になっても未だに議事録がUPされていないということで、いったいどこが止めているのか、それはなぜなのかが気になるところです。

動画から関係部分を文字起こししたものはこちら

第196回国会参議院内閣委員会平成30年7月17日

和田政宗国会参議院IRカジノATM

2018年7月31日時点魚拓:http://archive.is/t3lI4

この日は和田正宗議員がIRカジノ規制について詳細に質問をくわえている回です。

IRの中にカジノがあるという位置づけの必要性、重要性、IRカジノにおけるギャンブル依存症対策に関してATM設置規制(預貯金の引き出しも含む)の提案をするなど、内容が詰まったものだと思います。

実は、ATM設置禁止については競艇、競馬など公営ギャンブル施設内では禁止する方向で議論が進んでいます。しかし、なぜかパチンコだけがATM設置禁止の議論がなされている形跡がありません。

これはギャンブル等依存症対策関係閣僚会議の資料からうかがえます。

和田政宗議員をはじめとしてATM規制については各議員が質問しており、ギャンブル等依存症対策基本法も成立しましたので、今後、パチンコ敷地内のATM完全禁止の議論がなされるのでしょうか?

第196回国会衆議院本会議平成30年7月20日

2018年7月31日時点魚拓:https://web.archive.org/web/20180731071635/http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/0001_l.htm

この日は枝野幸男議員が2時間43分の演説をし、それが書籍化されたという事実があります。

他方、この日は他になんと45もの会議・委員会が開かれてるのですが、それらの会議録は既にすべて国立国会図書館で公開されています。なぜ衆議院本会議のみが公開されていないのでしょうか?

邪推ですが、議事録が直ぐに公開されたら枝野氏の演説を書き起こした書籍は「商売にならない」わけです。そのため、そこで止まっているのではないか?と思ってしまいます。

8月10日に店頭に並ぶとのことですが、通常はその頃までには議事録は公開されるのであり、それでも公開されないとなると、ビジネスを疑ってしまいます。

発言内容の著作権は発言者本人にあるため、事後的なビジネスは何ら問題はありません。しかし、枝野発言の書籍ビジネスを有効かするために国会会議録の公開が遅れているのであれば、他の発言者の発言内容の公表が妨げられていることになります。一部のビジネスを優先することで情報公開が損なわているとすればこれは正当性に欠ける行為であると思います。

まとめ

上記の例は、いずれもパチンコ・ギャンブル関係の質疑や発言がある場合だということに気付いたでしょうか?

なぜかこのような話題のときだけ議事録の公開が遅い、ということは類型的に言えるのでしょうか?

サンプル数が少なすぎてなんとも言えず断定は避けるべきですが、議員が議事録のチェックを止めているのは何かしらの理由があるはずです。ましてや(何の議題があったかは不明ですが)過去1年以上も止めている例があるというのは、当該議員(或いは支援組織、業界)にとって都合が悪い内容の質疑が行われていると考えざるを得ません。

議事録の公表が遅いという事案を発見したらSNSで共有していただきたいです。発言者の党に問い合わせるなりしてどこが止めているのか絞り込みをかけるということも可能でしょう。そして、データが蓄積すればどういう話題のときに公表が遅れるのかということが分かるはずです。

それを分析すれば、何かおもしろいことがわかるのではないか?そう予想しています。

以上