レーダー映像公開「安倍首相は汚い」 韓国与野党が批判:朝日新聞デジタル
朝日新聞が「韓国与野党の論評」として安倍総理を非難する文面を紹介しました。
与党の「共に民主党」と野党の「正しい未来党」のものです。
せっかくなので全文を見てみましょう(訳はてきとうです)
どうもこの件、情報がロンダリングされ、改変されているのです。
共に民主党の論評
私が説明のために追記した文言も含みます。
外交を国内政治に利用する安倍政権に抗議しない保守政党は、大韓民国に必要がない
先週、我が軍が北朝鮮遭難船舶の救助中に、日本の自衛隊哨戒機に火器管制レーダーを数回照射したと連日攻勢を繰り広げた日本の下心が自国メディアによって明らかになった。
日本のメディアは、最近の支持率低下に直面している安倍晋三首相が嫌韓感情を刺激し、利用して、保守層を団結させるための汚いやり方としてレーダー動画を公開したと報道した。
これらの不純な意図を持って安全保障を脅かす日本政府に対して、安全保障保守政党を自認する自由韓国党(セヌリ党)は、その一般的なコメントも出さず、ひたすらムン・ジェイン政府と与党の政略攻勢に腐心している。
外交を国内政治に利用する安倍政権に沈黙し、「大韓民国の安保の責任を取れ」と言っている自由韓国党は自らの存在理由を振り返ることを望む。
2018 年12 月29 日
共に民主党常勤副報道官ソジェホン
「日本のメディア」とはどこでしょうか?
安倍総理が主導したという指摘は、正しい未来党も言及しています。
自由韓国党(セヌリ党)が声明を出していないことが触れられていますが、この論述自体は日本政府に向けられたものではなく、自由韓国党に向けられたものです。
朝日新聞がなぜか日本に向けたものであるかのように報じているのは不思議です。
正しい未来党の論評
[コメント]イ・ジョンチョル報道官、日本の居直り、自制を促す
日本の居直り、自制を促す
「レーダー事件」を扱う日本の行動が甚だしく残念である。日本の防衛省の慎重論にもかかわらず、首相が直接防衛相を呼んで関連映像の公開を指示したなど、安倍首相が韓日間の軍事マターを国内政治に利用しようとしている恐れが出てきている。
日本国内の反韓感情を刺激することにより、首相の支持率を上げようとする疑惑が出てくる状況はまったく適切ではない。日本が公開した映像は、むしろ日本が私たちの側に威嚇的な低空飛行をしたという証拠が映し出されている。
本来は私たちが抗議して日本が謝罪を受け入れなければならなのに、私たちは両国の関係を考慮し、忍耐して、慎重に対応している。合理的に事態を扱っている韓国政府とは対照である日本政府の行動は、ほぼ同盟国である国の行動と言えるのかどうか、疑問を禁じ得ない。
この事案は一方的な政治攻勢ではなく、日韓両国間の友好協力を通じて解決すべきである。誤解が払拭されない場合、両国の共同検証団を結成して真相を明らかにするという手段がある。安倍首相は真実究明よりも政治的な攻撃に重点を置いている行動を直ちに中止しなければならない。日本の居直りに深く遺憾の意を表し、自制を促す。
「防衛省が慎重論だったが安倍総理が防衛相に映像公開を指示した」というストーリー
これは時事通信の記事を下敷きにしていますね。
時事通信の記事の捏造疑惑
時事通信がまたもやフェイクニュース!防衛省が映像の公開を渋ってる?違うでしょ。自衛隊の現場の人はむしろ公開すべきだって主張したんだけど、時事通信の情報源になってる某お偉いさんお一人が反対なんだよね。ぜーんぶ知ってるぞ!嘘つき新聞め!!https://t.co/tjEBuCTbTs
— 上念 司 (@smith796000) December 28, 2018
上記記事でも触れていますが、時事通信の記事には疑義が呈されています。
ただ、仮に時事通信 の記事が本当であっても、それはシビリアンコントロールが機能しているということであるとも評価が可能でしょう。
それに、映像公開は有効であり、正解でしょう。
さて、韓国の2党の論評には、時事通信が報じていない内容が含まれています。
韓国の与野党が時事通信の記事を拡大解釈?
まず、共に民主党が「支持率低下」に言及して、それを挽回する目的に出たかのように言ってますが、これは時事通信の記事にはありません。よって、韓国政党の想像ではないでしょうか?
また、正しい未来党は「首相が直接防衛相を呼んだ」と断定していますが、これも時事通信は報じていません。
面白いのが、「日本が公開した映像は、むしろ日本が私たちの側に威嚇的な低空飛行をしたという証拠が映し出されている」とまで言っているということ。
フライトレコードがあるのでこの発言は恥をかいているだけなのですが、映像だけでもこの主張はおかしいと言えます。
A most sensible thread raising three interesting questions: 1. Given the ROKN behaviour, XO’s have lost their job for less, so I’m curious to see how this will be dealt - a matter that stands aside admission of guilt and speaks to the substance of what happened; 1/3 https://t.co/6xxX37CVpL
— Alessio Patalano (@alessionaval) December 28, 2018
アレッシオ・パタラーノ氏はロンドンキングスカレッジの主任研究員で、軍事の専門家であり、特に日本海軍の歴史と戦略、東アジアの海難事案に詳しい方です。
ROKNは韓国海軍を指します。
彼によると「偶然やレッドブルの飲み過ぎではこんなに長くFCレーダーをロックしない、日本の明確な説明を求める要請は単に過失を認めるよう言っているだけではなく、職業軍人に相応しくない振る舞いについてのものでもある」とまで言っています。
それだけ韓国軍の行為は「ありえない」ものだということです。
韓国の議員のレベルはこんなものです。
「与野党」と言っても、韓国国会の大多数ではない
冒頭の朝日新聞の記事は「韓国の与野党」と見出しにも本文にも書かれていました。
これは「韓国の国会議員の大多数」を連想してしまいがちですがそうではありません。
韓国の国会の議席数は300です。
そのうち、共に民主党は121、正しい未来党は30に過ぎません。
声明を出していない自由韓国党(セヌリ党)は116議席もあります。
したがって、「韓国の国会議員が一致団結して日本を非難している」という印象を持ってしまったならば、それは実態と異なる、ということになります。
まとめ:フェイク情報ロンダリング?
- 時事通信が報じる(捏造疑惑あり)
- 韓国政党が鵜呑みにし、且つ、誇張して「日本のメディアが報じている」と主張
- それをまた今度は朝日新聞が報道するが、与党の共に民主党の論評の名宛人は日本ではなく自由韓国党に対するもの。
- 朝日の「与野党」とは、韓国国会議員300人のうち、151人のこと。
このような情報のロンダリングがなされていると言えます。
少なくとも2の段階では憶測が含まれており、3の段階ではさらに名宛人すら誤信させ、国会議員の大多数が同様の論調であるかのように見せる報道をしているということが分かります。
細かいところからどんどん話がずれていく。
そういう事を目の当りにした思いです。
以上