事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

医学雑誌Lancetで「新型コロナに関して日本で中国人差別」:NYTのモトコリッチの記事ベースに

Lancetで「日本で中国人差別」

医学雑誌Lancetで「新型コロナに関して日本で中国人差別」との内容が書かれました。

この論のベースになってる記事はデタラメです。

医学雑誌LancetでSARS-Cov-2に関して「日本で人種差別」Kazuki Shimizu

2019-nCoV, fake news, and racism

Lancetとは医学雑誌ですが、医学論文や医学的な論考以外の寄稿も行われているようです。(今回のが異例な寄稿なのかは不明)

Kazuki Shimizuという論者によるこの投稿では、新型コロナウイルス=SARS-Cov-2に関してフェイクニュースと人種差別が発生しているという

#ChineseDon'tComeToJapan is trending on Twitter, and Chinese visitors have been tagged as dirty, insensitive, and even bioterrorists.

「#中国人は日本に来るな」がツイッターでトレンドになっており、中国人訪問者は汚いもの、無神経なもの、そしてバイオテロリストであるとさえもタグ付けされています。

この記述には脚注が付けられていて、引用元が示されています。

それを見ると、NYTのMotoko Richの記事が示されています。

ニューヨークタイムズのモトコリッチのデタラメ記事

As Coronavirus Spreads, So Does Anti-Chinese Sentiment - The New York Times

ニューヨークタイムズのモトコリッチによる上記記事は、"trending on twitter"という表現で日本のSNSで中国人差別が広がっているという内容を含むものになっています。

しかし、私やジェームズ・コンドウ氏が当該ハッシュタグを調べた結果、およそ「ツイッターサービスのトレンドランキング入り」する数のツイートが行われていることは認められませんでした。

当該ハッシュタグを含むツイートは、1日あたり50件ほどでしたからね。

日常用語として「流行している」という意味だとしても、そのような評価が妥当であるとは言えないでしょう。

新型コロナウイルスの危険を煽るのと何が違うのか?

韓国では武漢からの帰国民の隔離施設がある地域の住民が官僚の髪の毛や服を掴んで暴行を働き、中国人の入国禁止を求める50万以上の署名が集まりました。

フランスの地方紙は「イエローアラート」という見出しを出しました。

アメリカのカリフォルニア州立大学バークレー校が「アジア出身者ではないかと不安になるのは自然なことだ」という内容をHPに掲載したことがありました。

イタリアの国立音楽院に至っては「東洋人はレッスンを辞退しろ」と勧告しました。

そういった「公的機関・メディアによるヘイト」「大多数による現実のムーヴメント」に対して、日本のツイッターでは極少数のアカウントしかツイートしていない「#中国人は日本に来るな」の事象を同列に語ることは意味不明です。

新型コロナウイルスの脅威を煽ることについて諫めるような発言をする人が居ますが、ネット上の超少数者の行為を針小棒大にあげつらって問題視するのはそれと何が違うんでしょうか?

「中国叩き」ではなく「日本たたき」が現在進行形で行われている

実は、新型コロナウイルス関係の情報を見ていると、「中国叩き」よりも「日本たたき」の情報の方が目にすることが多いです。中には「日本的なるものに対する嫌がらせ」の事例もあります。

日本的なるものに対する嫌がらせの例は以下

これは時事通信提供の写真がおかしかったせいなのですが(ハフポスは指摘を受けて修正)、イタリアでの人種差別事例での記事の写真で皇室関係の場所の写真が使われるという悪質な行為です。

「日本の731部隊の残党は新型コロナウイルスの解毒剤を投入しろ」と言う者も出てくる始末です。

この他にもあの飯塚真紀子がモトコリッチの記事を引用して、より悪質な印象操作記事を書いています(Yahooで見れますがリンクは貼りません)。

まとめ:Kazuki Shimizuは何のために書いたのか?

Lancetに寄稿された文は「フェイクニュースと人種差別」をタイトルにしていますが、「マスクの売り切れ」など、それと無関係な事象も書かれています。

「人種差別」のソースはモトコリッチの記事だけが示されています。

正直、何を言いたいのかさっぱりわかりません。

まとめサイトレベルの文章です。

こんなものがLancetという権威のある(そのハズ)媒体に掲載されるのはどうしてでしょうか?Kazuki Shimizuは何のために書いたのでしょうか?何者なのでしょうか?

以上