事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

飯塚真紀子「福島原発事故後に先天性心疾患の手術件数増」というトンデモ論文を拡散する記事

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https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20190409-00121301/

2019年3月14日、名古屋市立大学が村瀬香准教授らによる「福島原発事故後の複雑心奇形の全国的増加」と題する論文をプレスリリースしました。

この論文の評価については、以下の記事で指摘されている通り、この研究だけでは放射線の影響があると言うには無理があると結論付けられています。

飯塚真紀子氏が村瀬准教授に取材した内容もトンデモなので改めて紹介します。

中日新聞が取り上げた那須野が原オオタカ論文の著者村瀬香・名古屋市大准教授の論文:「複雑心奇形と停留精巣が原発事故後に全国的増加」というけれど、原発事故の影響だと言えるのか? - Togetter

トンデモ論文:福島原発事故後に複雑心奇形手術が全国で増加と放射能の因果関係

福島原発事故後に先天性心疾患の手術件数増

原発事故後、先天性心疾患の手術件数14%増 世界的権威が認めた衝撃の事実 日本のメディアが報じない怪(飯塚真紀子) - 個人 - Yahoo!ニュース

原発事故の影響以外に説明できない
 チェルノブイリの原発事故後、旧ソ連や近隣諸国では先天性心疾患の発生率の増加が報告されたが、同じ状況が今、日本でも起きているということなのか?

 この結果について、村瀬氏はこう解説する。

原発事故との関連は不明です。また、原発事故との関連の有無を証明することは不可能です。しかし、原発事故以外に、複雑心奇形の手術件数の急増に結びつく要因が考えられないのです。例えば、新たな手術法が開発された場合、その手術による手術数の増加は起きるかもしれませんが、新手術というのは通常徐々に浸透していくものなので、このように急増することはありえません。

 また、グラフからわかるように、2010年は前年よりも手術数が増加しています。同年は、妊産婦に対して行われたアンケートの回答率が99%とこれまでで一番高かったことから、増加しても不思議ではありません。しかし、2011年の場合、震災の影響か、その回答率が96.4%とこれまででは最も低かったんです。それにもかかわらず、手術数は急増しました。原発事故の影響以外に説明がつきません」

村瀬准教授は取材に対して「原発事故との関連は不明」と説明してます。

放射線との関連は不明」でもないのです。

にもかかわらず、「原発事故以外に要因は考えられない」と言っています。

だったらなぜ論文に書かなかったのか?

Nationwide Increase in Complex Congenital Heart Diseases After the Fukushima Nuclear Accident

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Nationwide Increase in Complex Congenital Heart Diseases After the Fukushima Nuclear Accident

この論文の英語原文では、「結論」部分で唐突に「福島原発から漏れた放射線の影響を考慮すべき」という文言が出てきます。

しかし、そう考える根拠は、まったく示されていません

これは科学論文としては非常に不可解な記述です。

先天性心疾患の手術件数は全国的に増加した

原発事故後、先天性心疾患の手術件数14%増 世界的権威が認めた衝撃の事実 日本のメディアが報じない怪(飯塚真紀子) - 個人 - Yahoo!ニュース

手術件数は全国的に増加したということだが、福島県でも増加したのか? それについて村瀬氏はこう説明する。

各県別のデータがないため、それは不明なのです。また、福島県の場合、心奇形の内訳が出されていないので、どれだけが重篤で複雑な種類の心奇形であるか不明で、手術数が増加しているのかどうかも非公開です。また、事故後、福島県外に移住し、県外で母子手帳をもらって出産した妊産婦もいますが、そのデータは福島県のデータには含まれていません」

 しかし、全国の複雑心奇形の手術数には、福島県から県外に移住し、県外で母子手帳をもらった妊産婦が出産した複雑心奇形を持つ乳児の手術数も含まれている。

本当に呆れるしかありません。

科学的な根拠をもって論じるのが科学者、研究者のハズです。

それができないのに、個人的な思い込みのみに基づいて論文に根拠不明の妄想文を混ぜ込み、論文に書いてない(書くとあまりに支離滅裂なため査読が通らないため書けなかったのだろう)ことを断定的な論調で発信するというのは、人としてどうなのか。

過去記事でも指摘しましたが、仮に震災や原発事故との関連があったとしても、「放射線との関連」の話となると、更なる研究や分析が必要になるはずです。

その二重の論理飛躍を、さすがに日本のメディアも見抜いてるんでしょう。

だから中日新聞以外に報道されないんですよ。

朗報:村瀬香准教授は科研費の対象外に

原発事故後、先天性心疾患の手術件数14%増 世界的権威が認めた衝撃の事実 日本のメディアが報じない怪(飯塚真紀子) - 個人 - Yahoo!ニュース

なくなった研究費枠
 村瀬氏は現在、イノシシのDNAや臓器が受けた放射線影響について研究を行なっている。「衝撃的な結果なので、信じてもらえるかわからない」という研究結果をすでに得ているというが、今後、研究を続けていけるかどうか不安も感じている。先天性奇形の研究を始めてから、科学研究費という国が出す研究資金を得るための申請書を出しても、申請が通らなくなったという。また、福島原発事故による被曝の影響を研究する研究費枠もなくなってしまったという。

「今では、一般的な放射線影響という研究費枠しかありません。研究を続けるためのエンジンがなくなったのを感じています」

と声を落とした村瀬氏。

研究者としての矜持を失い、福島に対する不安を煽動するかのような者に対して科研費なんて支給してもらったら困ります。

そんな者の声の拡声器になっている在米ジャーナリストの飯塚真紀子。

このような「枝」は平成の世限りで剪定しておきましょう。

以上