事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

#モーニングショー 菅野朋子「女性・女系天皇を認めないのは男を産むことの強制」⇒竹田恒泰「皇室は宮家全体で負担軽減」

モーニングショー菅野朋子「女性・女系天皇を認めないと差別」

11月5日のモーニングショーで皇室特集が組まれました。

菅野朋子氏が「女性・女系天皇を認めないと男を産むことを強いられている」と発言しましたが、わたくしはこれを疑問に思ったので違和感を整理します。

#モーニングショー 菅野朋子「女性・女系天皇を認めないと男を産むことを強いられている!」

菅野朋子氏の主張は「女性・女系天皇を認めないことがどれだけ女性にとって苦痛か。現状では女性が天皇になれないということだけではなく、女性に男子を産むことを強いられることになっている。」というものです。

竹田恒泰「それは天皇の全否定と同じ」

竹田恒泰氏は「女性の負担を軽減するために宮家がある。現在は1つしか男系男子が生まれる可能性のある宮家が残っていないから1人に負担がかかるようになっているだけ」「男子を産まないといけないということが差別だというならば、天皇の存在も差別であって許されないと言わないとおかしい」と言っています。

 

宮家は自分の所の家が男子が生まれなくても良い仕組み

 

皇室の系図・家系図

皇室の皇位継承順位は基本的に直系を優先してきましたが、「傍系の男系」と「直系の女系」という話になれば前者を選択してきました。

「その家」ではなく「皇室全体」から見て男系男子が生まれればそれで良く、特定の家の特定の女性を責めるような制度にはなっていないわけです。

宮家が増えれば「女性の負担」があると言ってもそれは減る、そのための旧皇族の皇籍復帰、というのがなぜダメなんでしょうか?

そして、竹田恒泰氏が言うように、現在の(皇室の子を産む)女性のプレッシャーというのは、今まさに1つの宮家(悠仁親王殿下の系統)しか男系男子が生まれる可能性が無いという「状況」がそうさせているのであって、専ら男系男子による皇位継承という制度によるものとは次元が違う話になっています。

男子が生まれないといけないことと天皇の存在否定

後半部分について。

(皇室全体の視点から)男子が生まれないといけないということと天皇の存在はイコールです。なぜなら、男系男子で継承されてきたのが天皇だからです。

ですから、「男子が生まれなければいけない負担を完全に無くす」ということはこれまでの天皇の存在を否定するということになります。

婉曲的に「菅野さんはそれで良いんですか?」と言ってるわけですね。

要するに菅野氏の主張の論理的帰結からは天皇否定にならざるを得ないと。

菅野朋子氏は男を産む責任が女性にある前提では?

とても気になった疑問があります。

それは、菅野氏は「男を産む責任が女性にある」という前提で語っていないか?ということです。

「産ませる男性側の責任」は無視?

まず、「子供を産む負担」は男系男子による皇位継承だろうが女系(雑系)を認めようが一緒です。

そして、生まれてくる子供の性別はコントロールできるものではありません。

ですから、本来的には「子供の性別についての責任」なんて観念できません。

仮に「責任」を観念するなら「産ませる男性側の責任」もありますよね?

そうすると、「女性が男を産むことを強いられている」だのなんだの言ってるのは男性側の責任だけは無視して、女性に責任があると言ってることになります。

これはおかしくないでしょうか?

菅野氏の言っていることは、女性に子供を産むプレッシャーを与えるような人間と同じ思考回路だという事の暴露でしかないのでは?

結局、男系男子の皇位継承という制度による女性側特有の不合理な負担というものは無いんじゃないですかね?

科学的には性決定の因子はY染色体遺伝子のSRY遺伝子の発現

性決定の因子とY染色体遺伝子のSRY遺伝子

ほ乳類の性決定遺伝子Sryの発現制御メカニズムの解明に成功 -人間の性分化疾患の原因解明に期待- — 京都大学

哺乳類においては、性決定の因子はY染色体遺伝子のSRYが発現するか否かです。

要するに男性の精子が性決定をするのであって、女性側に「責任」が無いということは科学的に知られていることなのです。
※なお、Y染色体のない男性もいますが、これはY染色体のSRYがX染色体に転移した結果なので、やはり男性側の「責任」で性決定がされています。

菅野朋子氏の言う「女性が男子を産まなければならない負担」というのは、この科学的常識を広めれば解決できる話ではないでしょうか?

嫁姑の関係の嫌がらせの手段でしかないのでは?

ところで、「男児を産まなければならないというプレッシャーが女性側にかけられる」例って、嫁姑の関係でしか聞いたことが無いような気がします。

義理の父親が「お前の種のせいで…」なんて男性を責めるということは聞いたことがありません。

単に嫌がらせの手段として「男を産まなかったことを責める」ことが用いられてきただけじゃないでしょうか?

そういう人の言っていることを回避するために「女系にしましょう」って、なんだか「いじめられている方が悪い」と似ている気がします。

メディアが騒いでるだけでは?

あと、男子が生まれるかどうかで皇族を責めているとしても、それって週刊誌なんかのメディアが騒ぎ立てているだけじゃないでしょうか?

そういう声が大きいから、なんとなく「女性に負担がかかっている」と思うんじゃないでしょうか?

女系も認めるとなると「出産圧力」「結婚圧力」が強まるだけでは?

仮に、「男子を産むことに対する女性の負担」があるとします。

すると、そういう環境では、女系も認めるということであれば生まれた子供はもれなく皇位継承権があるということになるのですから、「子供を産むか否か」についての圧力=出産圧力が強まるだけではないでしょうか?

直系長子優先だとしても傍系の中では長子優先になりますから、「早く子を産んだ者」が皇位継承順位の上位になるため、「結婚圧力」も強くなることが予想されます。

そういう負担があると仮定すればの話ですが。

本来は「なぜ男系男子なのか?」ではなく「なぜ女系・女性天皇なのか?」

皇位継承問題では「なぜ男系男子なのか?」という視点で語られることが多いのですが、これは本来は「なぜ女系・女性天皇なのか?」として問われるべき問題です。

なぜなら、男系男子で継承してきたのが天皇であり、それを継続するのが当たり前だからです。それが伝統だからです。

それを敢えて変更して女性・女系天皇を認めなければならないと言う人たちの側にいわば「主張立証責任」があるようなものです。

現在は伝統側が「反論」しているだけで、「伝統側が積極的に男系男子であるべき理由を主張立証していかなければ女性女系天皇を認めざるを得ない」などと扱うべき問題ではありません。

天秤があって、伝統側に傾いている状態から女系天皇側がいろいろ積みあげていかなければならないイメージです。

この点が誤解されているような気がします。

たとえばあなたの住んでいる家に突然Xが来て「この家は俺のものだから出ていけ」と言われて、家の所有権をあなたが「積極的に」主張立証して証明しなければあなたが家を出ていかなければならないというのはおかしいでしょう?

「現在の状況を尊重する」という価値観のもと、過去の所有権の所在を争わない限りは、あなたからXに「権利移転した事実」をXが主張立証して証明しなければおかしい(もちろん反論はするが)。

民事裁判で言えば「権利移転していない事実」をあなたが「立証」する必要はなく(そのような事実が推認される事情は反論としてするが)、仮に「真偽不明」であればXが負けます。それが「天秤が傾いている」という意味です。

以上