事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

見出し詐欺の温床:日テレのSNSタイトル書き換え不履行を例に

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記事のタイトル要素、リンクテキストの文字列を変更することは多々あることです。

事実と異なった表記から正しい表記に変更すること自体は正当です。

しかし、実は記事の情報とSNSシェア時の情報はリンクしているとは限りません。

記事修正後もSNSシェアをすると誤った情報が拡散されるという事があり得るのです。単に記事ページやニュースサイトのリンク文字列を変更するだけでは不十分です。SNSシェアを意識した対応が報道各社には求められます。

最近はこの点が悪用されているのではないか?という疑問が湧いてきます。

ここでは日テレを例に何が問題なのかを整理していきます。

日テレニュースの見出し:"河野外相と会談"本当は河野元衆議院議長

見出し書き換え前と後とで変更されていない部分があります。

見出し書き換え前:李首相"日中関係を正常に"河野外相と会談

河野外相本人から指摘が入っています。

見出しが「李首相“日中関係を正常に”河野外相と会談」となっていますが、河野太郎外相ではなく父親の河野洋平元衆議院議長の話です。

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見出し書き換え後:河野元衆議院議長が中国・李克強首相と会談

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日テレ記事:http://archive.is/QwlxG
Yahoo記事:http://archive.is/7pFh8

私が見たのは10日の午前11時頃でしたが既に変更されていました。

さて、事実と異なる表記を事実に合わせた表記に変更することは「許される書き換え」であることは以下の記事で示しました。

しかし、単に書き換えただけで良いのか?という問題提起もなされるところでしょう。

記事ページに変更した旨の記述をするべきであるという論もあり得ます。

私もケースバイケースだと思うが、今回は本文は明確に河野洋平氏の名前があり、写真(動画)もあるので間違いであることも明らか。よってタイトル書き換えのみで変更した旨の記載を求めなくてもいいような気がします。

ただ、変更した旨の記載を本文末尾に行うことは全くコストがかからないし、時間もかからないため、基本的には修正した旨の表記必要と考えるべきでしょう。

本文の内容が全く意味内容が変わる場合には、別ページを作って修正するべきであることは以下の記事で指摘しています。

ただ、単に記事ページやニュースサイトのリンク文字列を変更するだけでは不十分です。上記の記事でも書いていますが、SNSシェアを意識した対応が報道各社には求められます。

SNSシェア時の表記

今回の日テレの場合、SNSシェア時のカード部分が変更されていませんでした。

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こちらは4月11日の6時の段階です。

画像の下部にあるタイトル表記は変更前のままです。これは問題です。

「いや、これは変更前にツイートしたから当然では?」と言う方がいると思います。

しかし、変更後にツイートしてもこうなのです。

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こちらは日テレのホームページからのものですが(ツイートの投稿時間が10日の14時となってますが設定のせいであり、本来の時刻は右下の11日6時台です)、この時点でも画像下部の表記は変わっていないことが分かります。

ただし、ツイートのテキスト部分は書き換え後のものとなっていることに注意です。

ヤフーなどのニュースサイトからのシェアの場合も同様です。

これは日テレの怠慢という他はありません。

これを認めてしまえば、他人に悪影響を与えることになる上、悪用することも容認することになってしまいます。

一般人が見出し詐欺=タイトル詐欺に加担することになる

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ツイッターでシェアする際の画面ですが、テキスト部分は変更後になっているのです。

しかし、シェア後に見てみると先述の画像の通り、カード部分は変更前のものになっています。ユーザーは変更後のものと考えてツイートしても、他人からはそうは見られない可能性が高い。これでは安心してツイートできません。

「いや、リンク先の文章では変更済みだからいいでしょ」という方。それは違います。

なぜなら、ほとんどの人はリンク先は見ないからです。

ツイッターでは自分のツイートのインプレッション数が見れます。そこから、多くの人がそのツイートに対してどういう行動をとったのかが詳細に分かるようになっています。そして、ニュース記事に対するユーザーの反応も多く観察してきました。

多くの人は記事をシェアしたツイートのリンク先に遷移することは在りません。リンク先を見るのは1%程度から多くても10%はいきません。

つまり、「見出し詐欺」に引っかかる人が多いということです。

このような変更の未対応は、見出し詐欺の温床になるということで、今回の日テレの未対応は大きな問題を孕んでいるのです。

今回の場合は悪用などしようもなく、する意義もないのですが、別の案件の場合にSNS表記は意図的に放置するという悪用がなされると考えると恐ろしいです。

SNSの記事タイトル変更はカンタン

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こちらはフェイスブックのシェア画面ですが、書き換え後のものになっています。

現状では、記事本文のタイトル要素を変更しただけではツイッター側は認識しません。

しかし、ある方法を使えば簡単に変更できます。

これは個人ブロガーも知っている方法であり、検索で容易に発見できる方法です。

既に為されたツイートに対しても有効です。

はっきり言って、「ワザとやっている」か「著しく情弱」としか思えないのです。

なぜなら、朝日新聞ですらこの変更の対応はしっかりと行っているのですから。

既に日テレ側には変更方法も含めて問題点を指摘したメールをしました。

対応するのか見ものですね。

実は私が日テレの分の変更をすることができるのですが、それは日テレが対応しない場合にしようと思います。

※追記:日テレが対応しないため日テレNEWS24のみ私が変更

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4月11日13時44分になっても変更がされないため、私が修正しました。

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カード部分のタイトルが変更されていることがわかります。

これは日テレのサイトからシェアした場合に限った修正です。ニュースサイトからのものは修正していません。

修正方法はCard validator

修正方法はCard validatorという機能でURLを入力し、ぽちっとボタン押すだけ。

サムネイル画像の変更時もこれで可能です。

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みなさんもSNS上のタイトル詐欺の放置を見たら、これで修正しましょう。

フェイクニュースの放置は許さないという態度が大切です。

※追記2:NHKも同様の見出し詐欺を思わせる不作為をしています

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これはNHKの記事修正後です。

面白いのは、ツイートによって財務省だったり財務相だったりすることです。

ちなみにこれは「キャッシュが残っていた」ではありません。キャッシュ消去後に再アクセスしても同じでした。また、端末を変えても同じ表示でした。

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異なるツイートが2つあった理由の考察ですが、2パターン考えられます。

1つはNHKはCard validatorを使用せずに修正した結果、ツイート全体に渡る修正にならなかったというもの。

もう一つは、httpとhttpsの2つのページがあり、そのいずれかしか修正できていなかったというもの。今回私はhttpsの方をやっても修正されなかったためhttpのURLで試した後に変更の反映が確認できました。が、これは時間が経ってなかっただけなのかもしれません。

いずれにしても、情報発信者側が情報を修正していなかったのですから、NHKの怠慢であることには変わりありません。

見出し詐欺の悪用方法

こちらでも指摘しましたが、ニュース配信側が訂正をしても、ツイート側が訂正をしないという事があります。もちろん、一般ユーザーにそこまで求めるのは酷ですし、求めるべきではないでしょう。

しかし、既に述べたように、大半の人は見出ししか見ていません。この大衆の習性を悪用して見出し詐欺をしていると思われる例が最近見受けられます。

例えば、最初は事実と異なるタイトル、或いは煽動的なタイトルにしておいて、ある程度拡散が済んだ後にこっそり修正するという手法です。朝日新聞をはじめとする情報操作会社はそれを意図的にやっているのではないかという疑惑があります。

これと組み合わせるとどうなるかというと、記事は修正したがツイッター上では誤った情報がそのまま残ることになります。その上、記事修正後のシェアであっても誤った情報が拡散されるということになります。大半の人は記事の中身を見ずにタイトルだけ見るのですから、印象操作ができることになります。

また、多くの人はツイートのテキスト部分ではなく、画像がある部分を見るので、テキスト部分が変わっているとしてもそれに気づく人は少ないです。

見出し詐欺による印象操作を防ぐためにも、タイトル修正時の対応はSNSシェアに対しても厳格に行うべきだというのはそういった事が理由です。

終わりに:タイトル改竄を甘く見てはいけない

  1. 記事のリンク文字列やタイトル要素の変更はSNSと連動しない場合がある
  2. SNSカード部分の変更をしないことは見出し詐欺の温床になる
  3. SNS表記の変更は容易であるため、意図的な不作為を疑うべきである

大衆煽動を可能にするメディアの不作為は許さないと言う姿勢をもって、今後も対処していきます。

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