「理解増進」って、こういう所から学ぶことだと思うよ
- 李琴峰「私はトランスジェンダーでもある」と自白
- 「生物学的男性・生得的男性・身体的男性」を否定
- 戸籍法113条の錯誤による戸籍の訂正と性分化疾患:イマネケリフを例に
- 性同一性障害だが手術済み?それら以外だがそのように強弁しているだけ?
李琴峰「私はトランスジェンダーでもある」と自白
私・李琴峰は、レズビアンです。デビュー以来、私はずっとLGBTQ+の物語を書いてきたし、同性婚法制化などについても積極的に支持しており、プライドパレードにもほぼ毎年参加しています。これらはすでに公開されている情報であり、紛れもなく真実です。
しかし今日、この「トランスジェンダー追悼の日」に、私はもう一つカミングアウトを済ませておきたい――私・李琴峰は、同時に、トランスジェンダーでもあります。
台湾の小説家である李琴峰が「私はトランスジェンダーでもある」と自白しました。
最初にこのことを書いた媒体であるnote記事は現在は削除されており、異議申し立てをしているとのことです。
なお、何の説明もなく記事を公開停止にしたnote事務局に対して、強い憤りを抱いています。
— 李琴峰|新刊『シドニーの虹に誘われて』 (@Li_Kotomi) 2024年11月21日
人の命がけの訴えを何だと思っているんですか?
普段はヘイト記事を大量に「おすすめ」ですすめてくるのに、ヘイト被害者の訴えをこんなに無下にするなんて、理解不能です。
同様の内容はFacebookで日本語・英語・台湾語で公開されました。
李琴峰 - 【李琴峰「トランスジェンダー追悼の日」アウティングされ声明】...
なお、従前の李氏はレズビアンということは公言していましたが、同時に「規範的なジェンダーからの逸脱者」とも言っており、この点を曖昧にしていました。
「生物学的男性・生得的男性・身体的男性」を否定
そういうふうに表現するのは、正直、抵抗感があります。なぜなら「トランスジェンダー」というレッテルは私にとって「アイデンティティ」ではなく、せいぜい「状態」や「属性」に過ぎません。私はそういう「状態」で生きることを余儀なくされていますが、それ自体が私の本質ではありません。
ただ、生まれた時に男性として登録され、男性だと思われる状態で生きていた時期があったというのも事実です。その時期は私にとって二度と振り返りたくない、呪われた悪夢のようなものなので、ここで詳しく語るつもりはありません。
後になって、私は自分がずっと間違った性別の中で生きさせられていたことに気づきました。間違った性別で生きさせられることは、世界との決定的な軋轢と衝突を生み出します。ある時、私は生の継続が不可能な臨界点につき当たり、このままでは生きていけないことを悟りました。
私は自分を殺して、生まれ直すことにしました。
生まれ変わった私は女性です。私は今の自分がとても気に入っています。
だから、私は女性です。断じて「生物学的/生得的/身体的男性」などではありません。
李琴峰は自身をトランスジェンダーと表現することに抵抗感があるとしつつ「生物学的男性・生得的男性・身体的男性」を否定しました。
これはどういうことでしょうか?
この記述のみから考えられる可能性を全て挙げます。
- 本当は女性なのに医者・看護師のミスで出生児に男性として扱われ登録された
- 性分化疾患の何らかの一形態であり、遺伝学的男性かはともかく自身を女性と考えるのが妥当な外観を有している
- 性同一性障害だが手術済みであることをそのように表現している
- それら以外だがそのように強弁している
戸籍法113条の錯誤による戸籍の訂正と性分化疾患:イマネケリフを例に
戸籍法113条では錯誤による戸籍登録があった場合の訂正条項があります。
医者・看護師のミスで性別が別のものとして登録されたような場合の他、性分化疾患の患者がこの規定によって性別変更をすることができるようになっており、実績もあります。「性別取扱い変更」ではなく、「性別変更」です。
性分化疾患と言っても、完全型アンドロゲン不応症=CAISから、不完全型=PAISもあるし、46XY DSDでも5α-還元酵素欠損症、17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症、卵精巣性性分化疾患など、類型だけでも複数が存在しています。
何故か完全型アンドロゲン不応症を念頭にイマネ・ケリフを論じてる人が多いんですが、不完全型=PAISもあるし、46XY DSDでも5α-還元酵素欠損症、17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症、卵精巣性性分化疾患などもあり、これらは国際陸連の場合だとテストステロン値制限の対象にしてるんですよね https://t.co/OoFkdXErlp
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2024年8月5日
この点が論点となった最近の事例は、パリ五輪の女子ボクシング選手であるアルジェリアのイマネ・ケリフ選手でした。
この話は「性別論」ではなく、【女子ボクシングにおける公平性】の問題として論じるべきだという事を8月に書きました。
後の10月25日に、彼女が5-ARD (5α-還元酵素欠損症)の生物学的男性 (male) である医学的事実があるということについて、医師が検査に基づいて記した書類がフランス (Le Correspondant) で報じられました。同様の記事は中央日報でも見られますが、日本メディアは…
性同一性障害だが手術済み?それら以外だがそのように強弁しているだけ?
李琴峰の「私は女性です。断じて「生物学的/生得的/身体的男性」などではありません」という記述からは、「遺伝学的男性」が抜け落ちていると読めなくもない。
ならば、手術済みの性同一性障害なら、李氏の言及する自身の状況に整合的?という考えも浮かぶ。
そうではなく、身体違和も無い単なる「トランスジェンダー」で自己の性自認のみによって性別が変えられるという考えの下に、そのように強弁しているだけなのか?
その辺を曖昧にして誤解を誘発させて被害者ポジションを取るようなことに利用されたら困りますね。
幼少期からの話を一切しないということは、身体違和があるのか、性自認が揺れ動いていないかどうかなどの認定が不可能になり、性同一性障害者でもなければ、性分化疾患でもないという前提で論ぜざるを得ないでしょう。
プライバシーと言うが、もはや自分の口から言いだしたことでしょう。
一橋大学の事案も「アウティング事件」などと書き、実態からは乖離した理解ですし。
このような李氏の主張は、ぜんぶ「自分の思う通りに周りが動いて・考えて」という思考なんで、何も響かないですね。
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