事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

ネットで拡散:進優子、松原文枝、立松朗について整理:民進党と望月衣塑子

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テレビ朝日の女性社員セクハラ被害疑惑について、女性社員は「S氏」その上司は「M氏」であるという信憑性に欠けるような話が大々的に拡散されています。

『正直、信憑性は非常に疑わしいです。』

女性社員の特定という二次被害をもたらしかねない事態ですが、なぜこのような状況になったのか、この情報が拡散された経緯を整理してみます。

なんか、このままだと何かが起きた時に「ネット民のせいで二次被害が拡散された」という流れになりそうなので、「それは違う」という点を強調したいと思います。

※追記:実際にそうなりました。

「S氏」の名前の初出:女性セブンの紙面

紙媒体でも出ていますが、セクハラ疑惑に関連する形で出ています。
伏字対応。

「省内でも、“あの記者は目を引く”と評判になる人がいつも何人かいます。最近では、テレビ朝日の〇〇〇記者は女子アナと見紛うような美形ですし、フジテレビの〇〇〇〇〇記者は上智大学から仏パリ政治学院に留学した経験のある才媛。NHKの〇〇〇〇さんは突っ込んだ取材をする優秀な記者だと評判です。ぼくたち若手はほとんど相手にされませんが、一癖も二癖もある幹部たちから直接、携帯で呼び出されるのを見るとホントに大変そうです」

注意すべきは、ネット上では19日の7時UPということになってますが、18日に紙媒体は発売されており、この時点ではテレビ朝日の記者会見はまだ行われていないということ。女性セブンが断定をしたということではないということ

魚拓http://archive.is/xsiuZ

19日0時から行われたテレ朝の記者会見については質疑応答の書き起こしも含めて以下にまとめています

 25日社長定例記者会見でのコメントは以下です。

民進党大塚代表への堀田氏の質疑

テレ朝の記者会見後の19日15時30分から民進党大塚代表の記者会見がありました。

そこで、堀田氏がセクハラの被害者として名前を挙げたのが「S氏」。

大塚代表は特に触れることもなく質問に応えています。

堀田氏がどういうソースで「S氏」と発言したかは不明ですが、信憑性は如何に。

Youtubeは民進党代表の記者会見の動画が公式アカウントからUPされていましたが、現在は元のものは消えており、名前部分を隠した音声処理をしたものをUPしています。

まぁでも、他の方が元動画をUPしているかもしれません。消せば増える

これ以降、ネット上ではS氏=被害者女性という「特定」がなされたとして扱われていきます。

堀田氏と民進党によってこの情報は広まったということになります。

『ただ、だからといってセクハラ被害を受けた女性社員がそうだと断定するのは非常に疑問ですね。』

「上司M」:「財務省担当の社員」の時点で候補に

M氏については、テレ朝の記者会見の時点から推測がなされていました。

実は、「財務省を取材する」という時点で、それは「経済部の記者ではないか?」という推認が働きます。テレビ朝日の会見で篠塚局長は「女性社員」と言っただけで、「女性記者」という表現を避け、「財務省担当」や「経済部所属」ということは言ってませんでした。しかし、1年半も職務として財務省を取材する立場であったということから「経済部の記者」と考えるのは在り得る話でしょう。

例えば上記ツイートで引用されている記事において、執筆者の安積明子氏は何らの説明もなく「経済部」と断定しています。

魚拓:http://archive.is/I54xK

 

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 魚拓:http://archive.is/LmMmS

被害女性の上司がM氏ではないか?ということはこの時点で推測の範疇にあったということになります。これ以降、有名匿名アカウントがM氏の検証を始めていきます。

もちろん、社内の組織体制は分からないので、「上司」と言っても複数いると考えるのが通常でしょうから、この時点で断定するのは拙速に過ぎるということでしょう。

「特定」のきっかけは望月衣塑子と杉田水脈のツイッター

ネット上での「特定」扱いのきっかけはこのやりとりの影響が大きいと思います。

「私が最も尊敬する女性」というと、過去に会話をしていて知ってる人はもうわかってしまう話。

これに対して杉田水脈氏が以下のツイートでテレ朝経済部長のM氏の名を挙げています。

https://twitter.com/miosugita/status/987147891377487872?ref_src=twsrc%5Etfw

杉田水脈氏は望月氏と会話をしていて、彼女の尊敬する女性を知っていたということでしょうか?これは文脈からそのように捉えられるというに過ぎませんが。

『なぜ杉田氏がこのように断定しているのかは不思議です。』

これ以降、ほぼネット上では上司=M氏と「特定」がなされたとして扱われていきます。

一般的にあり得る可能性としてM氏の名が挙がっていたのであって、望月衣塑子氏がきっかけを作り、杉田水脈氏が「財務省担当の記者」から経済部の部長がM氏であり被害女性の上司ではないか?という予想を補強したということでしょう。

立松朗について

かつては朝日新聞政治部長という役職だったのですが、編集局長補佐という肩書だというのは上記の杉田氏のツイートが初出です。

ツイート上でも、M氏の配偶者であるということは前々から言われていました。

「特定」の経緯の整理

時系列順にいくと以下になります。

  1. 4月18日
    ・女性セブンがセクハラ疑惑に関連して「テレビ朝日のS氏記者」を匂わす形で掲載。他にも数名の女性記者の名前を挙げている。
  2. 19日0時
    ・テレビ朝日が記者会見。「女性社員」以外は部署名、担当省庁名、記者であるか否か、上司の名前、役職は伏せていた。
  3. 19日朝
    ・各所で著名人から女性記者は「経済部の記者」という言説が広まる
    ・財務省に取材していたということから被害者は経済部であると一般的に推認される
    ・望月衣塑子氏が女性記者の上司は「私が最も尊敬する女性」と明言
    ・経済部の部長は「M氏」だったことから上司もその者だと言う言説が広まる
  4. 19日15時30分
    ・民進党大塚代表の記者会見で堀田記者が「S氏」氏がテレビ朝日のセクハラ被害者である前提で質問
    ・民進党公式アカウントが当該部分を含む動画をUP
    ・以降、ネットでは女性セブンの記事やテレビのキャプチャー画像と併せて被害者=S氏と「特定」されたという扱いに
    ・民進党が当該動画を削除し、音声対策をした動画をUP。
  5. 19日夕方
    ・「S氏」が経済部の記者だという言説が広まる
    ・杉田水脈氏が望月氏の最も尊敬する女性が「M氏」と断定
    ・以降、ネットでは上司はM氏と「特定」されたという扱いに

まとめ:主体は「ネット」以外にある

私のスタンスはこの件について誰が被害者でだれが上司なのかは断定しないこととしています。なので、カッコ書きで「特定」としています。

ネットは媒体に過ぎず、元情報を仕入れた者は別に存在します。

「ネット民のせいで特定」と言うのは責任転嫁のような気がしますね。もちろん、ネット民もそれなりに節度を持って議論を展開すべきだというのは論を待たないと思います。

以上