事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

柴咲コウ種苗法改正発言に乗っかる藤井聡と山田正彦のデマ

女優の柴咲コウが種苗法改正案の審議入りに際してツイートしましたが、削除されました。彼女に乗っかってまた変な連中がデマ拡散しているので情報を整理します。

※追記:種苗法改正反対派がよく引用する元農水大臣の山田正彦が捏造と印象操作をしていることが明らかになりました。

柴咲コウ「種苗法改正は自家採取禁止」

柴咲コウ種苗法改正

柴咲コウが「種苗法改正は自家採取禁止」と警鐘を鳴らすようなツイートをしました。

しかし、改正案では一般的に自家採取禁止となるわけではなく、登録品種を使わなければいくらでも自家増殖して良いので、このツイートは不用意です。彼女も現在はこのツイートを削除しています。
 

種苗法については以下の方々が詳細に説明していますのでそちらを読んでください。

種苗法の一部を改正する法律案について:農林水産省 自家採取は一律禁止になりますか。

京大教授の恥さらし、藤井聡が柴咲コウを利用

以下では柴咲コウのツイートを利用して種苗法に関する誤った認識を拡散するレベルの低い連中に対して明らかにおかしな点を指摘するにとどめます。

魚拓

まず「種子法」と「種苗法」はまったく別ものです。

「種子法」は2年前に廃止されましたが、その議論においても藤井聡は種苗法との混同をしており、相変わらず議論資格が無いことを暴露しています。

この議論をまともにしていたらこの間違いは無いでしょう。

「グローバル企業のための改正」もデタラメです。

種子法廃止で「外資ガ―!」「モンサントガー!」はありましたか?

種子法デマについてはhiroさんが何度も記事化してまとめているのが分かりやすいと思います。

藤井聡らTPP亡国論などを喚きたてていた連中が指摘していた「外資ガー!」「モンサントガー!」「日本が売られる~!」という事態ですが、種子法廃止の公布がされて3年、廃止が施行されて2年が経ちましたけど、そういう事例はありましたか?

元農水大臣山田正彦のデマ記事

魚拓 

恥を知らない藤井聡は自分で説明せず元農水大臣の山田正彦の記事に丸投げしているわけなんですが、この記事自体が全体的におかしいので指摘していきますよ。

山田は「農家はすべての種や苗を新たに購入し続けるか、もしくは育成者権者に対価を払って自家採種の許諾を得なくてはなりません。」などというデマの他に、少なくとも法律案を知らなくてもわかるような明らかにおかしいことを言ってます。

「種苗法は国内法ですから、海外での取り締まりはできない」???

山田正彦の種苗法デマ

http://archive.is/PxEHb

「種苗法は国内法ですから、海外での取り締まりはできない」

???

いったい何を言ってるんでしょうか?

「国内法は海外の取り締まりは出来ない」

これ、全ての規制法についても当てはまりますよね。

この理屈で「意味が無い」などと言うなら、たとえば昨年問題になった韓国による半導体製品の輸出管理の強化の問題では「外為法」の領域の話ですが、外為法も意味が無いということになりますよね(棒)
もちろん当該製品には国際的な輸出規制の枠組みも存在している

さて、現行法では種苗法21条4項で育成者権が輸出等で侵害された場合を捕捉しており、10年以下の懲役も可能となる罰則もあります。今般の改正ではこのあたりの規定が拡充されます。(21条の2~4が新設され、所要の整理が為される)

で、シャインマスカットについては(ブドウ品目)韓国 品目別検疫条件一覧表(携帯品):植物防疫所魚拓)や、諸外国に植物等を輸出する場合の検疫条件一覧(早見表):貨物編を見れば分かるように【輸出検査(検疫)なしで輸出可能】な場合もあるので、ここで言われているような方法での取り締まりは機能しません。

中国向けはそもそも検疫条件を設定していないため輸出禁止になっています。

もちろん今般の種苗法の改正で持ち出しが有効的に規制できるのかは議論があるでしょうが、直接的な取り締まり以外の改正による海外流出への対策はたとえば以下が検討されています。

  1. 海外流出時に技術的に困難となっている権利侵害の立証を容易にする
  2. 訴訟において裁判所が証拠書類提出命令を出すか否かを判断する際、裁判官が
  3. 対象書類を実際に確認できる手続を拡充
  4. 海外からの出願者に日本国内の代理人設置を義務づける規定
  5. EPA等において、加盟国間で育成者権の共通の取扱いを規定する場合への対応

「流出させない」ことと「流出した後の国際法的救済」ことは別個の話で、前者が完璧にできなければ意味が無いなどという雑な議論は意味がないどころか単なる誘導でしょう。抑止力というものを完全に無視してますからね。

意匠登録と無関係の事例を持ち出し、現行法を適用すれば済むという欺瞞

藤井聡と山田正彦の種苗法デマ

http://archive.is/PxEHb

「中国や韓国で…意匠登録」と「2019年の種牛の受精卵」の事案は無関係です。

シャインマスカットについて聞かれているのに和牛の種牛の事案を持ちだすのは話をズラしている印象ですし、この事案は『検疫を受けてなかったために中国の現地税関が』拒否し、日本では「家畜伝染病予防法違反」で逮捕された事例です。

つまり知財関係の法律で捕捉したのではなく検疫関係の法律で「たまたま引っ掛けることができた」に過ぎません。検疫が機能しない場合はどうするのか?という問題もありますし、被害を受けた者が民事的な救済を受けるためには一般法に基づくしかなく厄介です。

 

和牛の受精卵の事案の参考:http://archive.is/RCZgT

もちろん現地での意匠登録は可能ならするべきでしょうが、そのための手続きも煩雑でしょうし、何より現地法に依存しなければならないというのは日本国の自律した主体の在り方として本来的に採るべき手段ではありません。

いちいちおかしな点が1つの記事の中にたくさんある時点で、記事中の山田正彦の言を借りて言わせてもらうと「意図は別のところにある」としか思えません。

まとめ:議論するならまともに

オウム真理教への破防法適用に反対した自由法曹団に所属してる弁護士や破防法に基づく調査対象団体の日本共産党が種苗法の改正に反対しているというのは何だか意味深ですね。

以上