ニューヨーク州クオモ知事が「川崎病似の症状73人」とツイートしましたが、このツイートに違和感を覚える人は居ないのでしょうか?
- ニューヨーク州クオモ知事「川崎病似の症状73人」
- 川崎病の正式名称は小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MucoCutaneous Lymph-node Syndrome, MCLS)
- WHOの病名の新しい命名ガイドライン
- 青山繁晴議員らの「武漢熱」を「ヘイト・差別」と言ってた人はなぜクオモ知事にも言わないのか?
- まとめ:偽善に過ぎないWHO命名ルールとサヨク主義者の反差別
ニューヨーク州クオモ知事「川崎病似の症状73人」
There have been 73 reported cases in NY of children getting severely ill with symptoms similar to Kawasaki disease and toxic shock-like syndrome.
— Andrew Cuomo (@NYGovCuomo) 2020年5月8日
On Thursday, a 5-year-old boy passed away from these complications, believed to be caused by COVID-19.
DOH is investigating.
「ニューヨーク(州)ではこれまで、川崎病と毒素性ショック症候群(※=TSS)に類似した症状で重症化した子どもが73人確認された」
コロナ関連の奇病で男児死亡 米NY、川崎病似の症状73人 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
このツイートで違和感を覚えなかったでしょうか?
「なぜCOVID-19と言いながら川崎病と言っているのか?」
川崎病の正式名称は小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MucoCutaneous Lymph-node Syndrome, MCLS)
川崎病は川崎富作医師が昭和42年に症例報告をしたことから命名されていますが、神奈川県川崎市が風評被害を受けてきた経緯があります。
この病名の正式名称は小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MucoCutaneous Lymph-node Syndrome,=MCLS)と呼ぶようです。参考
そうであればそのように呼べば良いのではないでしょうか?
新型コロナウイルスがCOVID-19と呼ばれるようになった理由と経緯について知っていれば、クオモ知事の発信に違和感を持たざるを得ません。
WHOは特定のコミュニティに汚名を着せる事になりかねないとして病名の命名ガイドラインを新たに設定していたからです。
WHOの病名の新しい命名ガイドライン
WHO issues best practices for naming new human infectious diseases(魚拓)
2015年5月8日から、WHOでは新しい病名の命名ガイドラインを決めました。
それによると、『「豚インフルエンザ」や「中東呼吸器症候群」等の名前は特定のコミュニティ・経済セクターに汚名を着せる事になり意図しない悪影響を与えました』とする福田敬二氏の発言を引用しつつ、今後の病名の命名は病気が引き起こす症状に基づいて、一般的な説明用語で構成する必要があるとしています。
これは「これまでに命名された病気には適用しない」、ということも書かれていますが、「特定のコミュニティにスティグマを与えない」という目的からは理解できません。
病気を最初に発見した国や地域、人というのは先進国の人間が多いですから、彼らに言わせれば必然的にそういった地域への「スティグマ」が永久に残存することになります。
こうしたことから、新型コロナウイルスは既にチャイナのメディアが「武漢肺炎」という表記で報道しており、イギリス政府HPなどでも"Wuhan Coronavirus"と記述されていたものが、病原体と病名の正式名称が発表されてからはやSARS-Cov-2やCOVID-19という表記に変更されていきました。
青山繁晴議員らの「武漢熱」を「ヘイト・差別」と言ってた人はなぜクオモ知事にも言わないのか?
大紛糾 その4 事実のなかに生きる|青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road
「中国が陳馮富珍 ( マーガレット・チャン ) という香港衛生局長だった女性医師を西暦2007年1月から2017年6月の10年半にわたり、WHO事務局長に送り込んでから、実質的にWHOは中国支配が続いている。中国国内でヒトからヒトへ感染し死者も出た鳥インフルエンザの情報もろくに出なくなった。WHOは、もはや当てにならない。WHO緊急事態宣言を見送っている(当時)のは、武漢熱が深刻ではないためではない。中国の圧力だ」と述べていました。
これを部会などで、ぼくから聴いた自由民主党の衆参両院議員は「えっ」と愕然となさる表情になりました。
そしてぼくは、「やがて武漢熱の深刻さが世界に伝わるようになり、WHOは遅ればせに緊急事態宣言を出すようになるだろう。日本政府は、厚労省をはじめ、WHOを基準にしちゃいけない。WHOを当てにするな」と、不肖ながらずっと警告していました。
現状は、そのようになっています。
青山繁晴議が新型コロナウイルスを「武漢熱」と呼ぶことをブログで書いた当時(初出は1月24日)、ヘイトだなんだと言って騒がれましたね。
私の立場は、公的機関が用いる正式名称としては地域名などは避けるべきだが、「通称としては事の起こりが分かれば何でもよい」派であって、本質的には名称から連想して差別をするような人間の心に正面から取り組むべきであり、名称の小細工でどうにかしようとは思ってません。
ただ、COVID-19、武漢肺炎、武漢熱においては左右を問わずいろんな人が青山繁晴氏に対して「ヘイトに繋がる、差別的だ」などと言っていたので、クオモ知事の発信に関してはそこの整合性はどうなの?と思うのですよ。
まとめ:偽善に過ぎないWHO命名ルールとサヨク主義者の反差別
WHOの命名ルールは高尚なもので、オフィシャルが倣うものとして採用するのはアリだと思うのですが、そうであるならば過去の名称の変更もしないというのは解せません。結局は偽善に過ぎないんじゃないですかね。
で、通称としての呼び方までそれに倣えと言ってる人たち、だったらその考えを他の病名にまで徹底しないんですか?「膨大な病名をいまさら変更するのは面倒だ」と言ってる人が居ますが、ならば高尚な物言いはやめるべき。
この辺りの立場がブレブレの人が多すぎると思います。
以上