週刊新潮の倫理観はどうなってるんでしょうか?
新潮「ワクチンアナフィラキシー 日本人初の死亡者も」
週刊新潮2021年3月18日号の表紙には「ワクチンアナフィラキシー 日本人初の死亡者も…」という記述が。
これは、3月2日に新型コロナワクチンの副反応疑い報告として、ワクチンを接種して単に時系列的に後に、くも膜下出血と推定される死亡事例が報告されたことをベースにしているでしょう。
新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーとして報告された事例の一覧
新型コロナワクチンの副反応疑い報告で、現時点で接種との因果関係は評価できていませんが、くも膜下出血と推定される死亡事例(60代女性)が報告されました。くも膜下出血は、40~60歳台に起こりやすく、海外での治験や接種事例でも、新型コロナワクチンとの関連は認められていないとのことです。
— 首相官邸(新型コロナワクチン情報) (@kantei_vaccine) 2021年3月2日
もちろん、この報告では因果関係は「不明」ですが、常識から考えて、くも膜下出血との因果関係は無いという方向で考えられています。
アナフィラキシー報告の診断閾値が低い日本
また、日本ではアナフィラキシーの「報告が」他国よりも多い状況にあります。
しかし、これはアメリカCDCなどのアナフィラキシー報告よりも診断閾値が低いことが原因である可能性が指摘されています。
日本アレルギー学会監修のアナフィラキシー診断基準と見比べると、今回ワクチンで報告されたアナフィラキシーは症状がやけに軽いと思いませんか?
— にゃむにょん(児) (@Nom_nyan) 2021年3月9日
これは、鼻水や喉の違和感などが診断基準にあるような重い症状の前兆(前駆症状)である可能性が否定できないからです pic.twitter.com/baJOKMwO4t
個別報告を見た限り、アナフィラキシーとして出うる症状(前駆症状も含む)を呈した時点でそう判断しており、かなり診断閾値を下げている印象です
— にゃむにょん(児) (@Nom_nyan) 2021年3月9日
とくに院内で発症した場合、症状が出揃う前に治療に入ることが多いので、後から考えるとアナフィラキシーだとは言い切れないパターンも多いのです https://t.co/2tmYuBEJjT pic.twitter.com/tDnI2GidFq
これ、アナフィラキシーというより、単なるアレルギーが含まれているような……
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) 2021年3月9日
なんか、微妙に花粉症+血管迷走反射みたいのもあるし…… https://t.co/kUFLpsqQrR
ぼくもそう思います😅
— にゃむにょん(児) (@Nom_nyan) 2021年3月9日
かなり広く拾ってますし、「投薬」の内容がわからないので本当に全例アナフィラキシーだったのかどうかは疑問が残りますね🙋
なお、アメリカでもボストンの病院での新型コロナワクチン「アレルギー」の報告では、日本での「アナフィラキシー」報告より多く報告されています。
ボストンの病院での新型コロナワクチンアレルギーの報告によると
— INOUE Takashi/井上貴史 (@takainou_0907) 2021年3月9日
「64,900人接種し、アナフィラキシー16人、うち15人が女性」
の様です。
日本の3/8時点
「70,796人接種し、アナフィラキシー8人、全て女性」
よりも多いです。
女性が多いのは同じです。 https://t.co/HioT8kjngq pic.twitter.com/n7fj7VgyUY
なお、アナフィラキシーは女性に多いということは外国も同じです。
原因としては性ホルモンや免疫関連遺伝子が男女で若干異なること、体格差などが検討されているようですが、現在のところは不明です。
新潮の見出しに医師激怒
いずれにしても、「くも膜下出血」については新型コロナワクチンとの因果関係はほぼあり得ないと考えられています。
その中での新潮の見出しであったため、医師たちが疑問視しています。
週刊新潮に『日本人初の死亡者も…』と書かれているけれど、ワクチン投与が原因で死亡されたとされているケースはないはずです。
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) 2021年3月11日
まさか、接種後にくも膜下出血で亡くなった方のことを言っているわけではないですよね。
まだ週刊新潮はワクチンに対する不安を過剰に煽っていくつもりなんでしょうか? pic.twitter.com/Nv6bp8Be9E
もしこれが、アナフィラキシーが起きていることは事実だし、
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) 2021年3月11日
アナフィラキシーとは関係ないが、接種から3日後にくも膜下出血で亡くなった方もいらっしゃるので見出しで並べても問題ない。
二つを勝手に関連づけて誤読する方が悪いという認識でしたら、そのような倫理観の出版社とは仕事はできません。 https://t.co/6c6jCZQLet
週刊新潮はかなり購買層が高齢化しているそうで、おそらくTwitterでどれだけ叩かれても関係ないのでしょう。
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) 2021年3月11日
それならそれで健康に関する重大なデマを流すメディアとしてみんなで認識し、10年後には予定通り潰れてもらいましょう。
何に怒っているかはこちらからどうぞ。
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) 2021年3月11日
信じられないことに、亡くなった方はアナフィラキシーではないし、なんならワクチンのせいですらなさそう、という状況です。https://t.co/O3gsGriPxj
週刊新潮の「前科」
新潮「医師は絶対にワクチン打ちたくない」⇒池谷裕二教授「私は絶対打つ。印象操作するなと言ったのに」 - 事実を整える
1月下旬のデイリー新潮(週刊新潮誌面版の転載のよう)ではワクチンに関して3名の薬剤師・医師のコメントを掲載したのですが、「絶対にワクチンを打ちたくない」と言っているのは普段から「がん検診は受けるな」などと標準医療と異なる発信をしている岡田正彦医師の発言で、ワクチン接種に関する意向についてなぜか他の2名に関する記述は無し。
両論併記ですらなく、明らかに誘導記事をしていました。
取材対象の一人であった東京大学薬学部の池谷裕二教授(薬剤師)が、ツイートで「印象操作するなと言ったのに。私はすぐにワクチン接種を受けます。」とコメント。
さらに、医師でもあり新潮社から小説を刊行している知念実希人 氏が抗議をしていました。このときは理解を得たようですが、知念実希人 氏にとってみれば「裏切られた」印象でしょう。
以上