事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

新潮「ワクチンアナフィラキシー 日本人初の死亡者も」と見出しに医師激怒

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週刊新潮の倫理観はどうなってるんでしょうか?

新潮「ワクチンアナフィラキシー 日本人初の死亡者も」

週刊新潮2021年3月18日号の表紙には「ワクチンアナフィラキシー 日本人初の死亡者も…」という記述が。

これは、3月2日に新型コロナワクチンの副反応疑い報告として、ワクチンを接種して単に時系列的に後に、くも膜下出血と推定される死亡事例が報告されたことをベースにしているでしょう。

新型コロナワクチンの副反応疑い報告について|厚生労働省

新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーとして報告された事例の一覧

もちろん、この報告では因果関係は「不明」ですが、常識から考えて、くも膜下出血との因果関係は無いという方向で考えられています。

アナフィラキシー報告の診断閾値が低い日本

また、日本ではアナフィラキシーの「報告が」他国よりも多い状況にあります。

しかし、これはアメリカCDCなどのアナフィラキシー報告よりも診断閾値が低いことが原因である可能性が指摘されています。

なお、アメリカでもボストンの病院での新型コロナワクチン「アレルギー」の報告では、日本での「アナフィラキシー」報告より多く報告されています。

なお、アナフィラキシーは女性に多いということは外国も同じです。

原因としては性ホルモンや免疫関連遺伝子が男女で若干異なること、体格差などが検討されているようですが、現在のところは不明です。

新潮の見出しに医師激怒

いずれにしても、「くも膜下出血」については新型コロナワクチンとの因果関係はほぼあり得ないと考えられています。

その中での新潮の見出しであったため、医師たちが疑問視しています。

週刊新潮の「前科」

新潮「医師は絶対にワクチン打ちたくない」⇒池谷裕二教授「私は絶対打つ。印象操作するなと言ったのに」 - 事実を整える

1月下旬のデイリー新潮(週刊新潮誌面版の転載のよう)ではワクチンに関して3名の薬剤師・医師のコメントを掲載したのですが、「絶対にワクチンを打ちたくない」と言っているのは普段から「がん検診は受けるな」などと標準医療と異なる発信をしている岡田正彦医師の発言で、ワクチン接種に関する意向についてなぜか他の2名に関する記述は無し。

両論併記ですらなく、明らかに誘導記事をしていました。

取材対象の一人であった東京大学薬学部の池谷裕二教授(薬剤師)が、ツイートで「印象操作するなと言ったのに。私はすぐにワクチン接種を受けます。」とコメント。

さらに、医師でもあり新潮社から小説を刊行している知念実希人 氏が抗議をしていました。このときは理解を得たようですが、知念実希人 氏にとってみれば「裏切られた」印象でしょう。

以上