8月の台湾の訪日数が韓国を上回りました。
また、韓国人客は半減でも旅行収支黒字は過去最高になりました。
韓国人客半減でも旅行収支黒字は過去最高
韓国人客半減でも旅行収支黒字は過去最高 8月国際収支 - 産経ニュース
財務省が8日発表した8月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は2兆1577億円の黒字だった。貿易収支は509億円(前年同月は2556億円の赤字)と2カ月ぶりに黒字転換した。旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」は1518億円の黒字で、8月としては過去最高。訪日客数は減ったが1人当たりの国内で使う消費額が上がった。
観光客の数は前年同月比で2・2%減の252万100人と昨年9月以来、11カ月ぶりに前年同月を下回った。日韓関係の緊迫化が要因で、韓国からの観光客は前年同月比48%減の30・9万人と大きく減少した。
ただ、韓国の観光客は1人当たりの消費額が少なく、消費額の多い欧米などの観光客数はこれまで通り堅調に推移した。
- 全体の観光客は2・3%減少
- 韓国人観光客は前年同月比48%減
- しかし旅行収支は8月過去最高の黒字
- 1人当たりの消費額が上がった
これは、1人当たり消費額が低い=客単価が低い韓国からの観光客が減ったものの、それよりも客単価が高い観光客が増えた結果であると言えます。
韓国人観光客の1人当たり消費額=客単価
JNTOの統計から以下の事実が分かります。
- 消費額の総額では、韓国人旅行客は2番目に多く消費
- 1人当たりの旅行支出は、韓国だけが5桁の消費額で、他は6桁の消費額
- 1泊あたりの支出額を比べるのは「0泊=日帰り」が多い韓国人の場合には「嵩上げ」になるため不適当
韓国人旅行客には日帰り客が多い、ということを直接示す統計はありません。
国全体の数値では「宿泊日数」と「3日以内滞在日数」の統計しか無いからです。
しかし、都道府県別の数値から概算することはできます。
また、日帰り客の消費額が低いのか?という事実確定も必要になります。
それを検証したのが以下の記事です。
その結果
- 日帰り客の消費額・消費単価はとても低い(一部地域除く)
- アジア諸国は日帰り客が世界全体と比べて多い
- 韓国人は他の近隣アジア諸国と比べて滞在日数3日以内の人数が10倍程度多い
- よって、韓国人は日帰り客がとても多いと考えられる
- 概算推定すると、年間200万人の韓国人が日本に日帰り旅行をしている
一部の地域や施設にとっては痛手でしょうが、全体として見れば「客は減っても利益は上がった」というのは一般的に良い傾向であると言えます。
なぜなら、客の受け入れにあたってもコストがかかるからです。
宿泊施設が低額支出者で満室になっているのと、空きは有るけど高額支出者に利用してもらえるのとでは後者の方が好ましいでしょう。
韓国と台湾の訪日数が逆転
【図解】韓国と台湾の訪日数が逆転、韓国路線の航空座席数と東アジア4市場の12か月推移をグラフにしてみた ―2019年8月 | トラベルボイス
日本政府観光局(JNTO)発表による訪日外国人数を東アジア主要4か国/地域(韓国・中国・台湾・香港)でみると、2019年8月(推計値)は日韓情勢の影響を受けた韓国は7月(7.6%減の56万1700人)よりもさらに低下し、ほぼ半減の48.0%減で30万8700人にまで縮小。2016年5月以来3年3か月ぶりの低レベルに落ち込んだ。
一方、台湾の8月は6.5%増の42万300人と上昇傾向を示し、2016年6月以来3年2か月ぶりに韓国超えを記録。
台湾の訪日数が韓国の訪日数を上回りました。
韓国発・日本着の航空座席供給数は、10月以降も約3割減となる見通しとなっているようですから、この傾向はさらに顕著になっていくでしょう。
以上