事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

吉村知事ひるおびでイソジンうがい「情報が漏れるのでその前に発表した」と苦しい言い訳

吉村知事ひるおびでイソジンうがいの言い訳

8月6日のTBS「ひるおび!」で大阪府の吉村知事がポビドンヨードうがいについて説明のために出演しましたが、苦しい言い訳に終始しました。

人を叩くだけじゃなくて、有益な提言も最後の方に載せときます。

吉村知事ひるおびでイソジンうがいの説明の問題点

  1. 対象者を明示していない
  2. このタイミングでの公表となったことの説明が不合理

吉村知事がひるおびでイソジンうがいについて説明した内容には、これらの問題点があると思います。

ポビドンヨードうがい励行の対象者は「患者」「濃厚接触者」「ハイリスク従事者」

大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターによる新型コロナウイルス感染症患者への研究協力について

大阪府/大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターによる新型コロナウイルス感染症患者への研究協力について

8月4日の会見でも説明したとおりですが、ポビドンヨードうがい励行の対象者は、上図のように「患者」「濃厚接触者」「ハイリスク従事者」です。

決して一般健常人を対象としていません。

しかし、会見でもこの点はあまり強調されていませんでした。

また、リアルタイムで取り上げた「ミヤネ屋」でも、この点は強調されませんでした。

そして、8月6日の「ひるおび!」でも、冒頭に示されましたが、強調されたとは言えませんでした(聞き流していたら頭に入ってこないと思う)

これでは一般健常人がイソジンを買いあさるのは当然でしょう。

吉村知事は番組中に「買い占めが起きるのは予想してた」などと言っていましたが、ならば発信方法を注意できたでしょう。それをせずに、あるいは気づかずに不用意な情報の拡散をして混乱を招いているのは、行政の使い方として疑問です。

なぜこのタイミングでイソジンうがいを励行した⇒情報が漏れるから先に説明した???

八代弁護士が「なぜ今のタイミングで公表したのか?」「なぜ必要と思われる人たちにイソジンが行き渡る前に発表したのか」と質問。

それに対して吉村知事は、「医薬品だから行政が配布という形はできない」「ポビドンヨードの情報は国の主要な方にはお伝えてしてるが、それは広まる。ぽろぽろ漏れるので、責任をもって共同発表した」と説明しました。

誰がこの説明に納得するでしょうか?

「情報が漏れる」って、あなた、国の担当者と連絡を取っていると言ってるけど、その人に失礼なんじゃないですかね?

なお、西村大臣が本件について承知していないと発言した事については、「大臣の耳には届いてはいないだろうが、国の人とはやりとりしている」と言っていたので、そこは特に問題視しません。

水うがいの効果があればイソジンうがいは不必要

番組では元鳥取県知事の片山善博氏が「水うがいでの効果が分かればそれも広めるといいですね(であればイソジンうがいは不必要でしょ?というニュアンスで)」と指摘していました。

まさにそのとおりで、水うがいという対照群を置かないこの段階で公表した意味がまったくわかりません。

イソジンうがい、ポビドンヨードうがいは、実験した当の本人である松山教授自身が「喉を傷める可能性がある」と指摘しているのですから。

(4日の吉村知事と松井市長が同席した記者会見と同じ場で言っていますからね)

これを機に口腔内ケアによる新型コロナ対策に目を向けよう

千葉市長の熊谷氏は、これを機に「うがい薬は使わず水うがい」を一般に励行するツイートをしました。

これは大阪府市が対象としている患者や濃厚接触者等ではなく、一般健常人であっても行えるものであり、対象が異なるので大阪を否定しているものでもなく、非常に前向きな提言となっています。

また、以下の記事で堀向医師が指摘しているように、「うがい」に限定せず「歯磨き」も含む「口腔ケア」によって風邪などの感染症のウイルスなり菌なりが唾液に混じって肺に到達することを防ぐ効果があるため、それはやるべきだと提案しています。

『ポビドンヨードによるうがいは新型コロナを改善させる』は本当か?医師が解説(堀向健太) - 個人 - Yahoo!ニュース

大阪の発信の支離滅裂さはさておき、これを機に口腔内ケアに目を向けて、新型コロナや他の感染症予防をしていきましょう。

以上