経世済民政策研究会による菅総理への経済政策の提言のうち、「定額給付金5万円の追加給付」だけ注目された情報が拡散されましたが、正確には「定額給付金は総額15万円」であり、さらに「インフレ目標2%」「総額40兆円」が重要だということが提案者らから発信されています。
※追記:タイトルを「総額15万円だった」⇒「総額15万円以上だった」に修正しました。その趣旨については後述
- 自民党の有志議員グループ「経世済民政策研究会」の提言
- 提言書には5万円に加え、第三次予算にも定額給付金が
- インフレ目標2%の2021年達成が主眼:総額真水で40兆円
- 時事通信の「5万円」報道はミスリードなのか?
自民党の有志議員グループ「経世済民政策研究会」の提言
というか(嘘情報の)5万とか(本当は)15万とかのレベルじゃなくて、総額真水で40兆円の話です。なぜかみんなそれをスルーする不思議w。さらに一番最大重要なのは2021年度にインフレ目標達成を要請すること。ここが実は一番肝心かなめ。あとは細野さんのツイートみればわかる人は驚くはずw https://t.co/lL0JnbnWMc
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) 2020年10月14日
自民党の有志議員グループ「経世済民政策研究会」の提言について、関係者らが補足説明をするツイートを発信しています。
提言書には5万円に加え、第三次予算にも定額給付金が
ご参考までに、提言書のコピーを共有させていただきます。
— 長島昭久 Akihisa NAGASHIMA, MP (@nagashima21) 2020年10月14日
この度の組閣により、「経世済民」政策研究会から三原じゅん子座長が厚生労働副大臣、赤沢亮正代議士が内閣府経済財政担当の副大臣、三谷英弘代議士が文部科学大臣政務官に其々任じられた為、今日の官邸訪問からは外れざるを得ず残念でした。 pic.twitter.com/K7B7FCPQIs
我々が提案した定額給付金の5万円が話題になっている。正確には5万円は二次補正の予備費からの給付、三次補正も合わせると15万円の給付を提案した。総理は三次補正に前向きだったが、定額給付金への直接的な言及はなかった。積極的だったのは金融政策の加速化。必要なのは財政金融政策の総動員だ。 https://t.co/UCRuJJwCnz
— 細野豪志 Goshi Hosono (@hosono_54) 2020年10月14日
国民一律5万円追加給付の提案は、7兆円以上残っている二次補正の予備費を使い切るもの。三次補正編成の前提となる。足元のGDPの落ち込みは約40兆円。今、それを埋められるのは政府だけだ。 https://t.co/iow524LcUt
— 細野豪志 Goshi Hosono (@hosono_54) 2020年10月14日
- 「5万円」は二次補正予算の予備費からの給付
- 三次補正予算も合わせると更なる定額給付を提言
- 総額真水で40兆円の経済対策を提言
※追記:「15万円」については総理への説明では金額を入れていなかったようです。
総理への提案には三次補正の定額給付金の金額は入っていませんでした。私が書いた原案には金額を入れていたのですが、経済情勢によって変わるべきものですので、最終提案には金額を明示しないかたちになりました。全文は以下をご覧下さい。 pic.twitter.com/7vwo7uOOO2
— 細野豪志 Goshi Hosono (@hosono_54) 2020年10月15日
私達「経世済民」政策研究会の総理提言に盛り込んだ特別定額給付金につき、誤解が広がっているので一言補足します。提言をご覧頂けばわかると思いますが、国民一人5万円の追加給付金は第二次補正予算の予備費の残り約7兆円から。第三次補正予算で継続を求めたものの「15」等との数字は出してません。 pic.twitter.com/UXkW76qknQ
— 長島昭久 Akihisa NAGASHIMA, MP (@nagashima21) 2020年10月15日
原稿で忙しいのでみてないけど、 #ゴゴスマ でも五万円とかいってるのかな 笑。それは予備費からの分だけな。
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) 2020年10月15日
三次補正は前回からの継続(10万円)で、足りなければもっと。あと全体は40兆円なので、全国民に15万円給付金を配ってもまだ届かないほど巨額の予算をわれわれは考えている。金融もね! pic.twitter.com/oKE5DW6FGV
その趣旨は「必要ならば更なる給付を」というものだったようです。
インフレ目標2%の2021年達成が主眼:総額真水で40兆円
一番のポイントに多くの人は注目せず、5万誤読の嘘情報を相手にしている僕もなんだか暇に思われるかもしれないが、忙しいのです(笑。
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) 2020年10月14日
一番のポイントはこの提言の1)。インフレ目標2%の2021年度達成ということは、財政政策との協調で第三次補正だけで終わらないことも意味。通はわかる話よね pic.twitter.com/4MlW6nrMcf
この提言は定額給付金に注目されがちですが、なぜ定額給付をするのかという根本のところは、「2021年度にインフレ目標2%を達成する」という目標があるからと言われています。
そのためのGDP落ち込み40兆円を埋めるための経済対策であり、定額給付金はその一環、という位置づけ。
この関係性が大事なんだろうと思います。
時事通信の「5万円」報道はミスリードなのか?
国民一律5万円追加給付を 自民・長島氏ら2020年10月14日19時32分
菅義偉首相は14日、自民党の長島昭久、武部新両衆院議員らと首相官邸で会い、国民一律5万円の定額給付金支給を盛り込んだ40兆円規模の追加経済対策などを求める要望書を受け取った。首相は新たな新型コロナウイルス対応の必要性を訴える長島氏らに対し「そういう方向で頑張る」と応じた。
さて、ツイッターでは「5万円」がトレンドにも上がる程度に拡散されましたが、それは時事通信の記事が発端です。
確かに間違いは無いですが、キャッチ―な「5万円追加給付」をタイトルに持ってきており、読者の理解としてはそれだけを要請したと思い込む人も多いのではないでしょうか?
5万円×1億2000万=6兆円(15万円でも18兆円)、という計算ができれば明らかにそれ以上の内容が含まれていると分かるのですが、そういう計算をぱっとできない人も居るでしょう。
この辺りは今後のメディアの発信に注意していこうと思います。
以上