事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

CH53沖縄米軍ヘリのカバー部品落下「捏造・フェイクニュース」疑惑事件

沖縄米軍ヘリから部品が落下し、保育園の屋根に衝突したとの報道についての疑義。

*1

CH53ヘリの部品について

ネットユーザーらが検証した内容、その他の情報は以下です。

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部品の取り付け方が図の方法からは間違っています。また、そもそも部品のタイプが異なっていたという指摘もあります。

※12月12日時点で沖縄防衛局に確認したところ、落下部品のタイプが現行品と同タイプであるか、該当ヘリのもののタイプは何かも含めて確認中とのことでした。

とまぁ、細かい点を挙げればきりがありません。

カバー部品落下音が食い違い:フェイクニュースなのか

 また、自分が独自に報道を検証した内容は以下です

落下音の回数が報道によって異なることがまず挙げられます。

また、「8秒後の音」については一定時間の間隔を置いて記録される特殊な監視カメラがヘリの飛行音を記録したものと言えます。このような監視カメラは基地周辺では多く設置されているようです。

さらに、屋根には凹みがあるが、これがカバー部品によるものであれば警察の捜査結果で簡単にわかることであるが、沖縄県警からはそのような報告は無い。米軍は取り外されるはずのカバー部品は全て基地内にあったということで、カバー部品が飛行中のCH53ヘリから落下したのかという点については明確に否定しています。

CH53沖縄米軍ヘリ部品落下事件への疑義

結局、この事件の報道には以下の通りの疑義があります。

  1. 当該部品は取り付けた状態でヘリを飛行するものではないこと
  2. 部品のクリップの状態が、正規のものと異なるものになっていること
  3. 落下音について、1回、2回、3回とそれぞれ矛盾する報道がなされていること
  4. 部品は213gでありヘリからの落下であれば相当の衝撃で部品がわれるか破損する上、屋根の損傷も相当なものであるはずが、そのような傷はないこと。
  5. 米軍も、部品がなくなっている機体は存在しないことを明言している
  6. 米軍の調査は所定の場所への取り付け用部品の存在を確認すればよいだけで容易であるため信用できること

その他、保育園の運営主体やSNS上に部品と屋根の損傷?部分を投稿した人には発言の信用性に疑問を持たざるを得ない背景があること、写真を載せた投稿を非表示にしたことなどが不審な事情としてあげられます。 

※追記:その後の顛末:米軍機からの落下は事実認定されておらず

2年後の令和元年=2019年に、沖縄防衛局の職員が5月15日、2017年に米軍機部品が落下した宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園を訪れて神谷武宏園長や保護者と面談すると報道があります。*2

結局、その後の同年12月13日に発生した宜野湾市の普天間第二小学校の運動場にCH53Eの金属製の窓枠が落下した事故によって話題がかき消された形となりました。

さらに令和元年=2019年の8月27日には、CH53Eの窓が沖縄県東海岸沖約8キロに落下した事件があり、もはや「2017年に発生した、保育園に米軍機から部品が落下したとみられる事件」について触れられることが無くなりました。

「カバー部品の落下」に関する各所からの抗議はありましたし、「米軍が落下は認めた」とする報道があり、ある種既成事実化していますが、これに対する正式な事実認定は為されていません。

参考:保育園屋根の米軍部品 落下と特定できず 沖縄県警が実証実験の結果を公表 トタンに「傷とへこみ」 - 琉球新報デジタル

実験では類似品が全壊することはなく、傷やへこみが確認された。トタンにもへこみが確認されたが、落下物との特定には至らなかった。

以上

*1:※本記事は当初稿から記述内容を変更しています。部品落下の事実があったことについて懐疑的な姿勢は変わりませんが、「自作自演の捏造」と書いていたものについて、そのように断定する根拠もまた薄いと判断したからです。

*2:部品落下の緑ヶ丘保育園で米軍機の飛行調査へ 防衛局が職員派遣 - 琉球新報デジタル