平成30年3月27日参議院予算委員会9時30分以降に行われた証人喚問について
証人:佐川宣寿、前財務省理財局長
凡例:◆質問者 ◎佐川
※この記事は発言を一言一句捉えたものではないため注意。表現については実際の発言と異なるものがあり得る。長い質問や答弁は抜粋や結論のみ記載している部分も含まれる。
※正確に聞き取れていない部分もそのまま記載した。
※委員長と丸川氏の質疑のみ記載
(1)委員長からの質疑
◆委員長 証人(佐川)はいつ書き換えを知ったか?誰が何のために書き換えたか。
◎佐川 告発を受けている。本件決裁文書の書き換え問題についても捜査を受けている。従って、今の委員長の質問である、いつ、どのように認識したかは、刑事訴追を受ける可能性があるため答弁を差し控える。
◆委員長 財務省の本委員会への証言拒否とのことだが、理財局長の職にあったものとしてどのように感じているか。
◎佐川 申し訳なく思っている。
◆委員長 本当に理財局の職員だけで判断したか?財務省による関与、政治家による関与はあったか?
◎佐川 決裁文書の話は資料要求があって決裁文書を提出するという話。理財局の国有財産売却における特別案件。よって、理財局の中で判断。外である内閣官房、総理官邸などに報告をするということはない。今回は理財局の中で対応した。
◆委員長 財務省は書き換えの上、国会に提出。本件以外に書き換えはないと説明したが、その後メモの削除が明らかになった。財務省では従来から書き換え、抜き取りが行われていたのでは?証人の認識を述べよ。
◎佐川 決裁文書の書き換え問題については、決裁文書以外については承知をしていない。
◆委員長 以上
(2)自由民主党:丸川珠代の質疑
◆丸川 文書の書き換えについて誰がどういうふうに指示したか?
◎佐川 2月上旬国有地の売却の価格について報道があった。連日国会で質問。事務方の話だが連日連夜国会の資料を作っていた。国会からの要求もあった。理財局の国有財産行政であり、近畿財務局の個別の案件のため資料は現場にある。理財局の中で国会対応していた。そういう意味では個別案件について官房に相談するものでもないし報告するものでもない。理財局の中で行った話。理財局の中で誰がどういう風に、という話であれば、この件についてまさに捜査の対象となっている。自分の認識について話すことも答弁はご容赦いただきたい。
◆丸川 佐川氏の関与は別として、当時理財局長にあったときに書き換えが行われたのは事実か?
◎佐川 森友学園の問題が新聞報道で国会も含めて大きな問題となったのは昨年2月以降、よって、そういう推測がなされるが、現実にいつ決裁文書そのものが書き換えられたかは、自分の関与も含めた全体の経緯の話。捜査中のため答弁は控えさせていただきたい。
◆丸川 理財局の内部で行われた。これは太田理財局長も認めているが、そうであるか?
◎佐川 太田理財局長の答弁は財務省の調査に基づいて答弁されているのだろうと思われるが、こういう個別案件は国会対応をしている理財局が行うというのは通例なので、そこで行われたと考えている。
◆丸川 考えているとお答えいただきました。安倍総理からの指示はなかったか?
◎佐川 指示はなかった。
◆丸川 総理夫人からの指示もなかったか?
◎なかった。
◆丸川 官邸の官房長官、官房副長官、総理秘書官からの指示は?
◎佐川 ない
◆丸川 安倍総理の秘書官からの指示は?
◎佐川 ない
◆丸川 ここまでの答弁は、官邸からの指示はないということでよいか?
◎佐川 間違いなく官邸からの指示は無い。
◆丸川 麻生財務大臣からの指示は?
◎佐川 ない
◆丸川 麻生財務大臣秘書官からの指示は?
◎佐川 ない
◆丸川 財務省の事務次官、大臣官房など他の部局からの部局からの指示は?
◎佐川 ない
◆丸川 他の部局と図って書き換えをした?
◎佐川 理財局の中だけでやった話である
◆丸川 理財局の内部で誰がということは答弁されたが、証人の責任の度合いは大きいとおっしゃった。どういう責任があると考えているのか?
◎ ※聞き取りミス
◆丸川 ①森友と価格交渉の事前提示をしていない、②公証記録は破棄した、③政治家の関与はない、という答弁について。①に関して、2月15日の答弁が最初。証人は「原理原則に則って交渉はない」と発言した。実際書き換え前の文章を見ると、誤解を受けると思われる。今から答弁を振り返って、誤解を与えるものだったか?
◎佐川 昨年の答弁を自分の記憶で振り返ると、よく報道で価格についてこちらから提示したこともないという報道をよく目にした 。不動産鑑定についてそういう価格について交渉したことは無いという意味で答弁している。価格がどうなるかということは通常関心事になる。現場において価格の話をすることはある。それは最終的に不動産鑑定に基づくということ。今考えるとそのような答弁にならざるを得ないと考えている。
◆丸川 自分の答弁が間違いないと思うのであれば、なぜ書き換えたと思われるのか?
◎佐川 そこの点について、先ほどから繰り返し、経緯、理由に係るものですので、自分の答弁についての話をすることはできるが、書き換えの経緯に係る事実や認識は捜査に係ることなので答弁差し控える。
◆丸川 ②交渉記録、面会記録は残っていないという答弁について。財務省の文書管理規則では重要なものは10年の保管期間。佐川氏は30年で保存していると答弁している。記録を確認していれば、交渉記録があるということは明白なのに、当時の答弁はそうなっていない。いつ近畿財務局の文書を確認したのか?
◎佐川 交渉記録に関する文書について、文書の保管の取り扱いについては表がある。そういう取扱い規定について申し上げた。財務省の文書管理規則について申し上げただけだった。そういう意味では取り扱い規則について申し上げたということでは国会対応について丁寧さを欠いていたと思う。後段の質問について、いつ近畿財務局の文書を確認したのか?という点について、これも捜査の対象なので答弁をご容赦いただきたい。
◆丸川 丁寧さを欠いていたというのは、大田理財局長もそのような答弁をされていた。その意味するところがよくわからない。より具体的にお願いします?
◎佐川 交渉記録に関して、財務省の文書管理規則が存在することのみを述べていた。そういう意味で欠いていたと答弁した。
◆丸川 個別の事案についてきちんと確認せずに答弁したということか?
◎佐川 そうです。規定に基づいて、ということで答弁したということで丁寧さを欠いた。
◆丸川 その結果誤解を与えかねないと後で思ったか?
◎佐川 その時の認識は思い出せないが、誤解を招くものだと今は思う
◆丸川 誤解を招くと思った時に、答弁を修正しようと思わなかったか?
◎佐川 その時にそう思ったということではないと認識しているので、今思えばということ。
◆丸川 今思えば、ということですが、そのときそう思っていれば書き換えせずに済んだはず。なぜそうなったか?
◎佐川 丁寧さを欠いていたということは今思えばそうであるが、当時は連日連夜朝までという日々。休むことのできない状態。月~金で質問が行われていた。申し訳ない事だが余裕がなかった。
◆丸川 現在時点で振り返って訂正、変更するつもりはあるか?
◎佐川 交渉記録がなかったという意味において、現在交渉記録、例えば決裁文書の書き換え前の交渉記録に類する記述があるので、そういう意味では丁寧さを欠いたと、当時その都度都度1年未満で廃棄すると答弁申し上げた。
◆丸川 なぜそのように答弁したのか?
◎佐川 繰り返しとなるが、相当局内も騒然としていた。丁寧な対応をしている余裕がなかった。
◆丸川 ③国有地売却貸付について。政治家等からの何らかの指示はあったか?
◎佐川 貸付契約、売り払い契約が行われた平成28年6月の半ばとなると、私は理財局におらず、現場で対応したわけではないが、取得要望から貸付契約についても勉強し、過去のものを見ているが、その中で総理や総理夫人の影響があったとは考えていない。
◆丸川 総理の意向を受けた官邸関係者の影響はあったか?
◎佐川 私が勉強した範囲ではそういうものはあったとは考えられない
◆丸川 明確な指示ではなく、なんらかの影響はあったと思うか?
◎佐川 勉強した範囲ではそういうものはない。
◆丸川 特例的な内容、特例的な処理、特例承認、特殊性は官邸の関与を意味しているのか?総理夫人の関与を意味しているのか?
◎佐川 昨年の答弁、国有財産は通常は売り払い時に3年契約の貸付を行う。それ以外は通達上、それとは別に本省の特例承認が必要。今回は事業用の定期貸借契約。法令上は10年。よって、本省の特例承認。その特例というのはそういう意味。
◆丸川 ということはこの特殊性というのは官邸、政治の関与を意味しているのではないということか?
◎佐川 そうではない。
◆丸川 総理夫人が名誉校長であることが何らかの影響があったか?
◎佐川 名誉校長であるという話は昨年2月の最初の頃。最初、不動産鑑定にかけた価格でやってるのでそういう影響はない。
◆丸川 ではなぜ削除した?
◎佐川 助言を求めても良いか?(委員長承認)書き換え前の文書にかかわる経緯にかかる話なので答弁はご容赦いただきたい。
◆丸川 国有地の貸付、売り払いに総理、夫人の関与はないと断言できますか?
◎佐川 一連の勉強、国会答弁をした中で、それはない
◆ ※聞き取りミス
◎ ※聞き取りミス
◆丸川 官邸の関与がなかったということの証言が得られた。以上。
まとめ
- 佐川氏の認識として、国有地売却・貸付について官邸の関与は無かった
- 佐川氏の認識として、国有地売却・貸付について官邸以外の政治家や昭恵夫人の関与は無かった
- 佐川氏の認識として、決裁文書の書き換えについて官邸の関与は無かった
- 佐川氏の認識として、決裁文書の書き換えについて官邸以外の政治家や昭恵夫人の関与は無かった
以上