事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

黒岩町長「新井元議員が起訴された瞬間、すべてのバッシングがぴたっと止まった」

黒岩氏が不起訴になっても止まらなかったのか…

黒岩町長「新井元議員が起訴された瞬間、すべてのバッシングがぴたっと止まった」

「『草津町に行くとレイプされる』などの誹謗中傷も」━━「町長からの性被害騒動」のその後は? 虚偽告訴で起訴も | 国内 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ

元議員は2021年、黒岩町長を強制わいせつ罪で告訴するも、町長は不起訴に。一方で去年10月、前橋地検は元議員を黒岩町長に対する名誉棄損と虚偽告訴の罪で在宅起訴した。

「本当に私と草津町が言われ放題だった。これが(元議員が)起訴になった瞬間、すべてのバッシングがぴたっと止まった。それは事実だ」(黒岩町長)

群馬県草津町の新井祥子狂言事件。

Abemaの取材に黒岩信忠町長が「(新井元議員が)起訴になった瞬間、すべてのバッシングがぴたっと止まった」としています。このことは、何重もの意味で重要な事実だと思います。

※新井元議員が(虚偽告訴罪と名誉毀損罪で)起訴されたのは令和4年=2022年10月31日、黒岩氏が名誉毀損罪で長野原警察署に刑事告訴してから約3年、虚偽告訴罪で刑事告訴してから約10か月の月日が経過してしまいました。

「黒岩信忠町長不起訴」では止まらなかった誹謗中傷:無罪推定原則の偏頗的適用

令和3年=2021年12月13日に新井祥子が黒岩町長から強制わいせつの被害を受けたとして前橋地方検察庁に告訴したものの、4日で黒岩氏は不起訴処分(嫌疑不十分)となっています。
※既にリコール請求令和2年=2020年10月6日には黒岩が新井に名誉毀損の不法行為があったとして民事提訴していた訴訟に関する民事保全手続において議員報酬の仮差押え決定が出ており、黒岩側の主張に疎明があったとしている

令和4年1月12日 黒岩信忠 町民の皆さまへ

他、「黒岩不起訴」について見つかる記事⇒https://archive.is/qJzt2 

ttps://www.asahi.com/articles/ASQB0759VQB0UTNB01C.html

つまり、「黒岩信忠町長の不起訴」(+黒岩から新井への民事訴訟に関する保全手続の仮差押え決定)では、草津町へのバッシングは止まらなかった、ということです。

実際、SNSでは黒岩不起訴後でも、東大教授やライターなどが「被害事実は現時点では否定されていない」という前提の態度でした。

https://archive.is/Ix6q0

https://archive.is/ayqGp

これ以前からも、各所のメディアの論調は「新井祥子側」に寄り添ったものが大半でした。こうした、【無罪推定原則の偏頗的適用】という現象がなぜ起きたのか。

特に海外メディアに飛び火したことで、この論調に与したメディアや弁護士などがいることは、草津町を超えて日本国全体をディスカウントする狙いを感ぜざるを得ません。

草津町全体をも貶める誹謗中傷が「ぴたっと止まった」ことの異常性

①新井が起訴された事実を知る事ができる者
②新井が起訴された事の意味を理解できる者

こういう人間が、草津町を貶めていたって事でしょ?

おかしいですね…なにしろ、「黒岩が不起訴になった」事の意味は理解できず誹謗中傷が続いたのですから。頭がおかしい人なら起訴されようが誹謗中傷してるでしょう。

しかも意味が分からないのが、起訴されても有罪が確定するわけではありません。

特に人権界隈は「疑わしきは被告人の利益に」という原則を大事にするはず。

にもかかわらず、「新井起訴」のタイミングで手を引く、という動きには、理想も何もあったもんじゃありません。

実際は、最初から新井の言動に虚偽があったのはほとんど明らかだったので、訴訟とは無関係にその信憑性を判断して本件に対する態度を決めることはできました。

「リコール請求・投票は民主主義の手続論からおかしい」という誤謬

さらに、本件では「性被害の事実が無かったとしても、リコール請求・投票は民主主義の手続論からしておかしい!司法判断を待ってからにするべきだ!」という異常な言説が吹き荒れました。

しかし、この主張は、まず事実関係からしておかしい。

  1. 当時既に黒岩側は刑事告訴・民事提訴していた
  2. リコール請求前の2020年10月6日には仮差押え決定が出ており、黒岩側の主張は一応の信頼性があると司法が既に判断していた
  3. その間、新井祥子は民事提訴も告訴もしていない
  4. 新井祥子は草津町議会の場で"私以外に何人もの女性が被害に遭っている・この町では女性はまるでモノ扱い"と根拠無く発言し、街全体の名誉・ブランディングを傷つけ、現地女性を危険に晒していた

新井氏が黒岩氏に対して刑事告訴したのは2021年になってからです。

司法の場を避けに避けていたのが新井祥子でした。

次に、民主主義の手続と司法手続は別個の話です。

同時進行が許されないというなら、自分から相手を提訴して任期満了まで時間稼ぎできてしまいますし、時間稼ぎがあるので相手方が提訴できない、ということになります。

司法手続の妨害・干渉ではない限り許されると言っていいでしょう。
(参考:国政調査権の限界:浦和充子事件等の関係者を証人喚問した参議院法務委員会と司法権の独立

リコール請求・投票自体も民主主義の手続だということが無視されています。

そして、リコール請求の理由には、「虚偽発言」以外にも「公選法上の届け出住所の居住実態の不存在」がありました。

他方で、2019年に行われた【議会での除名処分】と話を混同している人が多いです。

この手続には瑕疵があったとして取消しされています。
※議会として「虚偽発言」の事実認定をしてそれを除名処分の理由にすべきだったが、そうではなかった

民主手続(リコール)の間違いは、国民・市民が自己の選択の誤りとしてその結果責任を負います。

しかし、議会の除名処分は、民主手続の結果(議員の当選)を、他の議員が議会内の多数決で覆すものです。他者がその権利を行使して決めたものを無効にするには相応の根拠が無ければならない、という違いがあると言えるでしょう。

風評加害者・風評被害への対応としての適切な反撃が地域を守った例

処理水問題の経験から社会に組み込むべき「風評加害」への免疫とリテラシー – NPO法人 国際環境経済研究所|International Environment and Economy Institute

東日本大震災後の福島県に対する言説を分析した【「正しさ」の商人 情報災害を広める風評加害者は誰か】の著者である林智裕 氏は、加害が割に合わない状況にすること、適切な反撃をすることが肝要だと主張してきました。

今回の群馬県草津町に対するバッシングとそれが止んだ経緯からみても、この指摘が正鵠を射るものだということが証明されたと言えるでしょう。

今回、新井氏の主張があまりにも荒唐無稽だったからまだしも、そうではない場合にどうだったのか?黒岩氏という町長の立場で、反撃能力があったからこそできたものの、そうではない個人だったらどうなっていたのか?

本当におそろしい話だと言えます。

本件は「新井祥子が有罪」で終わる話ではなく、彼女を使って事案扇動をしていた者たちがどうなるのか?も焦点となるべきです。

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