事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

赤木ファイル全文と赤木俊夫さん遺書・妻雅子さん手記:財務省決裁文書改竄事件

メディアと野党が認識を隠したい文書

赤木ファイル全文の公表場所

https://www.dropbox.com/sh/2rja4j3j77jcnbz/AABc2e5Pl0G3VmkGAg2GV_59a?dl=0

財務省決裁文書改竄事件にて、書き換えを指示された近畿財務局の赤木俊夫さんが書き換えに至る詳細なやりとりを遺した「赤木ファイル」と呼ばれる文書について。

一般がネット上で見れる、赤木ファイル全文が公表公開されている場所として、立憲民主党の石垣のりこ後援会のDropbox上にあるものが挙げられます。

【本省の対応(調書等修正指示)】というファイル名の全517ページのものです。

赤木ファイルは赤木さんの妻の雅子さんが国に損害賠償を求めた裁判の過程で裁判所に促されて提出されたものですが*1、財務省は開示請求の対象となる行政文書ではないという見解でした。*2

冒頭1ページ目の備忘記録「現場が厚遇した事実なし」

赤木ファイルの中でも、冒頭1ページ目の備忘記録が有名で、これはそれなりにネット上で見れる状態になっていました。

現場として厚遇した事実もないし」とあるように「政治家等から何か便宜を図るよう要請を受けており、それが土地取引の価格に影響した」というストーリーが成り立たないことがこの記述から伺えます。

この備忘記録は各所で公開されていますが、この文言には決して触れようとしない所が多く見られます。一例として社民党のページを置いておきます。

「赤木ファイル」-全518㌻を読む 佐川氏が改ざんを直接指示- - 社民党 SDP Japan

赤木俊夫さん遺書と手記・妻雅子さん手記との違い

現在ネット上で「赤木ファイル 全文」などで検索すると、それとはまったく別のものについて書いたページが検索上位に表示されています。

赤木俊夫さんの「手記」や「遺書」、赤木さんの妻の雅子さんの手記などがそれです。

また、検索エンジンによっては赤木ファイルについて取り上げたテレビ番組の放送時期に合わせて作られたと思われるトレンドブログもなぜか上位ヒットしていますが、ファイル自体の情報はありません。

本稿ではこれらについて深く触れることはしませんが、「遺書」については最近テレビ放送されたものがあったので少し取り上げます。

最近の放送は2024年1月9日に日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」番組で取り上げた「命をかけた赤木ファイル“文書改ざん”の謎」です。

遺書の存在については従前から映像・画像なども映されていましたが、ほぼ全文がナレーションされ映像で文面が確認できる数少ない映像でしたので以下書き起こします。

***番組中で"実際の遺書"とされた文章***
森友問題
佐川理財局長(パワハラ官僚)
の 強硬な国会対応が これほど
社会問題を招き
それに(指示)NOを誰れもいわない
理財局の体質は コンプライアンス
など全くない
これが財務官僚王国
最後は 下部が しっぽを
切られる
なんて世の中だ
手がふるえる 恐い
命 大切な命 ○○○○
*********

※○○○○部分はナレーションでも読み上げられず判読不能のため。

なお、当該放送のアーカイブ版はTverにて1月16日(火)20:59まで視聴することができますが、リアルタイムでの放送時からは削除された映像があります。

財務省決裁文書改竄事件:決裁文書の書き換え前後の比較文書

「財務省決裁文書改竄事件」と巷で呼ばれている件につき、森友学園側と財務省側の交渉記録である決裁文書に関して、その書き換え前後の比較文書も財務省が公開、NHK等でまとめられたファイルがWEB公開されていました。

これについて当時2018年当時に分析したのが以下になります。

全文pdfあり:森友国有地売却財務省決裁文書、書き換え改ざん疑惑 - 事実を整える

森友学園問題:土地取引に安倍総理・昭恵夫人が便宜供与していたか

「財務省決裁文書改竄事件」の前提として「森友学園問題」という立憲民主党・社民党・共産党・マスメディアら総がかりで国会で長期間追及された冤罪事件があります。

森友学園との土地取引に当時の安倍晋三総理大臣・昭恵夫人が便宜供与していたかどうかが問題になった事件ですが*3、このような意味での「関係」について、疑惑が生じる余地はないという結論に至っています。

森友学園の理事長であった籠池泰典氏はその後、補助金の不正受給による詐欺罪によって逮捕・起訴され懲役5年の実刑判決となりました。

安倍晋三 回顧録の初版313頁には以下の記述があります。

 財務省と、党の財政再建派がタッグを組んで、「安倍おろし」を仕掛けることを警戒していたから、増税先送りの判断は、必ず選挙とセットだったのです。そうでなければ、倒されていたかもしれません。

 私は密かに疑っているのですが、森友学園の国有地売却問題は、私の足を掬うための財務省の策略の可能性がゼロではない。財務省は当初から森友側の土地取引が深刻な問題だと分かっていたはずなのです。でも、私の元には、土地取引の交渉記録など資料は届けられませんでした。森友問題は、マスコミの報道で初めて知ることが多かったのです。

森友学園問題については以下でまとめています。

安倍晋三回顧録「森友学園の国有地売却問題は私の足を掬うための財務省の策略の可能性が」森友問題まとめ 

以上

*1:(社説)「森友」公文書 開示が原則、徹底せよ:朝日新聞デジタル

*2:<社説>「赤木ファイル」 改ざん指示 全容解明を - 琉球新報デジタル

*3:平成29年2月17日の衆院予算委員会で「私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」と答弁