事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

バッハ会長銀座散策「バブル崩壊」論の歪み⇒ルール通り、その後ドイツに帰国

バッハ会長特別待遇というデマ

「バッハ会長が銀座を散策」

これに関する言説にデマや誹謗中傷がたくさん飛び交いました。

IOCバッハ会長が銀座をブラブラ散策、記念撮影も

ネット騒然…バッハ会長が銀座散歩? 選手は観光禁止なのに【動画あり】:東京新聞 TOKYO Web

バッハ氏は最後まで“特別待遇” 五輪では外出禁止を求めていたが本人は銀座散策 - zakzak:夕刊フジ公式サイト

IOCのバッハ会長が銀座を散策し、記念撮影もしていたという事が何か途轍もない悪い問題であるというニュアンスで報道され、また、SNSでも騒がれました。

"バッハdis"の歪んだ言論空間の暗黒面が発揮されました。

入国から14日間経過後は行動制限無し⇒プレイブックのルール通り

バッハ氏の銀座散策「入国15日経過し行動制限対象でない」=官房長官 | ロイター

[東京 10日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は10日の記者会見で、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長による銀座散策について、「五輪関係者は入国後14日間は行動範囲が限定されるが15日を経過した者は(規制の)適用を受けない」と述べた。

プレイブック(ルールブック)第3版公表 安全で安心な大会開催に向けて、ルールの強化・具体化・明確化

入国から14日間経過後は行動制限無しというのはプレイブックのルール通りです。

「不要不急の外出・渡航を控えるべき」という政府方針との関係

『「不要不急の外出・渡航を控えるべき」という政府の要請との関係は?』という声がありますが、もともと個々人の判断で自粛するべきものであって、政府が基準を定めるようなものではありません。

この通りだと思います。

実質的な評価はどうするべきか?については次項で書いてます。

まったく非論理的な「バブル崩壊」論の歪み

で、バッハ会長は飲食店で集団で会食したり風俗店に行ったりしたの?

「町中をブラブラした」しか報道がないのだけど。

バッハ会長 銀座散策 周囲には人だかりも

9日午後4時すぎ、灰色のポロシャツ姿で東京・銀座の中央通り付近に姿を見せた、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長。

周囲に警護がつく中、銀座を散策した。

バッハ会長に気づき、集まった通行人から記念撮影を求められると笑顔で応じ、周囲には人だかりもできた。

バッハ会長はその後、羽田空港に向かい、午前0時すぎの便でドイツへと帰国、7月8日に来日してからおよそ1カ月間の滞在となった。

「バッハ会長がオリンピック・パラリンピックの関係者とこの後接してた」という事情は、一切報道されていない。

【滞在の終わり際】に散策しただけ。 

外で散策してすれ違っただけで感染が広がったケースは見つかってません。

  1. ワクチンは2回接種済みで(もちろん接種から2週間以上経過)
  2. 日本への入国から2週間以上経過していて
  3. その間、感染者がいる率が東京都民より遥かに低いオリンピックバブルの中に居た人
  4. 都内の通行人と触れ合うのがリスク

これを言うのって、その後直ぐに帰国した先のドイツ人しか言わない筈ですよね。

日本人(都民)がバッハ氏と接することは(相対的に)リスクではないわけです。

「バブル」理論はなぜ設けられたのでしょうか?という点を理解してない人が多過ぎます。外国から日本に感染連鎖を持ち込まない・五輪関係者に感染させない、というのが目的。

今回のケースは、その懸念がありますか?無いでしょう。

また、オリンピックアスリートの多くは入国してから3日間の自室隔離の後に活動を行って、競技の期間を含めると2週間も経過せずに帰国する場合がほとんどですから、今回のようなケースが出てこなかっただけです。

バッハ会長とプレーブック

アスリート・チーム役員公式プレイブック

オリンピック/パラリンピックファミリー公式プレイブック

「隔離期間に関してバッハ会長が特別待遇」というデマも流れましたが、オリンピックの関係者には「宿泊施設で14日間」以外に「自室で3日間隔離」ルールがあるというのは上掲の【プレイブック】を見ればわかる話で、少し調べればわかることがメディアとSNSの一般人によって歪められて伝えられていたというのが実態です。

「迎賓館パーティー・日本各地を大名旅行・300万円の高級ホテル」なども

迎賓館のパーティーは飲食無しのウェルカムパーティー。

「大名旅行」などと言いながら「広島長崎の追悼式典への出席をしないとは何事か」と言っていた者も居ました(バッハ会長は7月16日に広島市の平和記念公園に献花しました)

1泊300万円のホテルがどうのこうの…についても嘘でした。

幹部らのホテル宿泊料、IOCが全額負担へ 東京五輪 - 東京オリンピック:朝日新聞デジタル

IOCは開催都市契約に付属する要件で「四つ星~五つ星のホテルを1600室、33泊確保すること」を義務付けており、組織委は三つのホテルの部屋を確保している。IOCが負担することになった宿泊料の総額は非公表。組織委は「1泊300万円などの部屋を使うことは、そもそもない」と説明している。

  • 四つ星~五つ星のホテルを確保するのは開催都市契約に付属する要件
  • 1泊300万円の部屋を使うことはない(ゲンダイの記事はホテルの中の最も高額の部屋の値段を言ってただけ)

バッハ会長に関する言い掛かりは、こういったものがありました。

オリンピック反対派のみならず賛成派であっても、政治的思想の右左やメディア・一般人を問わずこうした言説が飛び交っていたというのはあまりに異常な言論空間です。

以上:はてなブックマークをして頂けると助かります。