事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「COVID19製造機」岩田教授が厚労省のダイヤモンドプリンセス号の検疫体制を批判

「COVID19製造機」と神戸大学岩田教授

感染症専門家である岩田健太郎医師がダイヤモンドプリンセス号の内部に入ったところ、その管理体制が杜撰であったとするYouTube動画をUPし、ツイッターでも「COVID19製造機」「岩田先生」がトレンド1位となっています。

「COVID19製造機」と神戸大学岩田健太郎教授が批判

※動画は岩田氏により削除されたので書き起こしをしてる記事を置いておきます。

ダイヤモンド・プリンセス号の感染対策は「むちゃくちゃ」。船内に入った岩田健太郎さんが告発(全文書き起こし) | ハフポスト

神戸大学岩田健太郎教授がダイヤモンドプリンセス号の内情について「COVID19製造機」と批判しました。

  • 乗員がマスクをつけたりつけなかったりしている
  • ゾーニングが出来ていない
  • 発熱者が歩いて医務室へ行っている
  • 発熱のオンセットを記録してそれからカーブを作っていくという統計手法「epi-curve」のデータは全然取ってない

ざっくりいうとこれらの状態が指摘されていました。

防衛省がカウンターインテリジェンス?

岩田教授の動画UPからほどなくして、河野太郎防衛大臣、防衛省自衛隊が連続でツイートしています。

これらは防衛省による岩田教授に対するカウンターインテリジェンスではないか?と考える人が複数おり、そうなんだろうと思います。

防衛省と厚労省のダイヤモンドプリンセス号の検疫体制は異なる?

乗員乗客の感染については、その発症時期からしてイギリスが旗国のダイヤモンドプリンセス号の運営に帰責性があると言えますが、検疫後の検疫官・厚生労働省職員・DMATの感染については、たとえイギリスの不手際の影響があったとしても、日本側でコントロールすべき内容であることは間違いなく、 対応が杜撰だったというのはそうなんだろうと思わざるを得ない気がします。

じゃあ、防衛省と岩田健太郎教授の言っていることが食い違っているように見えるのは、一体何なのか?

おそらく防衛省も厚労省のやり方に不満なのではないでしょか?

岩田先生の主張はその通りなのでは

いろいろ見て回ると、少なくとも岩田教授の主張は決して嘘では無いということ、しかし、日本側の対応の全てが無責任なのかというとよく分からない、という辺りなのではという暫定的な感想です。

なぜなら、以下のような感染者が居るからです。

イギリスのエイブル夫妻ですが、BBCのインタビューにも毎回登場していたそうですが、2週間部屋から出ていないのに検査陽性となったようです。

クルーズ船調査の責任者「船内に待機措置は適切」 | NHKニュース魚拓

船内での感染を防ぐ対策では不十分な点があったと指摘しています。

岩手医科大学の櫻井滋教授は、今月11日から2日間、日本環境感染学会の調査チームの責任者として横浜港に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で調査を行い、感染予防対策の指導に当たりました。

NHKでは乗員の問題点が書かれてますが岩田教授の指摘する状況は触れられてません。

やはり旗国法主義の国際慣習法が影響したのか

厚労省の対応がずさんだったとして、その理由としては(ぱらみり氏の仰るように決して言い訳にはならないが)旗国法主義の国際慣習法があることで、ダイヤモンドプリンセス号の内部の管理体制としてイギリス側たる船舶側と日本政府とでどちらにイニシアティブがあるのか、ということが曖昧であったことが原因である可能性が考えられます。

官僚はルールから演繹して行動する生き物なので。

参考:クルーズ船対応「旗国主義」の穴 義務なかった日本 (写真=共同) :日本経済新聞

参考:【新型肺炎】クルーズ船対応にルールなし 船籍国・英政府の動き見えず(1/2ページ) - 産経ニュース

※ぱらみり氏からは旗国法主義関連の記事の有用性は否定されてるが、なお有効のように思える。

まとめ:「COVID19製造機」のYouTube動画は貴重

私の一応の理解はまとめると以下です。

  1. 厚労省の対応が杜撰だったのではないか
  2. ダイヤモンドプリンセス号の内部管理体制のイニシアティブを日本側が取れていないことが原因ではないか
  3. それは旗国主義ルールで国際法上の扱いが曖昧ということが影響したのではないか
  4. 防衛省は厚労省とは異なる体制を敷いており岩田教授の発信と矛盾しないのではないか

いずれにしても、岩田教授の発信は軽視してはならないと思います。 

以上

追記