事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「Colabo仁藤夢乃に取材申し込んだが「男性はダメ」と断られた」UCA News記者:ガチの男女共同参画社会基本法違反では?

目を疑う主張…

「Colabo仁藤夢乃に取材申し込んだが「男性はダメ」と断られた」

 Three years ago, I asked to interview the manager of Colabo, Yumeno Nito, after I read about their work in Kabuki-cho in Tokyo’s Shinjuku district. I was denied any interviews that involved speaking directly to the girls at the venue where this group had set up their base. The explanation was that “men are not allowed.”

UCA NewsのCristian Martini Grimaldi記者によるColabo問題についての記事。

英語圏のものとしてはこれが唯一かもしれないColabo問題についての記事であり、その点でも注目すべき記事です。ホザナハウスの森牧師逮捕報道についても触れています。
(事業報告書などを読み込んでいる印象。他の記事を見ると基本的には日本の主流メディアの論調ベース)

が、その中で特筆すべきが、Colabo代表理事の仁藤夢乃氏に取材を申し込んだ際に「男性は許されない」という理由で断られたとする一文です。

I didn’t understand why my gender was relevant as the interviews would have been conducted in the tent they had placed outside their premises under the supervision of staff and volunteers. The manager just asked me to write my questions so they could answer via email. I found this behavior most strange, if not outright suspicious.

マルティーニ記者は、「スタッフとボランティアの監督の下、施設の外に設置されたテントでのインタビュー」を想定していたようで、「なぜ私の性別が関連しているのか理解できなかった」、と綴っています。

メールでのやりとりを要求されたため、この態度は奇妙だと感じたようです。このように受け止められても仕方がないと思います。

性別による不合理な取材拒否は男女共同参画社会基本法違反では?

平成十一年法律第七十八号 男女共同参画社会基本法

(男女の人権の尊重)
第三条 男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

(国の責務)
第八条 国は、第三条から前条までに定める男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

(国民の責務)
第十条 国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。

Colabo仁藤夢乃氏の対応は、男女共同参画社会基本法違反でしょう。

シェルター内は女性が居るから…という理由ならば合理的な理由に基づく許否ですが、閉鎖環境ではない外部での取材で、男性記者に一人対応させることが女性への危険を生じさせる可能性がある、などとは言えないのですから。

まぁ、一般社団法人ですし、誰を取材させるかを決める、その対象を男性に限定する自由はあると思うのでダイレクトな憲法違反(平等権侵害)ではないとは思いますが…

そして、実は男性が視察に来ることを当然視していたような対応が為されていたことがあります。

『Colaboでは「男性だから、女性だから」ということではなく』

自民党議員らによる 10 代女性を支援する『Tsubomi Cafe』視察における問題のある言動や少女に対するセクシャルハラスメント行為についての抗議文と要望書 2020年4月24日

Colaboでは「男性だから、女性だから」ということではなく

こちらの文章ではこのように書かれていました。

となると、UCA News記者を断ったのは本当は「男性だから」という理由ではなく、別の理由があったが体のいい断り文句を使った、ということ?

その場合でも、「体のいい断り文句」として性別を挙げているという問題が。

この件は、活動の視察も兼ねたボランティアでやってきた男性国会議員らが率先して荷物の運搬を行ったら、「女性蔑視を感じ」た、などと評された件です。

馳浩議員はこの抗議文を受けて以下の回答文をブログ上に掲載しています。

一般社団法人Colaboからの令和2年4月24日付抗議文と要望書への回答 | はせ浩 オフィシャルブログ「はせ日記」Powered by Ameba

セクシャルハラスメントと言われているのは、「狭い場所を移動する際に女性の後ろを通った」(=ここは認識が一致)、この際に腰を両手で触った、というものですが、馳議員は記憶にないとのことです。

「性的虐待を受けている子も保護することがある」と公言されている場での振る舞いとしては不用意ではあったのかもしれません。かなりセンシティブな子も居るということですからね。

が、ならば最初から接触が無いようにColabo側がモデレートするべき話であるのに、この件でColabo側の改善策が語られることはありません。

最初に連絡をとったのは女性の阿部俊子議員ですが、この抗議文から見えるコミュニケーションでは、「男性が来ること」について特別の警戒感を持っていたとは到底思えず、単なるColabo側の連絡ミス、「察してよ」的なコミュニケーションの不足を感ぜざるを得ません。

「いろいろなご意見があり、誤解を招いてはいけないので削除した」とコメントしていたことがわかりました。「誤解を招いた」「不愉快な思いをさせて」と言い、そうした意図はなかったとすることは、差別や暴力があったときに加害者たちがよくする言い訳です

謝罪してもこのように攻撃的文言を投げつけられるというのは、とある界隈のムーブに似てますね。

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