事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

Colabo「生活保護不正受給、タコ部屋疑惑」はデマ・捏造だとする弁護団の反論に対する評価

取り扱い注意

Colabo弁護団「仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について」反論文書

【ご報告】Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見を行いました。 – 一般社団法人Colabo(コラボ) https://archive.is/r9PIv

Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について 2022年11月29日
一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃弁護団

一般社団法人Colaboと同代表理事の仁藤夢乃氏の弁護団が、暇空茜(水原清晃)氏が主張する疑惑に関して反論する内容の文書をUPしました。

12月1日に補足資料が追加されました。

内容は「Colaboの独自事業の会計報告」と「都の委託事業の業務報告」の別とそれぞれの事業の概要、計17個のQ&Aと多岐に渡るのですが、今回は最も紙面を割いている「生活保護不正受給疑惑」とそのうちの一要素である「タコ部屋疑惑」について取り上げます。

以下、弁護団の文章をベースに取り上げますが、不必要な文言を省いたり画像での示し方はこちらで改めて工夫したものを書いたりした上で、私自身の評価も加えます。

生活保護不正受給、タコ部屋疑惑について「事実無根の捏造」

暇空茜は、noteにおいて以下のように記載している(2022/9/9 暇空茜note
https://note.com/hima_kuuhaku/n/n85e40cf806be?magazine_key=m12ec371c0812

「空「これね、Colaboが公式にあげてる写真によると、タコ部屋みたいな部屋に3人で住んでて(①)その3人の家計簿を見ると収入が14~16万とアルバイトなら高すぎる。しかも額が生活保護費と一致(②)家賃と光熱費で4万、他に謎の税保険費とかいう25000円が3人同額で支出に計上されている。生活保護はシェアハウスだめとかあるはずだから、それを不正に受給させながら、さらに不正にバイトも裏でお駄賃をもらってColaboの手伝いをしてる(③)1000円単位だから時給1000円じゃない?で、月に65000円、ヤサ代を徴収してる以外の答えが思いつかない(④)、っていうだけの話なんだよ」」〔下線及び番号は、弁護団による註記〕

このnoteを台本にしたYouTube動画(
https://www.youtube.com/watch?v=1Wi3M0DyzL8&feature=youtu.be) 

~省略~
しかし、上記の①②③④の全てが誤りである。以下詳説する ~省略~

  1. Colaboは女性らをタコ部屋に住まわせている
  2. 女性らは生活保護不正受給をしている
  3. Colaboが女性たちを不正に受給させている
  4. Colaboが女性たちから月に6万5000円を徴収している

という暇空氏の主張に対して弁護団は全否定しています。

①Colaboが女性たちを「タコ部屋」に居住させているという事実はない、との主張

https://www.youtube.com/watch?v=1Wi3M0DyzL8

https://www.youtube.com/watch?v=1Wi3M0DyzL8

暇空氏は「Colaboが女性たちに生活保護を不正受給させている」という疑惑の一要素として「Colaboが女性たちを「タコ部屋」に居住させている」と主張しています。

が、「タコ部屋」と呼ばれている場所の写真は、元々は2018年12月31日のColaboのFacebookに掲載されたものです。
テキスト部分だけ画像掲載、写真が当該投稿の下部に添付されています。

https://www.facebook.com/colabo.official/posts/pfbid022b1UfUqbtbspjWov1CQAYFhyePnGHg8YutjJLSmspidyCkvMg77gVpCs9uetH8QDl

写真⇒https://www.facebook.com/colabo.official/photos/pcb.1935414883220753/1935409806554594

暇空氏が(noteでもYouTube動画でも)引用しているのは2019年1月5日の投稿のものですが、同じ写真が使われています。

テキスト部分だけ画像掲載、写真が当該投稿の下部に添付されています。

https://www.facebook.com/colabo.official/posts/pfbid02SLhSE1wKzBMqWqy1Q6QcHt9bY5jbtkbLRyPMvhqztBSVb17Er5nBd4h3uVRMLfxxl

写真⇒https://www.facebook.com/colabo.official/photos/pcb.1945210458907862/1945210352241206/

Colabo側は以下主張しています。

当該Facebook投稿においては、写真にあわせて「2018.12.28〜2019.1.1までの5日間年越し合宿開催中!」という文章が投稿されていることからもわかるように、普段は一時シェルターとして使用している部屋にて、お泊まり合宿イベントをした際の写真である。
この写真は、Colaboにつながっている女性たちが年末からお正月にかけて、一緒に楽しく過ごしながら、年越しや大掃除を一緒にするために集まったときの写真である。シェアハウスに住んでいる女性や、Colaboを経て里親のところにいる女性、Colaboとつながりながら親と暮らしているものの年末年始は家族と過ごせない事情がある女性などが、普段は一時シェルターとして使っている部屋に一緒に泊まって合宿のように楽しんだ、イベントの風景の写真である。暇空茜がいうような「シェアハウス」の写真ではなく、また、日常生活の写真でもない。

そのような「年越し合宿開催中」の写真であることは、暇空茜自身がnoteで引用する画像の文章からも明らかであるにも関わらず、暇空茜はこれを完全に無視し、この写真が日常的なシェアハウスの生活を撮影した写真であるという誤った断定を前提として、「日常的に一室で3人が寝起きさせられている」という虚偽を事実であると断言しているのである。

動画では暇空氏はcolaboのFacebook投稿に「のんびりしたい人はのんびり」とあることから、当該画像は女性らが普段寝泊まりしている状況を示していると言える、という旨の発言をしていますが、そのように理解することには大きな飛躍があると言わざるを得ません。

このように、暇空氏は、彼が引用している画像にあるFacebookの投稿の時点で、一時的な合宿の風景であるということが視覚的に明らかに理解できるにもかかわらず、「タコ部屋」という無理やりな理解を読者=視聴者に植えつけていると言えます。

他の根拠があるならともかく、この画像から判断するのであれば、このような理解にしかなり得ないでしょう。

②-1:暇空茜が『Colabo居住女性の「家計簿」』とする認識は事実ではない、との主張

https://www.youtube.com/watch?v=1Wi3M0DyzL8

Colaboが2019年8月25日のFacebook投稿に掲載した写真に写っているホワイトボードの表について。

暇空氏はこれを「家計簿」として、実際に支出した費用と稼いだ収益とその差分について女性たちが計算をしているという理解の下、論を展開しています。

https://www.facebook.com/colabo.official/posts/pfbid02vLkmpbeQ1smCfnR2NPMwxjfW6HUFCpWcBJPSo6G2DHGxLnLQX3Y6UkAi7SBrQ1qcl

写真⇒https://www.facebook.com/colabo.official/photos/pcb.2299328273496077/2299328233496081/

それに対してColabo側は以下説明しています。

 暇空茜自身も引用しているように、この画像には、Colaboの投稿として「シェアハウスメンバー、お金の計算中。生活に必要なお金はいくらで、そのためにどのくらいの収入が必要か。それぞれの目標に向けて、いくら貯金するか。みんな、まだ10代だけど、一人ひとり、ほんとうに頑張って生活しています。」とある。
 つまり、この写真は、女性たちが、自立にむけて健全な経済感覚を養えるように、自立後の生活費のシミュレーションをしている場面のものである。したがって、ホワイトボードに記載されている費目と金額は、当時のこの女性たちの現実の収支ではなく、あくまで将来の予想をしている仮定の数字である

Facebookの投稿は、「シェアハウスメンバー、お金の計算中。生活に必要なお金はいくらで、そのためにどのくらいの収入が必要か。それぞれの目標に向けて、いくら貯金するか。みんな、まだ10代だけど、一人ひとり、ほんとうに頑張って生活しています。」となっています。

生活費のシミュレーションをこういった形で行うことは珍しく、このような形で表を作成するのは現実の収支計算の場面が多いことから、一見してそのように理解するのも無理はないと思います。

しかし、立ち止まって考えると、「生活に必要なお金はいくらで、そのためにどのくらいの収入が必要か」という記述は、現実の収入ではなく希望している収入の数値を表していると理解する余地がかなり大きい。

また、画像をよく見ると、一番下が費用の合計ではなく「貯蓄」となっており、収益とみられる金額は左から2番目という奇妙な位置に書かれていますが、これは現実の収支を計算しているにしては不自然です。

よって、これを現実の収支を書き起こした家計簿として理解するのは少し無理があると考えられます。

②-2:Colaboにつながっている女性達が皆生活保護を受給しているわけではない、との主張

https://www.youtube.com/watch?v=1Wi3M0DyzL8

 それにもかかわらず、暇空茜は、これが女性たちの現実の収支であると根拠なく決めつけた上、「141000円の収入って生活保護だよ。家出して保護されてColaboの手伝いしてる女の子がバイトで14万も稼げるわけないよね」と、そこに記載されている収入金額が生活保護費であると、妄想に妄想を重ねている。

弁護団は「14万円」についても、補助的に反論しています。

しかも、暇空茜は、上記の妄想の根拠として、
東京都の18歳一人暮らしの生活保護費を計算サイトに入れてみたら、140530円って出てきた。これが141000円の正体じゃない?」 「東京都の18歳1人暮らしの生活保護費」(2022/9/9 暇空茜note https://note.com/hima_kuuhaku/n/n85e40cf806be) と言及しているが、これも誤りである。
 暇空茜が引用する画像をみれば「児童養育加算 児童の人数1名」とあるとおり、暇空茜が引用する画像の「140,530円」という金額は、“児童1名を養育する保護者の世帯”のものであることがわかる(なお、弁護団が当該サイトで“18歳高校生1人世帯”でシミュレーションしたところ、「130,010円」となった

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新宿区のページ⇒https://www.seikatsu-hogo.net/city.php?pref=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD&city=%E6%96%B0%E5%AE%BF%E5%8C%BA#result

私も弁護団と同じ設定をしたら弁護団と同じ結果になりました。

しかし、暇空氏の言う「140,530円」は、1人目の欄に「12~17歳」を選択してどこにもチェックを入れずにシミュレーションした結果として出てきます。

ただ、このような世帯に生活保護が支給された場合にも「児童養育加算」が付加されるものなのでしょうか?(児童養育加算が付加されるのは0~11歳でも同様だが金額の合計が異なる)

なお、弁護団の言う「児童1名を養育する保護者の世帯」のシミュレーション結果を出そうとして1人目と2人目の欄をどの組み合わせに設定しても、いずれも20万円近くかそれ以上の金額が表示されます。

よって、ここの指摘はあまり関係のない話だと思います。

③ Colaboが若年女性たちに生活保護を不正受給させながらColaboの仕事を手伝わせている事実は一切ない、との主張

Colaboが支える女性のなかには生活保護を受給している女性もいるが、決して全員ではない。上記のとおり、Colaboが支える女性の中には、シェアハウスに居住しながら就労する女性もいるし、そうしてシェアハウスから自立する女性もいる。

ここは簡単に「生活保護を不正受給させながらColaboの仕事を手伝わせている事実は一切ない」とだけ言っています。

④ Colaboがシェアハウスに居住する女性から「65,000円」の家賃を得ているというのも何の根拠もないデマである、との主張

https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2022/11/HP.pdf

上掲画像は、Colabo弁護団の反論文書のもので、暇空氏のnote上の記述と表の画像を引用し、弁護団が赤字部分を追記して説明を加えたものです。

暇空氏の上掲表のうち、「家賃3万円」の部分は、ColaboのFacebook上でシェアハウスについて「はじめの3ヶ月は無料、それ以降は3万円~」と説明されている画像が元になっています。

URL⇒https://www.facebook.com/colabo.official/photos/a.395445317217725/2421845104577726/

暇空氏は「家賃は3万円じゃなくて3万円~、これは本当は65000円だよ」「生活保護の家賃は東京都53700円だから、53700以上にしなきゃね。だから3万はありえないと思ってたんだよ」と記述。YouTube動画でも同旨。

これに関してColabo弁護団は「何の根拠もなく断言」しているとし、以下反論。

 しかし、既述のとおり、そもそもColaboの支える女性が全員生活保護受給者であるという決めつけが何ら根拠のないデマである。暇空茜は、Colaboのシェアハウスにいる女性が皆生活保護を受給しているという根拠のない決めつけにあわせて、話を無理にこじつけ、Colaboが女性から65,000円の家賃を得ているなどという捏造をしているのである。

確かに根拠は一切ないと感じます。

なお、以下の指摘も置いておきます。

 また、暇空茜は、上記のColaboのFacebookに掲載されている生活費の練習の写真を
noteに掲載し、「見にくいからエクセルに起こすね」として、ホワイトボード記載の金額をExcelシートに記入したとしてこれをnoteに掲載している。しかしこのExcelシートにある「Colabo徴収」との文言は、ColaboのFacebook掲載写真のホワイトボードには当然ながら無い。無い文言をあたかもあるかのように記載している。事実を捏造してColaboが生活保護費不正受給に関わっているかのような印象を作出する、極めて悪質な手法である。
(2022/9/9 暇空茜noteより一部引用 赤字部分は弁護団による註釈
https://note.com/hima_kuuhaku/n/n85e40cf806be?magazine_key=m12ec371c0812

YouTube動画では「Colabo徴収」の部分は表示されていませんが、口頭で同趣旨の発言をしています。

最後の指摘は動画の存在を考えると末節と言えば末節ですが、noteではホワイトボードの画像を掲載した後に「見にくいからエクセルに起こすね」としていることから、読者としては「Colabo徴収」の部分まで現実にホワイトボードに書かれていたか、或いはColaboが徴収する旨が公式でも書かれていたと誤認するおそれがあるものと言えるでしょう。

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