「旭日旗はFIFAが禁止している」という謎の言説があります。
しかし、そんな根拠はありません。
その言説の出所と主張内容、国際サッカー連盟=FIFA等の規定をまとめます。
- 国際サッカー連盟FIFAが旭日旗を禁止していると主張する清義明
- しばき隊、CRACのメンバーだった清義明
- 清義明の主張
- 旭日旗は(専ら)軍事的な意匠ではない
- FIFAは軍事的意匠を直接禁止していない
- 軍事的な意匠はJFAが禁止しているが旭日旗は問題ない
- AFCによる川崎フロンターレへの処分は場面限定的
- ドイツの鉄十字は軍事的だからではなくナチスとの関係があるから
- フットボールやスポーツの場面で旭日旗が政治的なシンボルとされるおそれ
- まとめ:韓国が旭日旗問題を捏造したことを強烈にアピールすべき
国際サッカー連盟FIFAが旭日旗を禁止していると主張する清義明
旭日旗はなぜサッカースタジアムで禁止なのか? 関係ない日本側の主張、知るべき国際ルール | フットボールチャンネル
「国際サッカー連盟FIFAが旭日旗を禁止している」という主張でネット上で多くシェアされているのは清義明氏による上記記事ですが、彼がどういう人間か知った上で読んでる人はどれくらい居るのでしょうか?
しばき隊、CRACのメンバーだった清義明
「しばき隊」とはなんだったのか -21世紀のダーティー・ハリーの栄光と没落 (3/3):魚拓
デモ巡り乱闘、男女8人を暴行容疑で逮捕 東京・新宿 :日本経済新聞
東京・新宿で16日、在日韓国人らを非難するデモの参加グループとこれに対立するグループの間で乱闘騒ぎがあり、警視庁新宿署は双方のグループの男女計8人を暴行容疑で現行犯逮捕した。
逮捕されたのは、デモに参加した「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長で自称自営業、高田誠容疑者(41)ら4人と、対立グループ側の自称会社経営、清義明容疑者(46)ら4人。
清義明氏は結局不起訴になったらしいですが(起訴猶予なのか嫌疑不十分なのかは不明)、彼が今は解散している「レイシストしばき隊 」や、現行も存在している「CRAC(クラック)」に所属していたことは自ら暴露しています。
しばき隊やクラックがどういう団体でありどんな活動をしていたかはググって頂きたいですが、清氏については以下のような例があります。
読んだけど、おまえアタマ悪いだろ(笑)
— 清義明 (@masterlow) September 8, 2019
この記事を読んで本人が発狂したようです。
清義明の主張
旭日旗はなぜサッカースタジアムで禁止なのか? 関係ない日本側の主張、知るべき国際ルール | フットボールチャンネル
さて、そのような清義明の記事中の主張の根幹は以下の3つでしょう
- 旭日旗は自衛隊旗としての意味しかない
- FIFAの「スタジアム安全警備規定」では「挑発的・攻撃的行為」が禁止されている。川崎フロンターレも旭日旗が挑発的だとして処分を受けた
- ドイツのシャルケの禁止意匠規定でも鉄十字が軍事的な意匠だとして禁止されている
清氏がこのような認識なので、FIFAも旭日旗を禁止する「だろう」という予想を述べたものにすぎません。
この主張のそれぞれについて検討していきます。
旭日旗は(専ら)軍事的な意匠ではない
最初に重要なことですが、旭日旗は軍事的なものではありません。
旭日旗は今でこそ自衛艦旗として利用されていることが知れ渡っていますが、そもそも旧日本軍で利用される以前にも民間で「祝福・祈願」の意味合いで利用されていたという歴史があります。
私たちは、自衛艦旗だから旭日旗を振っているのではないという人の方が多いハズです。私自身、「軍旗」というジャンルがあるということは知らず、自衛隊機は単に国民の間で広く通用しているものを利用している、というような認識でした。
このことは防衛省や外務省がまとめているので見てみると良いでしょう。
専ら軍事用途で考案されたデザインではなく、元々民間で利用されていた旭日旗のデザインを自衛隊において転用しているに過ぎません。
FIFAは軍事的意匠を直接禁止していない
FIFAスタジアム安全警備規定=FIFA Stadium Safety and Security Regulations
FIFA懲戒規定=FIFA DISCIPLINARY CODE
挑発的・攻撃的行為や政治的・差別的行為についてはFIFAの各種規定において禁止事項として規定されています。
しかし、軍事的な意匠、軍事的な意味合いを持つものについては直接的には禁止していません。どこにも書いてありません。
考えてみれば分かる事ですが、一般的に軍事的な意味のあるものを全て禁止していたならば、ゴールパフォーマンスでの「敬礼」や「銃を打つ仕草」なども禁止対象となるでしょう。そんな事にはなっていないわけです。
ただし、今後、旭日旗が「軍事的シンボル」とみなされるような事態は起こりうる。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) September 5, 2019
「自衛隊の誇りだから」などという雑な主張は足下をすくわれるので、やめた方が良い。
なお、【FIFAは旭日旗を禁止してる】と主張している者の認識は『FIFAは軍事的標章がダメと言ってるのでは無い』です。 pic.twitter.com/LM9svboWkQ
清氏も「FIFAは軍事的だから禁止しているのではない」と主張しています。
軍事的な意匠はJFAが禁止しているが旭日旗は問題ない
JFAの規約・規定を渉猟してみると、政治的・差別的・宗教的な行為を禁止する規定はありますが、具体的な対象が指定されているわけではありません。
軍事的な意匠については【試合運営管理規定】で禁止されています。
10. 政治・思想・宗教・軍事的な主義、主張、観念を表示、若しくは連想させるような掲示板、立て看板、横断幕、懸垂幕、のぼり、旗、プラカード、ゼッケン、文書、 図面、印刷物等を持ち込み、又は設置、掲揚、着用、散布、貼付すること。
しかし、現実には旭日旗は軍事的なものとしては扱われていません。
スタジアムに足を運べば、旭日旗や旭日旗様の旗が振られていることを目にするでしょう。日本代表戦でも同様です。W杯予選やW杯本大会において最前線で旭日旗が振られている例は存在しています。それについて懲罰委員会等にかけられた例はありません。
当然でしょう、元々土着の祈願物として利用されていた意匠を旧日本軍が転用し、自衛隊に受け継がれているに過ぎないというのは既に示した通りです。
AFCによる川崎フロンターレへの処分は場面限定的
AFCが川崎フロンターレに対して旭日旗を掲出したことを差別的・政治的なものとして処分した事例があります。
まず、これは2017年の当時、韓国の鄭夢奎(チョン・モンギュ)氏がAFCの副会長であった時期に、不服申立委員会に韓国人が居たことや、同時期に浦和レッズが暴行の被害を受けたのに浦和にも罰金処分が出たという異常な時世に為された裁定であり、その手続に疑問がつくものでした。
その上で、そのようなAFCの判断を見ても、「韓国において」「韓国人に対して」行われたものだという言い方になっており、一般的に旭日旗が差別的政治的なものとされたのではないという点で場面限定的な判断でした。
ドイツの鉄十字は軍事的だからではなくナチスとの関係があるから
Eisernes Kreuz
Das Eiserne Kreuz war ursprünglich eine Militärauszeichnung, in der NS-Zeit wurde es letztmalig in Verbindung mit dem Hakenkreuz verliehen.(ざっくり仮訳)アイアンクロスは元々は軍事章であり、ナチス時代にはハーケンクロイツ章と関連性のあるものだった。
ナチス・ドイツの勲章 - Wikipediaを見てみると、確かに鉄十字=アイアンクロスは軍事勲章の一つとしてハーケンクロイツと並ぶものとして扱われています。
要するに単なる軍事的な意匠だからということではななく「ナチスのハーケンクロイツと関連性のあるものとみなされている」から、禁止されているのです。
同じ軍事的な意匠だといっても、ドイツ帝国時代の象徴である「黒・白・赤のリボン」については現在も勲章法で規定され通用しているためか、禁止意匠に含まれて居ません。
清氏はアイアンクロスが軍事的であるが故にシャルケでは禁止されていると書いていますが、一般的に「軍事的な意匠だから」禁止されているのではないというのがシャルケの規定の文章等を読み解けば分かる話です。
特定の意匠が指定されて禁止されているということです。
フットボールやスポーツの場面で旭日旗が政治的なシンボルとされるおそれ
以上、FIFAには直接的に「軍事的シンボル」を禁止する文言は無いこと、他の事例でも旭日旗が一般的に差別的・政治的・軍事的であるとされた事例は無いということを示しました。
しかし、今後FIFAにおいて「旭日旗=軍事的シンボル=政治的表現」と判断されるおそれは拭いきれません。それはフットボール界全体やスポーツ界全体にも波及するかもしれません。
なぜなら、韓国側(+αで北朝鮮やチャイナ)がFAREなどの人権活動団体や各国のサッカー協会にロビイングしていった場合にどうなるか分からない状況だからです。
このことはAFCの川崎フロンターレに対する事例に限らず、世界中のサッカークラブに対して韓国人が旭日旗様のデザインに難癖をつけまくっている現状を考えれば憂慮せざるを得ないでしょう。
旭日旗が自衛隊旗として誇りのあるものであることは確かですが、我々としては日本国の歴史上、民間において「祝福・祈願」の意匠として広く流通していたデザインであることを積極的に強く訴えていくべきでしょう。
そうでなければ韓国のロビイングに負けてしまいます。
日本人と思われるサッカー界の関係者でもなぜか韓国側の主張を肯定する者が居るので、注意すべきです。
まとめ:韓国が旭日旗問題を捏造したことを強烈にアピールすべき
- 旭日旗はもともと民間において祝福・祈願の意味合いで広く流通していた
- FIFAには軍事的デザインを直接禁止する規定は無い
- JFAには軍事的表示を禁止する規定はあるが、旭日旗は軍事的であるとは考えられていない
- AFCが川崎フロンターレに下した不当処分においても場面限定的な判断だった
「旭日旗問題」は2011年に韓国のサッカー選手が日本との試合で差別的なパフォーマンスを行ったことを誤魔化すために嘘をついたことから始まったことです。
なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか-Chosun online 朝鮮日報
それまではまったく問題視されてこなかったことは明らかであり、韓国側が問題を捏造しているということを強烈に国際社会にアピールしていかなければならないでしょう。
以上