事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

山内雁琳 北村紗衣の代理人弁護士を懲戒請求:内容証明郵便とアカデミックハラスメント通報事案のまとめ

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懲戒請求もやむなしだと思います。

山内雁琳 北村紗衣の代理人弁護士を懲戒請求

甲南大学の非常勤講師である山内雁琳 氏が、北村紗衣氏の代理人弁護士を懲戒請求すると発信しました。

これは雁琳氏のツイートにおいて北村氏に関して「うんこ学者」「キチガイ」といった文言が使われていたために、これを北村氏への侮辱であるとした北村氏が代理人弁護士を通じて提訴予告をしていたことが発端です。

ただ、ここでは北村-雁琳という当事者の話とは別個に、代理人弁護士の行為について、その問題点をまとめていきます。

なお、北村の代理人弁護士とは谷村紀代子氏であることが分かっています。高橋弁護士に対して「オープンレターへの言及をしないことと引き換えに懲戒請求を示唆する」行為をしていました。

職場(甲南大学)気付雁琳宛てへの内容証明郵便の内容

スレッドとなっている通知文の引用内容は以下です。

 「アカウント名ganrim_こと貴殿は、依頼人に対し、別紙の通りのツイートを行い、数年前から継続して依頼人を「キチガイ」などと誹謗中傷しており、依頼人の名誉感情を侵害する人格権侵害行為を行っております。(中略)「(中略)直ちに以下のツイートを削除いただくこと、また、今後誹謗中傷を継続しないことを求めます。/仮に、本書面通達の日から1週間以内に別紙のツイートを削除しない場合には、損害賠償請求を求めて提訴、また、貴殿は、正論6月号で自信が「山内雁琳」であり甲南大学非常勤講師として(続)「(続)大学の肩書を使用していること、記事を読んだ読者やフォロワーには、甲南大学非常勤講師の「山内」氏が別紙ツイートをしていることが容易に判明すること、貴殿のフォロワーは1万人以上であること、貴殿は人文系の学者を名乗ったうえでツイートしていることからすると、(続)」「(続)貴殿のツイートは甲南大学の学者が、他の大学の学者に対し性差別的かつ学者としての品位にもとるツイートをしているものであるから、甲南大学の信用を毀損しているものとして大学に通告いたしますのでご承知おきください。」

  1. 提訴予告
  2. 甲南大学への北村-雁琳事案の通知予告

11月9日付の内容証明郵便」には、こうした記述があったということです。

当然、悪質だと判断される類のものです。

職場宛てのアカデミックハラスメント通報との二本立て

11月9日付:職場(甲南大学)気付・雁琳氏名宛人の内容証明郵便

11月22日付:甲南大学が名宛人のアカデミックハラスメント通知書

北村氏の代理人弁護士から送付されたものとして、この二つの郵送物が混在していたために一時期、情報が混乱していましたが、当事者らが事実関係を明確にしています。

この内容は北村側の発信と整合性がとれています。

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アカデミックハラスメントですらない私的事案の職場への通知予告

11月9日付の内容証明郵便の内容にある大学への通告理由ですが、「甲南大学の信用毀損だから」とあります。

これは非常に不思議な記述です

北村の代理人弁護士は甲南大学の代理人か顧問か何かなんでしょうか?

高橋弁護士に対して「オープンレターへの言及をしないことと引き換えに懲戒請求を示唆する行為をしていた」ということからも、相手方に義務の無い行為を要求する性癖の持ち主であると言え、それが本件でもその片鱗が伺えます。

そして、その後の行動とも齟齬が生じていることにきづきます。

11月22日付の通知書に関して、北村氏の代理人弁護士の説明文書では、甲南大学にアカデミックハラスメントとして匿名事案として相談し、事務方から事案を受け付けるという了解を取ったから送付した、と書かれています。

したがって、当初、雁琳氏に対して「大学に通知する」とした理由と齟齬があります

また、上掲の説明文書を見れば明らかなように、11月9日付の内容証明郵便において大学への事案通告を予告したことについては触れていません。別個のハラスメント通報のルートとして大学側と連絡を取ったと書かれています。

北村紗衣の代理人弁護士の懲戒処分対象となり得る行為

  1. 「職場に内容証明郵便を送ったこと」?
  2. アカデミックハラスメント通報として甲南大学に私的事案を通知したこと?
  3. 11月9日付の内容証明郵便に職場への通告予告をしていたこと

北村紗衣の代理人弁護士の懲戒処分対象となり得る行為は何か?

当初は1,2番の事情しか分からなかったため3番の話とは別個独立に評価していました。

1番の11月9日付の「職場に内容証明郵便」ですが、本件では「職場気付、本人宛」であり、職場に通知する性質のものではなく、職場が開封するものではありません。一時期、情報が錯綜していたためにこの点が騒がれました。
※本件でも雁琳氏によれば11月9日付のものは「未開封」なので職場は中身を見ていない

本件では雁琳氏の自宅住所が不明なため職場気付で提訴予告の内容証明郵便を送ること自体は弁護士としての懲戒処分の対象とはならない可能性が高い。

しかし、現実にはそういう行為を行うのは無用な争いを生むおそれがあるので控えるという運用をとる弁護士が多いので、それ自体を批判する同業者が居ることは確かです。

2番のアカデミックハラスメント通報というのは、やや微妙。
※こちらの通知は大学宛てなので大学側が中身を見ていた。

アカハラなら北村准教授が所属する武蔵大学に実名相談(ここに弁護士が入っても良いハズ)した上で、武蔵大学から甲南大学に事実確認要請をし、雁琳氏面談、という流れならしっくり来ます。

しかし、そこをすっ飛ばして弁護士から直接甲南大学に事案匿名で(通知書には実名?)というのは、それに仮託して訴訟の本人特定手段として利用したかのように見えます。

北村准教授の勤務先に相談なら被害救済のために大学側に責任が生じるかもしれんが、相手方の大学に対するそれは義務の無いことを求めてるわけですからね。

もっとも、北村准教授の代理人がアカハラの件では武蔵大学の代理人としても動いていたというなら別だが、ならばアカハラ事案と判断した事が問題に。

「アカデミックハラスメント」の中に、①職場も②学問領域も異なる③非常勤講師から准教授への行為、が含まれるとは通常は解されないからです。

ただ、本件、一般に注意喚起のための事例として扱われる「弁護士が勤務先に通知」事案と異なるのは

  1. 相手方の本人特定と住所が未特定段階
  2. 対象行為がネット上でオープンになっててプライバシーの範疇ではない

なので、弁護士会としてはギリギリ問題ないとされる可能性もある。

なお、甲南大学側のハラスメント通報に対する手続については、山形大学理学部物質生命化学科の天羽優子准教授=apj氏が以下で違反があるとして痛烈に批判をしている。

「オープンレター 女性差別的な文化を脱するために」の問題点|apj|note

3番の「11月9日付の内容証明郵便で(ツイート削除をしない場合の)職場への通告予告をしていたこと」については、提訴とは無関係に行われる私的事案の職場への通知予告という、逃れようもない重大な行為なので、懲戒請求されるのは仕方がないでしょう。
非常勤講師に対して1週間の回答期限というのも奇妙。弁護士側が事情を知らなかっただけかもしれないが

しかも、この一連の流れと併せて理解すれば、上掲の2番のアカデミックハラスメントとしての通報もこの通告を意図して為された可能性を疑います。つまり、職場に対して事案の内容をばらして立場上不利にさせようとしたのではないか?と

それをハラスメント通報の枠組みに仮託して正当性があるかのように装ったと見られても仕方ないでしょう。

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