事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

【追記あり】東京都、暇空茜が情報開示請求の対象としたメールを廃棄していた件:末永ゆかりの開示請求への非開示決定で判明

黒のりだと思ってたら深淵を覗いていた…?

東京都が暇空茜による開示請求中の電子メールを廃棄していた

浜田聡参議院議員の秘書である末永ゆかり氏が都に対してDVセーフティネット強化支援補助金に関して情報開示請求を行ったところ、非開示決定通知書が送付されたため公開。

すると、暇空茜氏が反応。

末永氏の非開示決定とされた通知書には「令和3年度に行われた民間団体(一般社団法人Colabo含む)とのメールの送受信内容一切」について「東京都文書管理規則に基づいて廃棄済みであり存在しない」とありました。

従前に開示請求対象としていた文書が廃棄されている、という重大な指摘

暇空氏が2022年秋に非開示処分を受けた際の通知書にある照会期間が2021年11月1日~11月30日となっている公文書が令和3年度のメールを指しているようです。

この際、非開示理由は「不存在」ではなく「公にすることにより法人の事業運営上の地位その他社会的地位が損なわれるおそれがあると認められる」であることに注意です。

開示請求対象の文書は保存期間を延長する規定があるルールなど

公文書等の管理に関する法律施行令(平成二十二年政令第二百五十号)

(保存期間の延長)
第九条 行政機関の長は、法第五条第四項の規定に基づき、次の各号に掲げる行政文書ファイル等について保存期間を延長する場合は、当該行政文書ファイル等の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期間が経過する日までの間、当該行政文書ファイル等を保存しなければならない。この場合において、一の区分に該当する行政文書ファイル等が他の区分にも該当するときは、それぞれの期間が経過する日のいずれか遅い日までの間、保存しなければならない。
~省略~
四 行政機関情報公開法第四条に規定する開示請求があったもの 行政機関情報公開法第九条各項の決定の日の翌日から起算して一年間

国の行政機関に関するルールにおいては、開示請求対象の文書は保存期間を延長する規定があります。

地方自治体は各地の条例等でこの辺りを規定しているものなのですが、都については公安委員会のものについては開示請求の対象文書に関する保存期間の延長規定がありましたが、他の面では存在していないようです。

なお、他の自治体でも無い所とある所がまちまちでした。

そうすると、以下の処理になることに。

東京都文書管理規則

(公文書の廃棄)

第五十三条 主務課長は、公文書がその保存期間を満了したとき(第四十八条第三項に規定する必要な期間が終了したときを含む。)は、公文書館に移管する場合を除き、当該公文書を廃棄するものとする。ただし、重要な公文書については、局の庶務主管課長(特別な事情があると認める場合には、局長があらかじめ指定する者)の承認を得て、廃棄するものとする。

2 局の庶務主管課長は、前項ただし書に規定する廃棄の結果を、毎年度、文書課長に報告しなければならない。

3 主務課長は、保存期間が満了する日の前に公文書(保存期間が一年未満のものを除く。以下この条において同じ。)を廃棄しなければならない特別の必要が生じた場合において、局の庶務主管課長の承認を得なければ、当該公文書を廃棄してはならない。この場合において、当該廃棄に係る決定において、その特別の必要を明らかにするものとする。

4 主務課長は、第一項又は前項の規定により、公文書を廃棄しようとするときは、当該公文書の件名、廃棄する日、廃棄の方法等を記載した起案文書によって当該廃棄する旨を決定するものとする。

郵便不正事件で村木厚子氏の関与を認める供述をした元部下を取り調べた大阪地検特捜部の担当検事ら6人が、取り調べ時のメモを廃棄した事件(村木氏は無罪確定)などが思い浮かびます。

郵便不正事件の取り調べメモ廃棄、最高検が検証へ: 日本経済新聞

※追記:都が暇空氏に不開示したメールはColaboと都とのメールではなかったという川松都議の確認

1月28日の川松真一朗都議の説明によると、暇空氏に不開示とした生活文化スポーツ局のメールはColaboと都とのメールではなく、【Colaboが東京都以外の者と行ったメールのやり取りだった】、という説明がなされているとのことです。

※以下当初稿より修正※

Colabo側が都に対して提出した資料の一部に、問題となるメールのやりとりがあった、という説明がなされています。

これを合理的に理解するとすれば、末永氏の開示請求対象は「都とColaboとのやりとりのメール」だったのに対して、暇空氏の開示請求の範囲はそれにとどまらなかったために、その範囲外のメールの「文面」が黒塗りで非開示とされた、ということになるハズです。

Colabo側が都に対して「他の団体?とこういうやりとりがあった」ということを証明するために出した資料、という説明がなされていました。

が、これは宛先も発信者も黒塗りの非開示では、判別が付かない話です。この理解は、都側の説明(を川松議員が再説明したこと)を信じた上で初めて成り立つものですから、それが正しかったのかも含めて開示請求訴訟で明らかにされていくものと思われます。

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