事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

ハフポストの草津町に関する報道:Twitterニュースフィードのブーストは無かったと思われる

海外メディアがおかしい

ハフポストの草津町に関する報道

ハフポストジャパンのアカウントがTwitter上で草津町の本事件について言及している記事を検索しました

全部で30ほどツイートしていますが、一部記事は見れません。

"BREAK THE SILENCE"(魚拓)というページがありましたが、他にも「草津」「JOMEISYOBUN」「KUSATSU」というページがあるものの網羅性はありません。

【「セクハラ」訴え失職の前草津町議、県が除名処分を一時停止】

https://www.huffingtonpost.jp/entry/kusatsu-sekuhara_jp_5e44b94dc5b671eafe1e799e

【「町長からセクハラ」告発した女性町議が失職。議会が懲罰動議を可決】

https://www.huffingtonpost.jp/entry/news_jp_5de5c08fe4b0d50f32a7970e

【性被害を訴えた草津町議がリコールで失職。「告白したことは真実。裁判で明らかにする」】

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fcd84d6c5b626e08a2b1ec4

これらのページは現在は見ることができません。

魚拓

どうやら現在は見れないこれらは朝日新聞記事の配信ページだったようです。

要するにメディアのニュースをyahooニュースやLivedoorニュースで配信するようなもので、期間が切れたために公開を終了したと思われます。

もっとも、ハフポスト編集部と記者の署名がある記事はそのまま掲載されています。

ハフポスト「海外メディアが報道」「性差別や不平等が蔓延」など

性被害を告発した草津町議が失職。リコールの経緯は?【3分で分かる】
町長からの性被害を訴えた草津町議の新井祥子氏が、住民投票の結果、失職した。リコールまでの経緯を振り返る。ハフポスト日本版編集部 2020年12月08日 13時8分 JST

こちらは基本的に経緯を淡々と伝えるだけだが、海外メディアの報道の紹介部分で

AFP通信は、「町長の性暴力を告発した日本の政治家、投票で失職」との見出しの記事を配信。日本が、ジェンダーギャップ指数 において政治、経済分野でG7の中で最下位であること触れ、「日本は、#MeToo運動のようなキャンペーンに踏み切ることに難航している」と報じている。

町議会や町側の一連の対応について、SNSでは、裁判の結果が出ていない段階で住民投票が呼びかけられ、実施されたことなどを疑問視する声が上がる。

などと記述。

「海外メディアが報じてます」という形で、「日本は性差別や不平等が蔓延」とするフレーズを紹介するなど、本件を煽る意図が感ぜられ、そのことのみの以下記事のようなものもあります。

日本は「性差別や不平等が蔓延」。草津町議リコールで、海外メディアの報道続く。
セクハラ告発が批判されリコールされた草津町議の問題。CNNやニューヨークタイムズも報道し、日本社会の問題を浮き彫りにする現象として扱われている。
國崎万智(Machi Kunizaki) 2020年12月10日 11時19分 JST 更新 2020年12月10日 JST

「ジェンダーギャップ指数」「#Metoo」「伊藤詩織」という単語、トピックで物事が語られ『日本社会に「性差別や不平等が今なお蔓延している」』という論調ベースであることを伝えています。

以下はそうした流れをそのままに2020年12月の黒岩氏記者会見前に経緯をまとめたもの

草津の黒岩信忠町長が日本外国特派員協会で会見へ。元町議の性被害告発とリコールめぐり、海外でも厳しい報道
海外では、日本の政治の場や職場などにはびこる男女格差を厳しい報道が相次いでいる。会見は日本外国特派員協会からの申し入れで行われ、ライブ配信される。 中村 かさね (Kasane Nakamura) 2020年12月11日 18時18分 JST

そして、黒岩氏に記者会見に関する記事ではあの「音声」について触れています。

草津の黒岩信忠町長、セクハラ告発の元議員を「100%嘘の作り話」。記者会見で疑惑を全否定
「性被害を受けた」と訴えた元町議の新井祥子氏は、「町長の会見での発言に対する反論や、リコールの受け止めなどを(今週末の)会見で話したい」としている。
ハフポスト日本版編集部
2020年12月14日 18時29分 JST 更新 2020年12月15日 JST

さらに黒岩町長は、新井氏が「性行為を強要された」と主張する時刻に新井氏が録音したとみられる音声に、行為の証拠となる内容が含まれていなかったことも、新井氏の訴えを虚偽だと裏付ける点として挙げた。

その後の新井祥子氏の記者会見も同様に報道。

「女性蔑視、議会で顕著に」草津町長からの性被害訴えた元町議、会見で反論
草津町長は先立つ記者会見で「100%嘘の作り話ででっち上げです」と発言。性暴力の疑惑をめぐり、双方の意見は大きく食い違っている
國崎万智(Machi Kunizaki) 2020年12月18日 13時18分 JST 更新 2020年12月18日 JST

ただ、この日の会見では「音声」について問う記者が居らず、お互いの主張が報じられたにとどまりました。

草津町議リコール問題、性被害の「白か黒か」議論で見過ごされているもの
「多くの住民は常識を働かせて、伝聞情報を基に判断したにすぎません」。専門家が語る、性被害の真偽以前の問題とは。 國崎万智(Machi Kunizaki) 2020年12月18日 16時27分 JST

そして、「裁判結果が出る前にリコールすることは妥当ではない」「伝聞情報で住民が判断することになる」などとする高崎経済大学の増田正教授の弁を中心に書かれたこの記事を最後に、実に2年間、ハフポストは草津町の新井祥子事件に関する記事を書いていません。

高崎経済大学の政治学の増田正教授が「裁判結果が出てから」「伝聞」などと言ってるのは、そのような理屈では住民はリコールできなくなるものであり、不可解な評価だと私は思います。

嘘も無い、両者の主張の重要部分も報じている、が…海外メディアは…

ハフポストの草津町に関する記事は、それ自体に嘘は無いですし、両者の主張の重要部分をきちんと報じていると思います。

が、なぜか海外メディアの評価をそのまま記載しているように、そのような論調を是認するかのような態度が見て取れます。「他人=海外メディアがこう言っている」という朝日仕草。

海外メディアの多くは「朝日新聞が報じた」と書き、群馬県版の朝日新聞を引用するところもありました。

もっとも、元の朝日新聞記事には海外メディアのような過激なジェンダー論の主張はありません。日本でその手の発信をしていた「朝日系」はアエラドットの北原みのりです。

「草津温泉には行かない 」タグは誰が広めていたのか:共産党系のアカウントが目立つ|Nathan(ねーさん)|note

草津町黒岩町長に関する北原みのりの印象操作|Nathan(ねーさん)|note

こうした「ふんわりとした報道空間」によって草津町だけでなく日本社会全体が悪評価されているのだという情報が広がっていったということが見て取れます。

Twitterのニュース欄のブーストはかかっていなかったと思われる

ハフポストなど一部メディアの記事がTwitter上のニュースフィード欄のモーメントとして頻繁に表示されていたが、イーロンマスクによる買収後のキュレーションチーム解雇勧告によって11月4日以降のニュース欄が更新されなくなり、Twitter上のシェアが激減したハフポスト。

その観点から、草津町に関する記事のシェアがどうなってるのか見てみましたが、多くとも300程度、ほとんどが2桁のリツイートに留まっていました。

そのことから、ハフポストに関しては、ニュースフィード欄に草津町の記事のモーメントが掲載されてブーストがかかっていたということは無かったのではないかと思われます。

TwitterJPが、その辺りは議論が湧きおこってる事案として良識を働かせたのかもしれませんし、モーメントの申請そのものが無かったのかもしれません。

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