事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

菅直人「維新には低所得者層の人達が共鳴し支持を広げたと分析。勝ち組という説も」民意を所得に紐付ける

菅直人、低所得者層、勝ち組維新

これは…

菅直人「維新には低所得者層の人達が共鳴し支持を広げたと分析」

立憲民主党の菅直人が「維新には低所得者層の人達が共鳴し支持を広げたと分析」とツイート。その見識について問われています。

そのような分析結果はただしいのか?という問題がまず来るが、一応は以下のように考えられる。

  • 分析した結果を言ってるだけ
  • 維新支持者が低所得者だと言ってるわけではない
  • 過去に低所得者を貶める発言は無い(当たり前すぎるが一応指摘)
  • が、低所得者層という分析に意味はあるの?
  • 政治家が所得による切り分けで分析する妥当性は無いのでは?

このツイートだけでもこのように言えるが、更に低所得者を貶める発言か?については、次項のように維新批判の文脈があることから考えるべき。

ヒトラー発言など、維新に否定的な文脈で低所得者を貶める発言か

菅直人は「維新は弁舌の巧みさではヒトラーを思い起こす」と発言していました。

その評価については上掲記事で論じているが、問題は維新に否定的な文脈が従前から存在していたということ。こうした背景がある中で、前掲ツイートに至るまでのツイートは以下のようになっている。時系列順にしてある。

どうだろうか。

低所得者層ではない者を「勝ち組」:維新支持層は低所得者層なのか?

その後、菅直人は「維新に共鳴したのは低所得者ではなくむしろ「勝ち組」という説、在版メデイアのよいしょ報道説など興味深い意見が満載」とツイート。

「という説」だとか「と言われている」との表現で、自分の言葉では無いから問題無い、という論調がとられる場合があるが、どこから取ってきたのだろう?

Twitterでそのようなことを言っている人を検索した程度だが、見つかったのは菅直人の「低所得者が共鳴」ツイートのリプ欄にこのツイートがあったのみ。まさかこの意見だけを見て「説」として扱っているのだろうか?また、他者の分析を利用するとしても「勝ち組」という表現は政治家なら修正すべきだろう。

そもそも維新支持層は低所得者層なのか?という点については以下のような指摘も。

大阪の政治に関する情報をデータとしてまとめているバレット氏も指摘しているように、いずれにしても選挙における投票行動に関して、政治家が所得と紐づけて論じることは基本的に不適切ではないだろうか?

政治家が有権者の投票行動を分析するための切り口として「所得の多寡」を要素にすることに意味があるのか、あるとしてもそれを公言するのは良くないだろうと。

さらに立憲民主党は(というか多くの政党は建前上)「弱者に寄り添う政治」を標ぼうするが、その党の顧問が「(少なくとも大阪において)弱者が共鳴しているのは他の党です」と言うというのは、敗北宣言にもなっているということにならないだろうか?

維新は菅直人の発言を立憲民主党に抗議しているが、鈴木宗男の発言は維新の責任?

余談だが、1月28日のBSフジプライムニュースでウクライナロシア情勢に関して鈴木宗男議員が出演していたが、冒頭からウクライナから仕掛けたことが現在の緊張状態の原因であると発言し、ドローンの性能についても誤った理解を示していた。

維新は菅直人のTwitter上での発言を立憲民主党に抗議しているが、ならば識者として出演要請され公共の電波を使って発信された鈴木宗男の発言は維新の責任とするだろうか?

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