事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

【ヤバすぎ】北村紗衣インタビューに見る矛盾:大学のハラスメントを看過しない会

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おかしい所があり過ぎるが、クリティカルな内容だけに絞って書きます。

北村紗衣インタビューに見る矛盾

北村紗衣さんインタビュー② 被害のそのあと - Don't overlook harassment at university 2022年1月29日

北村 謝罪文を頂いた時にはこれですっきり終わりにしようと思っていたのですが、謝罪文では「わたしの投稿をご覧になった方、またこの謝罪文をご覧になった方が今後も決して北村様に対して誹謗中傷を行うようなことのないよう、ご覧になった皆様にも申し入れます」ということを約束してくださったのに、それが守られていないと感じています。二次加害は全くやんでいません。先日、シラスというプラットフォームで呉座さんが歴史に関するイベントを行うという告知があり、イベントのメンバーが今回の出来事に関して呉座さんを庇う発言を続けている方々でしたので、謝罪文での約束に反した行動、つまり視聴者の二次加害を誘発するような行動をとらないでくださいという要請の文書を送りましたが、これを呉座さんは勝手に公開しました。送付した文書を勝手に公開するというのは信義にもとる行いですし、また事情を知らない人たちからの二次加害を誘発する行動で明らかに謝罪文の趣旨に反しています。この二次加害がひどすぎてわたしはまた仕事ができなくなりました。

たったこれだけの文章を引用するが、北村氏の矛盾が噴出している。

呉座氏ブログ削除(一時停止)の経緯

上掲文の前段、呉座氏の北村氏に対する謝罪文というは北村ブログで見れる
※呉座ブログでも掲載されていたが、現在は当該ページは削除されているhttps://ygoza.hatenablog.com/entry/2021/07/19/185657https://archive.fo/by9J8

※和解内容が具体的にどういうものだったのかは公になっていない模様。以下の謝罪文の掲載に留まるのか、それ以外にも呉座氏の行動を一定程度縛るものがあったのかは現時点では不明。

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後段の「シラスというプラットフォームで呉座さんが歴史に関するイベント」というのはこれ⇒歴史修正と実証主義 – ゲンロンカフェ

「要請の文書」というのは12月27日付でだされたもの⇒https://ygoza.hatenablog.com/entry/2022/01/13/170240
(※論理必然的に触れざるを得ないのでURLだけ。中身を直接見たい人は各自で手段をとってください。「念のため」として要請しているように、「和解の義務の履行を求める」ものとしての要請ではないことが明らか。)

この文書の理屈は「共演者の與那覇がオープンレターに批判的だから番組でも北村批判・オープンレター批判をするおそれがあるため、予防的に呉座氏に注意喚起する」というものだ。番組の主題が歴史に関する話であるにもかかわらず、である。

本件については弊ブログでも以下書いている。

呉座勇一ブログ記事削除「與那覇はオープンレター批判者だから一緒に番組で中傷するな」北村紗衣代理人弁護士通知書 - 事実を整える

上掲記事が削除された経緯の呉座氏による説明は現時点で以下

凍結につきまして - 呉座勇一のブログ

(1/28追記:当記事は、はてな運営からプライバシー侵害の疑いで公開停止要請が出され、一時非公開としていました。当記事が非公開になったことに北村紗衣氏が困惑していると知人から教えてもらい、その旨をはてな運営に伝えたところ公開許可となりました。皆様にはご心配をおかけ致しました)

一連の凍結・削除・非公開・再公開などにつきまして - 呉座勇一のブログ

本件経緯につきましては、

ネット上で事実誤認や誹謗中傷が広がっている状況を考慮して、

週明けに、はてな運営から経緯説明があるとのことです。

なお、はてな運営の一連の対応につきましては、

個人的に疑問に思う部分もございますので、

はてな運営の説明を見た上で、

当方の見解も述べたいと思っております。

北村氏による説明ツイートは以下。

このように、著作権及び著作者人格権の侵害を理由としている。

こちらは呉座氏ブログ記事の削除要請の根拠とは解されない書き方だが…(後述)

和解で永久的な義務を負わせているという恐ろしさ

北村氏が「約束が守られていない」というのは、二次加害、ということを気にしている点や呉座氏本人の言動から見ても、「ご覧になった皆様にも申し入れます」という部分を問題にしているとしか思えない。

本来、ここでの「申し入れ」とは、謝罪文を見た人へのその場での要請であり、その後のあらゆる場面での注意喚起をする趣旨とは解されない。そんな永久的な義務を負わせる効果をこの謝罪文に認めるとするなら、およそ不合理(範囲の不明確さ・広汎さ・期間の長さ等)だからです。また、謝罪文から「二次加害を誘発するような行動を取らない約束」が導けるのか(謝罪してるのは呉座氏本人による誹謗中傷で、誰かにけしかけたことなどが対象になっているとは思えない)、そうだとしてそれはどういう行動なのか?が不明確です。

しかし、北村側はそのように解しているようです。

通知文書の公開は和解の趣旨や要請文の趣旨に反するのか?

仮に、そうだとしても…である。

番組出演に先立って、番組出演者らや番組中にネット上でコメントを書き込むであろう支持者らに対して、北村氏との騒動に加えてオープンレターに関する言及をしないこと、話を振られても応じないと宣言すること】は、北村氏の求める「ご覧になった皆様への申し入れ」そのものではないか。

ならば、それは和解の趣旨や12月27日付の要請文書の趣旨に適う方法だろう。

「代理人弁護士からの通知書を公表する必要は無い」と言うかもしれない。

しかし、呉座氏のブログを見ている人に事の経緯(北村氏への誹謗中傷やオープンレター関連の話)を説明するには、それしか方法はない。既に和解している事案において、呉座氏自身に和解違反の兆候も北村氏への誹謗中傷の兆候も見られないのに、まったくその事案とは関係の無い歴史について語る番組に関して、突如として呉座氏からブログの読者に「私は北村関係に触れません。これを見た人も触れないように」などと言うのは、明らかにおかしいでしょう。

北村氏がこの行為すら「信義にもとる行い」「二次加害を誘発する行動で明らかに謝罪文の趣旨に反して」と言及しているのは、本当に意味が分からない。「誹謗中傷はしません(これを見ている人も先方がこう言っていることだし注意してね、という含意があろう)」という宣言が「二次被害誘発」になると予測するのは至難の業だろう。

番組出演後、その役割を終えたために呉座氏がブログから記事を削除するのは理解できるし、それを北村側から求めるのであれば一応の納得はする。しかし、最初から文面を公表することすら「信義にもとる行い」とするのは、筋が通らない。

(以下は北村氏のツイートによればという事で書く。はてなからの要請の根拠は「プライバシー侵害の疑い」となっており、週明けのはてな運営から説明を聞いてから正式に触れる。)ここで、北村氏の代理人弁護士の主張は「著作権」が根拠だったことに留意すべき。どういうことかというと、私信の無断公開=プライバシーの問題とはしていないようなのです。ですから、この次元では根拠に欠けると思ったため、苦し紛れに「著作権」を根拠にしたと考えられる。代理人弁護士のレベルでは「信義にもとる行い」というのは難しいと感じたか。

※追記:2月5日、呉座氏が経緯の説明記事を公開

①谷村弁護士個人からの著作権・著作者人格権違反の指摘⇒これを放置していたためブログが「凍結」され、ブログ記事削除で対応し、「凍結」が解除。
なお、やはりプライバシー侵害の指摘は無し

②はてな運営からの要請メールの文面の公開に対する名誉毀損やプライバシー侵害の指摘⇒これを理由とする「公開停止」

呉座氏のブログが「公開停止」になったのは②が原因だったとしています。これについては北村側の関与は無いとしています。

はてな運営の説明に対して - 呉座勇一のブログ

-追記終わりー

こうした筋が通らない余りにも過大な要求をし続けるのは、それ自体が和解違反のおそれすら出てくるのではないだろうか。そのような態度がオープンレターへの信頼性を毀損しているのであって、その責任は本人にある。

以上:はてなブックマーク・ブログ・note等でご紹介頂けると嬉しいです。