悪質な記事でした。
琉球新報「沖縄にひどい騒音なかった 岸防衛相が発言」
「沖縄にひどい騒音なかった」岸防衛相が参院予算委で地元岩国引き合いに発言 2022年6月1日06:30琉球新報
【東京】沖縄の日本復帰50年の節目を受け、5月30日の参院予算委員会で、基地の騒音被害について、岸田文雄首相と岸信夫防衛相ら関係閣僚が現状認識を問われる場面があった。岸田氏は「複数回ものすごい爆音に直面した」と述べたのに対し、岸氏は地元の岩国基地における騒音被害のひどさを指摘した上で「沖縄ではそんなにひどい騒音はなかった」との認識を示した。
有田芳生氏(立憲民主)は30日の参院予算委で「変わらぬ基地 続く苦悩」と50年前と同じ見出しとなった本紙の5月15日付紙面を紹介し、「これが沖縄の現実だ」と指摘。その上で岸田氏、岸氏、林芳正外相にそれぞれただした。 岸田氏は「現地に住む方にとってどれほどのものか、思いを巡らさなければならない」とも述べた。林氏も「(沖縄で)大きな爆音の経験をした記憶がある。岩国基地でも同様の経験をした」とした。
岸氏は31日の記者会見で答弁の真意を問われ「(視察時)たまたま天候の問題もあって戦闘機があまり飛んでいない日だったため、肌で感じることはなかった。普天間飛行場や嘉手納基地周辺の地元首長から直接、現場の声を聞いた。騒音は周辺住民の方にとって大変深刻な問題で、軽減を図ることは重要な課題だと考えている」と説明した。(安里洋輔、明真南斗)
2022年5月30日の参議院予算委員会における岸信夫防衛大臣の発言について、琉球新報が問題発言があったかのように報じています。
これは悪質な記事です。
琉球新報の捏造か誤報か印象操作か「個人の体験」を問うた有田芳生
この答弁は、立憲民主党の有田芳生議員が、琉球新報の50年前の記事「変わらぬ基地 続く苦悩」と同じ見出しの今年の記事を引き合いに出しつつ、以下の質問をしたことに対応したものです。
有田芳生議員 正式に質問通告はしていませんけれども、単純な話ですから、総理外務大臣防衛大臣、お答えください、何度も沖縄に行ってらっしゃると思いますけれども、目の前の人と会話をしているときに、米軍機が飛んできて、会話ができないという経験を、3人の方、されたことはありますか。
つまり、「個人の経験」を問うた質問なわけです。
岸信夫防衛大臣 沖縄には参っておりますが、沖縄ではそんなにひどい騒音といのはなかったんですが、わたくしの地元の岩国基地周辺におきましては、様々な経験をしております。耳をつんざくような音とか、非常に体に響くような重低音で、目の前の方との会話も遮られると、いうような経験をしたことがあります。
このように、岸信夫個人が過去に体験した事実について語っているに過ぎません。
琉球新報が書いたような「現状認識」については、この場面では聞かれていませんし答えていません。
それを、琉球新報の記事は、「沖縄における一般的な事実」に関する言及であるかのように報じているのです。
これは「捏造」と評価してよいものかわかりませんが、少なくとも悪質な「印象操作」であることは間違いありません。
SNSでは、岸防衛大臣に対して「ふざけるな!」という反応がみられます。
質問をした有田議員は、その場では問題視していませんでしたし、ほかの議員からも疑問の声が上がることはなかったにもかかわらず。
「沖縄にひどい騒音なかった」 岸防衛相が参院予算委で地元岩国引き合いに発言 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト https://t.co/nbGaEnlv8z▼PFAS問題でも健康被害はないと断言した答弁も大問題です。防衛大臣の資格なし。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2022年5月31日
しかし、有田議員はこの記事をシェアして問題視しています。
林芳正外務大臣の発言「爆音を体験させていただいた」を改変している琉球新報
実は、琉球新報は林芳正外務大臣の発言を改変しています。
林芳正外務大臣 防衛大臣時代に沖縄を訪問させていただきまして、基地の視察をさせていただきました。その時にも大きな爆音を体験させていただいた記憶がございます。
琉球新報の記事は以下。
林氏も「(沖縄で)大きな爆音の経験をした記憶がある。岩国基地でも同様の経験をした」とした。
「体験させていただいた」という言い回しに引っかかるものを感じる人は多いと思います。琉球新報もそれを認識したのか「経験をした」に改変しています。
もちろん、このような改変は、意味するところが同じなので通常はまったく問題視されるべきではないレベルです。
しかし、岸防衛大臣の発言の趣旨を歪めておきながら、他方で林大臣の発言の側を不利にならないように改変しているということは、何らかの意図を感ぜざるを得ないものと言えるでしょう。
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