事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

日本クルド文化協会『「日本人死ね」は事実誤認』実際には「精神病院に行けレイシスト」

認知戦で戦えるのか?

日本クルド文化協会『「日本人死ね」は事実誤認』

2月19日、一般社団法人日本クルド文化協会が、拡散されている埼玉県川口市内で撮影された動画に関して『「日本人死ね」は事実誤認であり、発言内容は「病院に行け、病院に行け、レイシストは精神科に行け」である』という説明をする投稿をしました。

まずは事実関係と経過を示します。

日の丸街宣倶楽部「クルド人は日本から出ていけ」デモへのカウンター

2月18日にこの動画が投稿されたことが発端。

「日の丸街宣倶楽部」が街宣している様子を映しており、その中で「クルド人は日本から出ていけ」という発言がデモ行進中に行われています。

※追記:横断幕には「自爆テロを支援するクルド協会は日本にはいらない」と書かれています。「テロ支援者を擁護する自民党議員を許さない」とも言っています。
※主張されている事実関係の正誤についてはここでは調べていません。

実際の発言内容は「病院に行け病院に行け精神病院に行けレイシスト!」

この音声については私の相互フォロワーさんが解説しているので以下添付します。

問題とされる発言は、このデモ行進に対する一種のカウンターとして為されたものと言え、実際の発言内容は「病院に行け!病院に行け!精神病院に行けレイシスト!」というものです。

なお、「警察に対する発言」と誤認してる者も見られましたが、警察はデモ行進の安全と交通整理のために警備してるだけで、発言も警察が対象とは理解すべきではないでしょう。

「日本人死ね」であるとして拡散された発端は2月18日の22時の石井孝明氏の投稿のリプライ欄から

https://archive.is/IyzZ2 https://archive.is/xPeOK https://archive.is/n8yD9

発言が「日本人死ね」であるとして拡散された発端は2月18日の石井孝明氏の投稿のリプライ欄からです。

これを見ると、石井氏も当初は発言内容を気に留めていなかったが、リプライ欄等で『「日本人死ね」とまで言っている』と言われ、18日の22時に改めて以下投稿した、という経過が見て取れます。

これ以降、「日本人死ね」と言っているものとして理解する投稿が相次ぎました。

なお、他にも動画内に「日本人死ねと言っている?」という文字が付加されたものを投稿しているのがみつかりますが、時系列的に後の投稿でした。

予め提示された言葉通りに音声を認識する確証バイアス「音声をすり替えた」も事実誤認

今回の事案を敢えて評価づけるなら、「確証バイアス」と呼ばれてる、自分が既に持っている先入観や仮説を肯定するために、それに沿った情報ばかりを集める傾向性によって認識された結果の悲劇と言えると思われます。

X上のポストの内容や動画内の文字に「日本人死ねと言っている」とあることで、そう言っていることを確認する目的で動画音声を聞いた結果、そのように認識してしまったということでしょう。

私自身も、そう聞こえるかどうかを調べるために換気扇の近く、つまりはノイズ環境で聴いてみましたが、動画のシークバーのタイミングとして「病院」の"b"の発音の後のタイミングから再生すると、そう聞こえるように感じる瞬間がありました。

なお、「音声をすり替えた」と主張する者も居ますが、そんな事実は無く事実誤認です。発端となった音声・動画については既に示しました。

「説明文に引っ張られて音声を理解する」という性質を利用した認知戦・情報工作について

本件がどうかは知りませんが、一般に「説明文に引っ張られて音声を理解する」という性質を利用した情報工作は、ごくありふれたもの・常套手段です。マスメディアも多用しています。

例えば、テレ朝は以下の工作をしていました。

こうした認知戦工作に対する耐性を身につけておくべきでしょう。

以上:はてなブックマークをおねがいします。