認知戦で戦えるのか?
- 日本クルド文化協会『「日本人死ね」は事実誤認』
- 日の丸街宣倶楽部「クルド人は日本から出ていけ」デモへのカウンター
- 実際の発言内容は「病院に行け病院に行け精神病院に行けレイシスト!」
- 「日本人死ね」であるとして拡散された発端は2月18日の22時の石井孝明氏の投稿のリプライ欄から
- 予め提示された言葉通りに音声を認識する確証バイアス「音声をすり替えた」も事実誤認
- 「説明文に引っ張られて音声を理解する」という性質を利用した認知戦・情報工作について
日本クルド文化協会『「日本人死ね」は事実誤認』
日本の皆様へ。…
— 一般社団法人日本クルド文化協会 Japan Kurdish Cultural Association (@nihonkurdish) 2024年2月19日
2月19日、一般社団法人日本クルド文化協会が、拡散されている埼玉県川口市内で撮影された動画に関して『「日本人死ね」は事実誤認であり、発言内容は「病院に行け、病院に行け、レイシストは精神科に行け」である』という説明をする投稿をしました。
まずは事実関係と経過を示します。
日の丸街宣倶楽部「クルド人は日本から出ていけ」デモへのカウンター
【争議】レイシスト集団「日の丸街宣倶楽部」VS カウンター @蕨駅前 「クルド人は日本から出ていけ!」「ヘイトスピーチするな」
— 爆サイ.com【公式】ツイッター (@bakusai_com) 2024年2月19日
令和6年2月18日、蕨駅前で反移民デモが行われました。
クルド人やカウンターが殺到して騒然とした。
敢えて混乱させてんのか?#レイシスト #デモ #クルド人 https://t.co/jIQAER2WwV pic.twitter.com/ZfZeapYTQW
散歩で恥をかかされる人を初めて見ましたが、これを送った石さん、恥をかかされていますか?@ishiitakaaki @Sankei_news pic.twitter.com/cVmMBtwJiI
— Hudutsuz (@Hudutsuz81) 2024年2月18日
2月18日にこの動画が投稿されたことが発端。
「日の丸街宣倶楽部」が街宣している様子を映しており、その中で「クルド人は日本から出ていけ」という発言がデモ行進中に行われています。
※追記:横断幕には「自爆テロを支援するクルド協会は日本にはいらない」と書かれています。「テロ支援者を擁護する自民党議員を許さない」とも言っています。
※主張されている事実関係の正誤についてはここでは調べていません。
実際の発言内容は「病院に行け病院に行け精神病院に行けレイシスト!」
この音声については私の相互フォロワーさんが解説しているので以下添付します。
クルド人男性の「病院に行け、病院に行け、精神病院に行けレイシスト」と叫んでいる音声が「日本人〇ね」と聞こえてしまうと話題になっている動画を通常再生、スロー再生、音声を細かく切りリピートと分析しやすいようにしてみました。
— MAYBE이 (@BEMAYBE2) 2024年2月20日
拡散して頂けると幸いです。#拡散希望 pic.twitter.com/SPSKC4I0Nd
問題とされる発言は、このデモ行進に対する一種のカウンターとして為されたものと言え、実際の発言内容は「病院に行け!病院に行け!精神病院に行けレイシスト!」というものです。
なお、「警察に対する発言」と誤認してる者も見られましたが、警察はデモ行進の安全と交通整理のために警備してるだけで、発言も警察が対象とは理解すべきではないでしょう。
「日本人死ね」であるとして拡散された発端は2月18日の22時の石井孝明氏の投稿のリプライ欄から
あのー、私は極右も極左も不法滞在クルド人も、川口に来るなと言っています。そしてクルド人は、日本人で騒ぐな#川口に平和を・政府は強制送還を https://t.co/m9Bxbp2e3U
— 石井孝明(Ishii Takaaki) (@ishiitakaaki) 2024年2月18日
「日本人死ね!日本人死ね!精神病院行け!!」と拡声器で言ってるトルコ人がいるが、流石に聞き捨てならない発言
— ぱみゅ父 (@pamyufather) 2024年2月18日
公安・警察は、何してるのか、彼らを放置って如何なのものか
大野埼玉県知事、奥の木川口市長、新藤義孝経済再生大臣、
和田政宗クルド議連幹事長は、公式見解を
朝鮮総連も差別ではなく区別なんですよね
— saipan (@saipantou) 2024年2月18日
日本において法を守り
日本を好きなら
居ても良いですが
日本を嫌いで、法を守らない
ましてや「日本人死ね」とまで言っている人たちは自分たちの国へ帰れ!
https://archive.is/IyzZ2 https://archive.is/xPeOK https://archive.is/n8yD9
発言が「日本人死ね」であるとして拡散された発端は2月18日の石井孝明氏の投稿のリプライ欄からです。
これを見ると、石井氏も当初は発言内容を気に留めていなかったが、リプライ欄等で『「日本人死ね」とまで言っている』と言われ、18日の22時に改めて以下投稿した、という経過が見て取れます。
おい、クルド人、29秒から、「日本人死ね」と言っていないか。これは聞き捨てならない。お前らは不法滞在者なのに何を、偉そうなこと言っているのだ。そんなことをいうなら帰れ。言わなくても犯罪者は帰れ https://t.co/m9Bxbp2e3U
— 石井孝明(Ishii Takaaki) (@ishiitakaaki) 2024年2月18日
これ以降、「日本人死ね」と言っているものとして理解する投稿が相次ぎました。
なお、他にも動画内に「日本人死ねと言っている?」という文字が付加されたものを投稿しているのがみつかりますが、時系列的に後の投稿でした。
予め提示された言葉通りに音声を認識する確証バイアス「音声をすり替えた」も事実誤認
今回の事案を敢えて評価づけるなら、「確証バイアス」と呼ばれてる、自分が既に持っている先入観や仮説を肯定するために、それに沿った情報ばかりを集める傾向性によって認識された結果の悲劇と言えると思われます。
X上のポストの内容や動画内の文字に「日本人死ねと言っている」とあることで、そう言っていることを確認する目的で動画音声を聞いた結果、そのように認識してしまったということでしょう。
私自身も、そう聞こえるかどうかを調べるために換気扇の近く、つまりはノイズ環境で聴いてみましたが、動画のシークバーのタイミングとして「病院」の"b"の発音の後のタイミングから再生すると、そう聞こえるように感じる瞬間がありました。
なお、「音声をすり替えた」と主張する者も居ますが、そんな事実は無く事実誤認です。発端となった音声・動画については既に示しました。
「説明文に引っ張られて音声を理解する」という性質を利用した認知戦・情報工作について
本件がどうかは知りませんが、一般に「説明文に引っ張られて音声を理解する」という性質を利用した情報工作は、ごくありふれたもの・常套手段です。マスメディアも多用しています。
例えば、テレ朝は以下の工作をしていました。
こうした認知戦工作に対する耐性を身につけておくべきでしょう。
以上:はてなブックマークをおねがいします。