町そのものを貶めるとか公職者として最悪だろう
福島みずほ「草津は女性排除のためにリコール」
2020/12/13にUPされた、石川優実×大椿ゆうこ×北原みのり×菱山南帆子×笛美×福島みずほによるWEB鼎談。
当時、この中で草津町の事案に関する発言が大椿ゆうこ、北原みのり、菱山南帆子、福島みずほ各人らからありましたが、最も先鋭的なことを口走っていたのが社民党党首の福島みずほ参議院議員でした。
やっぱり性暴力を訴えた女性が何百倍で叩き潰されるっていうのが、だから性暴力を言えない、やっぱり同じように性暴力を訴えて耐えてきた女性もいるけれども、それを応援するときに、一歩間違えると、この人、いろんな所で叩かれるかもっていう心配をまずしなくちゃいけないわけじゃないですか。だから物凄く性暴力を訴えることがリスクなわけですよね。そして昨日か、東京新聞が特集で特報でやってたけれども、やっぱり除名に関しては県がそれは違うよって言ったわけじゃないですか。その次にリコールをやるわけだけれども、普通リコールって、東京新聞がちゃんと書いてくれてたけれども、リコールってたとえばIRを推進する首長をリコールするとか、こんな箱物だったりお金の使い道とかやり方がおかしいっていうふうに、首長などをリコールするのが普通、住民の権利としてのリコールなんだけれど、草津の場合は、町長や議長やそういう権力者が、その女性を排除・潰すためにリコールを使っているっていう感じがして、それがなんか本当にリコールっていう制度を、やっぱり違うように使っているというふうにも思うんですよ。そしてやっぱり性暴力を訴えると、加害を訴えられた男性が、僕の方が被害者ですみたいな感じになるとか、それからやっぱり共同体の中で、さっき北原さんも仰ったけれど、共同体の中でこういう風に公開処刑じゃないけどいじめが、しかも公然と行われる、税金使って場所使って議会を使ってっていうのに、やっぱりミソジニー、一言で言うとミソジニー、女性差別・女性嫌悪が、もうほんとに集団として起きているっていう感じがするので、この件だけじゃなくて全国的にやっぱり女性が一人しかいないところで、すごく女性が叩かれるっていうことがあるわけですよね。だからそういうことを無くす、いや、社会の中で女性差別があるという裏返しではあるけれど、こういうことを変えないと、意思決定の場になんかほんとに女性が居ない、本当に女性がゼロ、女性が一人しかいない議会を合わせると45%、半分だとすれば、本当にほとんど女性が居ない場所で物事が決められているわけじゃないですか、条例とか町のことがね。それがやっぱり極めて異常で、こういうミソジニーをやっぱり克服し、やっぱりそれはミソジニーだって言って、女性差別だ、女性嫌悪だ、女性嫌悪だって言って止めさせないといけないですよね。私自身もこれに対応するのが非常に遅れてしまったなぁという思いはちょっとあるんですけれどもね、今回の草津の件で。
「共同体の中でいじめ、ミソジニー、女性差別が集団として起きている」?
福島みずほ議員は「共同体の中でいじめ、ミソジニー、女性差別が集団として起きている」などと言っていましたが、その根拠事実として
- 群馬県草津町においては権力者によるリコール請求
- 性暴力を訴えると、加害を訴えられた男性が、僕の方が被害者ですみたいな感じになる
- 議会の女性比率の低さ(0人or1人の議会が日本社会で45%)
こういうことが言われてるわけですが、1番に関しては次項で指摘するとして、2番は当時の時点でも黒岩町長が悪いという決めつけが為されており、そうでないならば「僕の方が被害者です」という主張には何ら問題が無く、国会議員という公職者として国際人権規約B規約14条2項や刑事法における「無罪推定原則」に反した言動でしょう。
3番は意味不明すぎます。そもそもどの程度の女性が議員希望なのか。
1番は論評の妥当性の問題ですが、草津町の議会や町民によるリコールについて福島議員が「共同体の中で公然といじめ、公開処刑が行われる。これはミソジニーだ女性差別女性嫌悪だ」などと言っているのは、草津町に対する暴言以外の何物でもないでしょう。
新井祥子に対する議会の除名処分とリコール運動の方法論について
詳細は上掲記事に書いていますが、新井祥子議員(当時)の除名処分の動議の提出理由は、議場内での「肉体関係発言」と「時間湯問題に関する町長の姿勢を正したかったため、との記述」の二つです。
また、除名処分という方法を採るに至った「経緯」として
- 新井氏が「私以外に何人もの女性が被害に遭っている」と根拠無く発言
- 新井議員は「町長室の模様替えによって証拠隠滅を図った」と発言するも、模様替えの事実を示す証拠の提示が全く無い
⇒明確な虚偽 - 問題著書の作者から刊行前に群馬県知事にメールで本巻の刊行取り下げと引き換えに黒岩町長に時間湯復活の提言をして欲しいと送信
⇒政治的取引の道具として利用している事を示唆する事情
こうしたことが明かされています。
結局、この除名処分は、2020年2月に執行停止、その後、草津町出身の山本一太群馬県知事のもと、群馬県自治紛争処理委員によって取消しの決定がなされています。
リコールに関して以下の問題があると指摘されていますが…
- リコール請求の発起人が議長名義であり、制度趣旨からしておかしいのでは
- 裁判の結果が出てからやるべき
- 新井議員のリコールを求める内容のポスターを公共施設で掲示したのは偏頗的
1番は理想論としては公職者以外の者からやるべきでしょうが、公職者が発起人になることが制度趣旨に反するとまでは言えません。今年の11月11日に黒岩町長が記者会見で語ったところによれば、住民の名前でやると嫌がらせが来ることが予期されるという心配の声があったようです。
2番ですが、新井議員から問題提起したのに当の新井議員が民事・刑事両方の訴訟をする気が無く(なぜか2021年12月に黒岩氏に関して刑事告訴したが不起訴処分)、リコール請求前は黒岩町長から新井氏について民事刑事で訴えていたことから、非難される謂れは無いし、訴え提起でリコール回避ができてしまう。また、本件は町の風評にも影響する事案であり、一部メディアがジェンダー(と称した単なる難癖)の視点で好き勝手書いてるため、町民の利益のためにも一刻も早く決着を付けたいという考えがあったとしても正当、などなど、本件については不当な要求です。
3番は見栄えの問題であり、できれば避けた方が良かった気がすると個人的には思いますが、それが何らかの評価を左右することはないと思っています。
したがって、福島みずほ議員の言うような、「女性排除のためにリコール」「共同体の中でいじめ・ミソジニー・女性差別が集団として起きている」などという論評は極めて不当な主張です。
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