事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

【2023年版LGBT法案、自民党案】:性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案

ようやく具体的な議論ができる

2023年版LGBT法案、自民党案

古屋圭司通信 » Blog Archive » LGBT理解増進法案について|衆議院議員 古屋圭司オフィシャルサイト

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2023年版の自民党案であるLGBT法案が同党の性的指向・性自認に関する特命委員会の委員長である古屋圭司議員により明らかになりました。

5月12日、自民党の内閣第一部会・性的マイノリティに関する特命委員会合同会議で部会長一任として散会、16日の総務会で議案了承された後のことです。

内容が以下記事の過去法案のものとも変わっているのが分かります。

性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案

自民党のLGBT法案の正式名称は「性的指向及び性同一性の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案」です。

16日以降、各所で説明する議員らの投稿が現れるようになりました。

特命委員会事務局長の橋本岳議員がLGBT理解増進法案をめぐる私見: 橋本岳(はしもとがく)ブログで述べられていますが、以下の基本的な認識は押さえておきたいところでしょう。

「性的指向」および「性同一性」が多様であることという「知識」に関する国民の理解の増進を図るよう政府に求めているのであって、「性的少数者への理解」の増進を図るものではありません。そもそも、「同性愛やトランスジェンダーは病気であり治すべきもの」「自分の意志で選ぶもの」といった性的指向や性同一性に関する誤った理解が多くの当事者を傷つけていることに着目し、その対応として政府等に正しい知識の普及啓発を行うよう求めるのが、本法案の趣旨です。

 それが、「性的少数者への理解」という話になると、「当事者の方々の置かれている心情や意見を理解しなければならない」という受け止めとなり、よって「女子トイレや女子風呂にトランスジェンダー女子の方が入れるようにしなければならない」ということを政府や自治体が進めるという懸念につながることとなります。先日の会議でも、そうした受け止めを前提に話をされる方が少なからずおられた気がします。

この趣旨は、実際の条文にも現れていると言えます。

いわゆるヘイト規制法の成立に携わった西田昌司議員も以下動画を出しています。

法案の問題点の議論の前に:時系列無視と霊験によるビジネスを許さない

この法案、問題点はまだあります。

が、その前に当たり前の時系列を確認しなければならないでしょう。

自民党は平成28年には「性的指向・性自認」に関する理解増進のための議員立法の制定を目指す、と明言していました。

前掲の橋本岳議員によれば平成30年から現在の法案の原型のようなものが出来上がっていたようです。

この辺りの経緯については以下で特命委員会のアドバイザーであるNGO「BASE KOBE」代表の繁内幸治氏(追記:一般社団法人 LGBT理解増進会代表理事)へのインタビュー記事でも詳しく書かれています。
※ただし、2017年という古い時期なので法案についての説明は現在のものとは異なる部分もある

自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会の真実を直撃。 その1「なぜ自民党が特命委員会を立ち上げたのか?」 | Letibee Life

自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会の真実を直撃。 その2「理解増進法を目指す真意と、現在の状況と今後の見通し」 | Letibee Life

  • 2015年辺りに自民党市議らの問題発言が取り上げられ、議員らに性的指向等への理解を促す意味でも特命委員会が作られた
  • LGBTの陳情・相談先として野党に頼るしかなかった時代が長く続いて来た中、自民党にも拠り所が出来たことに
  • 野党案では日本の歴史を踏まえておらず、むしろ分断を生むおそれがあったために理解増進を狙いにしたものとした

この頃からの継続的な議論があったわけで、最近、アメリカのエマニュエル大使がSNS等で発言したからとか、現在のバイデン民主党政権がどうのとか、そういう動きとは無関係だったということ。

また、これらは第二次安倍政権時代の話であり、岸田政権はその流れを受け継いだだけ。2021年の議論が止まって今年また動き出したことには岸田政権の判断はあっただろうが、大きな流れは変わらない。

それを無視して幸福の科学もビックリの安倍晋三霊験話をやり出してるビジネス保守論者だとか、そういう連中が反対派の主流になってはいけない。

それが時系列や特命委員会設立の経緯からも分かるでしょう。

理想論と現状でできる反対論が語られても良いと思います。

が、時系列が無視された反対論が余りにも多いことから、それに警鐘を鳴らす者も居ます。私は、その趣旨に賛同する者です。

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