事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

中国で新型ブニヤウイルスによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の死者が発生

マダニと新型ブニヤウイルス

中国で新型ブニヤウイルスによる死者が発生したと日本メディアが報じました。

用語の整理をすれば、あまり混乱しないと思います。

中国で新型ブニヤウイルスSFTSによる死者が発生

中国で「新型ブニヤウイルス」に感染し7人が死亡 62人が感染か魚拓

中国メディアによりますと、江蘇省南京市に住む60代の女性は40度の高熱が続いてせきとだるさもあったため病院に行ったところ、新型ブニヤウイルスに感染したと診断されました。同じ病院では今年に入り、合わせて37人の感染が確認されているということです。

中国で新型ブニヤウイルスによる死者が発生していますが、これはNovel Bunya Virus という、SFTSと呼ばれるウイルスによるものです。

Novel Bunya Virusは7月に5人死亡が報道

Virus spread by ticks kills 5, sends 23 to hospital in East China's Anhui Province - Global Times

新型ブニヤウイルス=Novel Bunya Virusは7月にも5人の死亡が報道されていました。

しかし、Twitterでもこのようなニュースに触れるのはこのツイートが最初で、ほとんど拡散されていませんでした。

実は、日本国内でも毎年60~100名程度の患者が報告されています。

ダニに刺されることによって引き起こされる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A|厚生労働省

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスによるダニ媒介性感染症である

用語の整理をすると

  1. 重症熱性血小板減少症候群=Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome(SFTS)⇒感染症の名前
  2. ブニヤウイルス⇒感染症を引き起こすウイルスの科の名称
  3. SFTSウイルス⇒感染症を引き起こすブニヤウイルス科のウイルスで、2011年に「新型」として発見。今回言われているのはコレ。

ちょうど、今年流行している感染症の名前がCOVID-19、SARS-Cov-2が感染症を引き起こすウイルスの名前で、それが属するウイルス群の総称がコロナウイルスと付けられているのと同じです。

発症すると白血球の減少や体内の出血などが見られるようです。

「ダニ媒介性感染症」というのが特徴ですが、血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されています

人人感染もある「新型」だが今回新たに見つかったわけでは無さそう

ということで、「新型」=Novelと付けられていますが、今年になって新たに発見されたタイプのウイルスだという事ではなさそうです。「今年に入り、合わせて37人の感染が確認されている」と報道されていますからね。

2010年に発生したインフルエンザだって、現在でも「新型インフルエンザ」と呼んでいるのと同じことです。

新型コロナウイルスのようにその病態がまったく不明、というわけではないので、今のところは心配する必要は無さそうですが、マダニには日ごろから要注意ということです。

WHOなどの機関がどう反応するのかは要注目だと思います。

以上