事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

朝日新聞「元SEALDsの過去を隠したい者が半数・若者の声を封じるもの」「取材で何度も名前を出さないでと念を押された」取材源の秘匿とデジタルタトゥー

朝日新聞とSEALDs

あまりにも狂った記事だった

朝日新聞「元SEALDsの過去を隠したい者が半数・若者の声を封じるもの」

「隠したい」元SEALDsの過去 若者の声を封じるものは:朝日新聞デジタル

関西地方の男性(29)は昨年12月、職場のテレビを見ていて、あるニュースが目に留まった。

2023年5月2日付けの朝日新聞デジタルで「若者の声を封じるもの」というタイトルで、元SEALDsのメンバーにインタビューした内容を掲載した記事が出ました。

導入部分に登場するこの男性については

学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバー。2015年、集団的自衛権行使を認める安全保障関連法案に反対する国会デモにも参加した

「自分の名前をネットで検索すると、マイクを握る8年前の動画が出てくる」

 取材の別れ際、何度も念を押された。
 「記事にする際は、名前も職業も書かないで下さいね」

などと書かれていました。

そして、10人を超える元メンバーに取材したが、その半数以上が、かつての活動を「隠したい」と答えた、としています。

もはやツッコミどころしかない記事です。

「ネット上のバッシングや嘲笑」⇒主張がおかしいから批判されただけ

この記事はタイトルこそ「若者の声を封じるものは」とありますが、文末に同趣旨の元メンバーの発言があるだけで、朝日新聞自身の主張として書いてはいません。

いつもの「第三者に自社の言いたいことを語らせる」手法で逃げを図ってるわけです。

無料部分でも読める岩尾真宏(朝日新聞名古屋報道センター次長)のコメントも物語っているでしょう。

「にぎやかにモノを言い合える社会」ですか。

ならば批判も賑やかに行われていたんじゃないんですか?

「ネット上のバッシングや嘲笑」などと書かれていますが、その主張がおかしいから批判されていただけで、「若者の政治的主張・デモ」だからおかしいだとか無視しろだとか、そういう短絡的な若者排除の論調は存在しなかった。

記事中、デマの被害に触れられていますが、ネット上の日常風景であり、特段SEALDsに対してだけ発生していた現象ではない。最底辺の言動に走る者をメディアが殊更に取り上げ、悲劇のヒーロー/ヒロインとして祀り上げるというのもよくみた風景。

そしてそれを「正当な主張がバッシングを受けている」かのように報じるメディア。

こういったムーヴはネット上に満ち溢れていますが、何ら世の中に寄与しない。

取材の別れ際、何度も念を押された「記事にする際は、名前も職業も書かないで」取材源の秘匿が…

「◇」までの導入部分は、冒頭の「関西地方の男性(29)」が語っているようにしか読めない。

『取材の別れ際、何度も念を押された「記事にする際は、名前も職業も書かないで」』とまで書かれているが、この取材対象者が誰なのかをある程度想像できてしまう情報が山盛りです。

  • 関西地方の男性(29)
  • 2015年、集団的自衛権行使を認める安全保障関連法案に反対する国会デモにも参加した
  • 名前をネットで検索すると、マイクを握る8年前の動画が出てくる

8年前なら21歳。浪人していなければ大学の三回生に当たる年齢です。

国会デモでSEALDsメンバーが演説する動画は検索すれば簡単に出てきます。

マイクを握る際に自己紹介まで丁寧にしているので、誰がこの取材対象者なのか、この属性に該当する者としては、おそらく多くても2人程度まで絞れてしまうでしょう。

仮に記事中で対象者の属性について虚偽を含めたりしてぼかしているのなら、その属性に該当する者への誤認・風評被害を与えるものでしかない。

朝日新聞は、【取材源の秘匿】なんておかまいなしの記事を書いて、何がしたいのか?

名誉毀損訴訟における同定可能性の話をしているのではない。

取材対象者に「これもしかしてお前か?」という嫌疑がかけられないようにしなければならない。論理の上では特定できないから良いというものではない。

やはり、メディアは「反政府活動をする若者」を盾にして腹話術し、エンタメとして使い捨てていた、そして解散した現在も彼らを使ってアクセス稼ぎしている。

追記:若者が表に出て声を上げることが無くなったのだとすれば、メディアや活動家界隈が散々使い捨てて来たからでしょう:追記終わり

朝日新聞で「SEALDs」と検索してみてください。

どれだけSEALDsを持ち上げていたか。

それにより「元SEALDsだった」ことで利益を得ている者も少なからずいるわけです。

デジタルタトゥー?忘れられる権利?許可得た政治デモでマイク握ったくせに今さらダサすぎんだろ

冒頭の男性の弁として「職場の人に知られたらどう思われるだろう。」「声を上げた自分を今でも誇りに思う。ただ、街頭に立つことはもうないでしょうね」という記述もありました。前者の発言は記事の文章の文脈からは「知られたくない」という雰囲気しか読み取れない。

許可得た政治デモでマイク握ったくせに何を言ってるんだろう?

しかも「今でも誇りに思う」と本当に思っていたなら言わないセリフだろう。

「自分のやったことは不十分だったかもしれないが間違ってはいない」という感じだろうか。この期に及んで「デジタルタトゥーを消したい・忘れられる権利を行使したい」かのような態度。朝日新聞の不注意で職場の人間にバレたとしても、自業自得だろう。

こうした未成熟な人間を表舞台に引きずり出してしまった当時の大人の責任もあるでしょう。それは小林よりのりの新・ゴ-マニズム宣言スペシャル脱正義論/で描写されたときから何も変わっていない。

「若者の政治活動・政治参加」を使い捨ての道具として扱いエンタメとして搾取するメディアの体質の認識は、適切な被選挙権年齢を考える際にも重要だろうと思われます。

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