事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

昭和天皇の部分を訂正し動画再投稿:ウクライナ政府「前のバージョンの誤りを謝罪します」

ウクライナ政府が昭和天皇をヒトラーと並べファシズムとナチズムは倒された

削除・訂正・謝罪がありました。

昭和天皇の部分を訂正し動画再投稿:ウクライナ政府「前のバージョンの誤りを謝罪します」

ウクライナ政府公式Twitterアカウントから4月1日に投稿された動画の一場面で、昭和天皇とヒトラー・ムッソリーニを並べ、更にはプーチンと同列に比較する表現があったことについて、4月24日に多くの日本人から抗議・説明・削除依頼がありました。

私も、歴史的事実からは比較不相当であることから実態に沿う修正をするべきだと説明しました。

外務省からの抗議もありました。

それらを受けて、同日深夜に動画が削除され、修正されたバージョンがUPされました。

ウクライナ政府公式は「前のバージョンのビデオの誤りについて心から謝罪いたします。親愛なる日本人を攻撃する意図はありませんでした。新しいビデオでは誤りを修正しています。」と投稿。

ウクライナ政府公式動画

なお、直後のプーチンの顔写真がある場面のテロップ"rashism"が"ruscism"に変更("racism"と"russia"を掛け合わせた造語か)されているのが分かります。

なお、Instagramのアカウントの方は未だ差し替えが為されていませんが、いずれ修正されると思われます。

追記:削除されました。

外務省が対応:佐藤正久議員へのリプライ、中日ウクライナ大使らなどの働きかけ

本件については自民党の佐藤正久議員等が外務省に申し入れをしていました。

そのこともあってか、動画の返信欄での投稿に先立って、佐藤議員のツイートへのリプライにおいて、ウクライナ政府公式の謝罪のツイートがありました。

本件に関しては駐日ウクライナ大使のコルスンスキー氏が抗議して訂正を求めるなど、異例の展開を見せています。

在ウクライナの日本人や日系人も抗議していたのをSNSで見かけました。

もっとも、気になる投稿が。

あまり額面通りに受け取るのは避けますが…

「動画を作っているのはボランティアで、あれは公式見解じゃ無い」というのは、「動画全般のメッセージとは異なり、動画内の一場面の特定人物に関する事実認識や評価は公式見解ではない」ということの可能性は無いのでしょうか?

あのアカウントから発せられる事は公式見解、公式の意思として発せられたものである、という体裁は崩してはならないハズ。

しかし、動画制作を依頼して、その内容の全てが必ず公式見解となるのではなく、チェックが届いてなかった、という事ではないか。

あいちトリエンナーレ2019で昭和天皇の御尊影を燃やして灰を踏みつけるシーンが含まれていた動画(20分以上あったらしい)が展示された例のように、展示そのものの「公式の承認」は得ているけれども、その中の細かい表現の事実関係や評価、主張までもが公式が自己の見解として主張している、ということではない場合は有り得る。

※追記:4月25日10時前に、在日本ウクライナ大使館公式アカウントが「@Ukraineは現在はウクライナ政府とは関係が無い」とツイートしました。

ウクライナ政府へのロシア侵略に対抗するための支援と本件の対応について

さて、本件によって「これではウクライナを応援できない」というアカウントが散見されます。しかし、そうした言説は、日本にとっても好ましくありません。

以下の指摘が妥当します。

ウクライナが勝利することが、ソ連時代からのロシアの影響を受けてきた歴史観を転換させることになるハズです。

個人の気持ちレベルで無理に応援するようなことはする必要は無いですが、これを機にロシア側の言説に傾くというのは、日本国のためにならないでしょう。

もちろん、日本側が何もしないで期待だけするのではなく、今回のように根気強く主張していくことが必要だろうと思います。

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