事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

全国フェミニスト議員連盟、戸定梨香に関する公開質問状から逃亡?「警察が勝手に削除」

全国フェミニスト議員連盟が不可解な主張をしています。

松戸市の戸定梨香交通安全PR動画の経緯

  1. 松戸市の交通安全PR動画としてVtuberの戸定梨香が出演
  2. 全国フェミニスト議員連盟が「女児を性的対象」「性犯罪誘発」と抗議する声明文を千葉県警、松戸市教育委員会等を名宛人にして公表
  3. 警察側UPの動画が削除(VASE公式や戸定梨香側では維持)
  4. 9月10日、フェミ議連の主張に反論し、9月24日を回答期限とした公開質問状の形でのネット署名が発足(戸定梨香・運営会社社長らと協議の上だが署名上には記載無し)
  5. 4万筆弱が集まった時点でおぎの稔 氏(東京都大田区議会議員)から(おそらく当該HPを)公式メールアドレスに送付という形でフェミ議連に提出
  6. フェミ議連が戸定梨香に関する話題について「個別には回答しない」との声明を公式HPにUP←イマココ

署名一週間で4万筆。全国フェミニスト議員連盟からの回答は? | おぎの稔 | 大田区議会議員 公式HP

千葉県警察による削除理由について参議院議員の藤末健三議員が確認したところ、フェミ議連の言うような性犯罪誘発の懸念ではなく「本来の目的と異なる意図で伝わることは本意ではないため」でした。

公開質問状に対する松戸市教育委員会と千葉県警の回答

松戸市教育委員会の戸定梨香に関する公開質問状への回答

千葉県警の戸定梨香に関する公開質問状への回答

公開質問状に対する松戸市教育委員会と千葉県警の回答ですが、いずれも「女児を性的対象」「性犯罪誘発」については認めていません。

松戸市教育委員会は仮定的に「人権が侵害されるような場合には」と書いてますが、戸定梨香動画との因果関係の想定を認めてはいません。

フェミ議連、戸定梨香に関するネット署名の公開質問状から逃亡?

千葉県警本部、松戸警察署、松戸東警察署、千葉県、松戸市、松戸市教育委員会宛の公開質問状を提出。およびその回答について。2021年9月18日 全国フェミニスト議員連盟

千葉県警等に提出した抗議ならびに公開質問状にご関心をお寄せいただいた皆さまへ
提出した文書は、公的機関としての認識を問うたものです
当該動画の掲載も、削除も、ともに千葉県警によるものです。
現在、多数のメール等が多種の内容で寄せられており、個別に回答は致しかねます。悪しからずご了承ください。

フェミ議連HPにはネット署名の公開質問状から逃亡するかのような記述が。

24日の回答期限はまだ経過していないのですが、「個別には回答しない」などと書かれると、ネット署名についてもスルーすると言っているかのように見えます。

確かにフェミ議連による公開質問状の名宛人は千葉県警・松戸警察署長(松戸東警察署長)・千葉県知事・松戸市長・松戸市教育委員会なのです。

しかし、Vtuberプロジェクト「VASE」や戸定梨香運営会社の"Art Stone Entertainment"とその社長である板倉節子氏らの名前が署名の賛同者欄に無かったとしても、国民有志としてフェミ議連に対する公開質問をしたのだから、道義的な回答義務が生じているでしょう。

書面による通知ではなく電子メール送信だから正式な公開質問状とは受け取らなかったという理屈だとしたらあまりに異常です。契約の意思表示に関する民法の規定が電子メールを念頭に改正された現代なのですから。

警察が自主的判断で削除したのだから我々は関係ない?

また、フェミ議連は動画削除に関しては「千葉県警によるものである」などと、至極当然の事実関係を敢えて記述しているのですが、その意味は何なんでしょうか?

まるで「自分たちの抗議で削除させたのではなく、警察の自主的な判断だった」とでも言いたげです。「謝罪」まで求めていたのに不可解な記述です。

こうした物言いは、活動家らにおいてよくみられる論法です。

たとえば百田尚樹の一橋大学学園祭における講演会の中止を求めてきたARICの梁英聖は『中止を決めたのは学内の実行委員会であり「外部からの圧力」ではない』などと言い放っていました。

戸定梨香運営会社への名誉毀損や侮辱、偽計業務妨害にはなり得るのか?

なお、Vtuberに対する誹謗中傷が運営会社への名誉毀損や侮辱になり得るのではないかということを上掲記事で書いています。

偽計業務妨害罪の成立を述べる者も居るのですが、これは「虚偽の風説の流布」(客観的真実に反する事柄を伝播させることと一般に理解)にあたるかが争点と思われます。

本件では戸定梨香のキャラクター造形が存在する事実は客観的に明らかであり、それに対する「性的対象物化」といった評価に関わる主張が問題視されている点で、どのように判断されるか、といったところでしょう。
参考:東京地判昭和49年4月25日(食品添加物AF-2の有害性について確実な資料・根拠を有しないまま著書で主張したことが「虚偽の風説」に当たるとされた事例)

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