事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

維新梅村みずほ議員「報道各社の皆様にはぜひ今日の葉梨大臣の全文を発信していただきたい」:死刑のはんこ発言に関して

国会質疑と単なる妨害の違い

維新梅村みずほ議員「報道各社の皆様にはぜひ今日の葉梨大臣の全文を発信していただきたい」

梅村議員 ありがとうございます。本当に大臣が仰ったように、個別によってまったく違うということでですね。その方の命を考えながら職責に当たっていただきたいというふうに思っております。先ほどまでは報道の皆様もたくさんこの議場にいらっしゃったわけですけれども、おそらく今日皆様もお仕事ですので報道としての仕事が一段落したなと思ったらこの議場から出られる報道各社の方もいらっしゃると思うんですね。けれども私は本日冒頭に大臣が全文を紹介いただいたというのは大変よかったというふうに思っております。言葉というのは文字に起こしたときとその場に居て表情を見て聴くときとはまったく受け止め方が変わってくるものでございまして、ここはマスコミの方にお願いする場ではないということは重々承知ではありますけれども、報道の在り方というのもいろいろと意見が国民の間でもあるわけでございます。SNS社会、情報社会になりまして、こと一つのフレーズが躍りやすい昨今にありまして、報道各社の皆様にはぜひ今日の葉梨大臣の全文をですね、QRコードを貼るなりURLを貼るなり、ということでできれば動画で発信をしていただきますと気になっていらっしゃる国民の皆様が様々お考えを持たれるのではないかというふうに思っております。

葉梨大臣の「死刑のはんこ」発言について、10日朝の記者会見で葉梨大臣がメディアの前で全文紹介したことについて、参議院法務委員会において「大変よかった」「一つのフレーズが躍りやすい昨今、報道各社は全文を発信して頂きたい」と冒頭に発言。

この発言以前に少年審判を待つ被害者家族にとっては裁判官が事実のみを発言しただけでも受け止めとしては傷つく場合があるという例を出して発言には慎重になるよう希望を述べているシーンもありました。

この指摘は正当だと思いますし、実はメディアに対する指摘でもあると言えます。

共同通信や時事通信の報道は、報道をしたという事実それ自体が「何か問題発言をした」という予断を読者に生じさせるものです。自民党会合における特定議員を激励するための話の前段として論じられる内容で、話の中心的なものではないし、大臣としての職を執行する中での発言でもないからです。

さらに、葉梨大臣は「死刑のハンコを押す仕事が地味だ」などとは発言していませんし、「死刑の判断をする仕事や役職を軽んじている」と言えるような文脈ではないですが、メディアの中にはタイトルがそのような予断を生じさせるものとなっています。
(一部メディアは事実でない発信もしてますが)

そして、実際にネットを見てみれば、そのように誤った認識を発信する個人があふれています。

事実を書くだけで読者を誤った認識に誘導することができる

このことは私も何度も書いてきました。

「死刑のはんこ」発言を糾弾する立憲民主党議員の質疑だけマスコミが殺到して後は無視

梅村議員はさらに「先ほどまでは報道の皆様もたくさんこの議場にいらっしゃった」が、現在は減った、ということを指摘していますが、「先ほどまで」というのは立憲民主党の石川大我議員による質疑でほとんど葉梨大臣の自民党会合での発言を糾弾する内容でした。

TBSのテロップも、それのみにフォーカスしたものです。

しかも、維新の梅村議員になって、「死刑のハンコ」発言についての話が終わってからも、ずっとこのテロップでした。その後、質疑する議員が変わってもそのままでした。

TBSが何を狙って参議院法務委員会を報じているのか丸わかり。

議場に居た記者も、何を報じたいのかが丸わかり。

それを梅村議員が映像と議事録に残したのは一つの有益な行動だと思います。

なお、葉梨大臣の発言全文については以下で書き起こしています。いくつかのメディアは朝の記者会見での全文読み上げをそのままYouTubeにUPしています。

葉梨法相「死刑のはんこ」に関してメディアが切り取りと印象操作:記者会見で発言全体を読み上げ撤回せず - 事実を整える

梅村みずほ議員の質疑:現行の「裁判官報酬法」および「検察官俸給法」の適切性

本日の梅村議員の質疑のメインは、「裁判官報酬法」および「検察官俸給法」に関してです。

まず民間の給与実態について把握するための質疑をした上で、現行の裁判官と検察官の棒給の決定の適切性を探るといったものでした。

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