事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

「イギリス政府が新型コロナウイルスを空気感染に分類」は間違い

イギリス政府が新型コロナウイルスを空気感染すると言ったというデマ

「イギリス政府が新型コロナウイルスの空気感染する感染症に分類している」

この噂は間違いです。

「イギリス政府が新型コロナウイルスの空気感染に備えろと言ってる」の噂のソース

「イギリス政府が新型コロナウイルスの空気感染に備えろと言ってる」

この噂のソースとされているのは上記のイギリス政府公式ページです。

"2019-nCoV acute respiratory disease is classified as an airborne high consequence infectious disease (HCID) in the UK."

「2019-nCoV急性呼吸器疾患(※新型コロナウイルスのこと)は、英国では空中性の重大感染症(HCID)に分類されます。」

このように書かれていることをもって「空気感染するとイギリス政府が認定した!」と思ってるのでしょう。

ハッキリ言って中身をよく読んでない者が言ってる妄言です。

イギリスの重大感染症内部の分類は接触感染かそうでないか:"Airborne HCIDs"の中に飛沫感染がある

イギリス政府が新型コロナウイルスを空気感染すると言ったというデマ

UK gov

High consequence infectious diseases (HCID) - GOV.UK

イギリスではHCIDs=「重大な感染症」の分類として2分法を用いています。

  1. contact HCIDs=接触HCIDs
  2. airborne HCIDs=空中HCIDs

contact HCIDs are usually spread by direct contact with an infected patient or infected fluids, tissues and other materials, or by indirect contact with contaminated materials and fomites

接触HCIDは通常、感染した患者または感染した体液、組織、その他の物質との直接的な接触、または汚染された物質や汚染物質との間接的な接触によって広がります

airborne HCIDs are spread by respiratory droplets or aerosol transmission, in addition to contact routes of transmission

空気中のHCIDは、接触の伝播経路に加えて、呼吸の飛沫またはエアロゾルの伝播によって広がります

イギリスのHCIDsの分類は、要するに「接触感染のみかそうでないか」の考え方です。

つまり、"airborne HCIDs"に分類される感染症の中には、接触感染と飛沫感染の経路しか持たないものも含まれるということになります。

更に言えば、日本で言う飛沫核感染=いわゆる空気感染するか否かは、HCIDsの中での分類をするにおいてはまったく関係が無いということになります。

"airborne HCIDs" の中には、中東呼吸器症候群(MERS)や重度急性呼吸器症候群(SARS)など、飛沫核感染=空気感染が主要感染経路の1つである感染症には分類されないものも含まれていることから、イギリスの"airborne HCIDs" に分類されているからといって殊更に騒ぎ立てる必要は無いということです。

まとめ:"Airborne HCIDs"は"Airborne infection"ではない

"Airborne infection"=空気感染を意味すると理解している者で、"airborne"という単語だけ見た者が、"Airborne HCIDs"という言葉を見た際に「空気感染だ!」と思ったのでしょう。

両者は異なる分類であり、イギリスが独自に定義している"Airborne HCIDs"は"Airborne infection"ではありません。

以上