どうなることやら
日韓両政府が日本企業の賠償金支払いを韓国財団が肩代わりで調整
日韓政府 元徴用工問題の賠償金「韓国財団肩代わり」案で調整テレ朝news[2022/10/25 23:28](魚拓)
日韓両政府が元徴用工の問題を巡り、日本企業の賠償金を韓国の財団が肩代わりする方向で調整に入ったことが分かりました。
外務省の森健良事務次官は25日、来日中の韓国の趙賢東(チョ・ヒョンドン)第1次官と都内のホテルで会談し、旧朝鮮半島出身の労働者問題などについて協議しました。
日韓両政府は韓国にある日本企業の資産を売却する「現金化」は避けなければならないとの考えで一致しています。
そのため、双方は日本企業の賠償金の支払いを韓国の財団が肩代わりする方向で調整に入ったことが分かりました。
ただ、韓国側が求める日本企業の謝罪について外務省幹部は「無理だ」としていて、韓国側が一連の方策をまとめ切れるかは不透明です。
韓国財団、肩代わり案が軸 日韓、徴用工解決を本格協議 共同通信 2022/10/23
日韓両政府が元徴用工問題の解決策を巡り、敗訴が確定した日本企業の賠償金を韓国の財団に肩代わりさせる案を軸に本格的な協議に入ったことが分かった。11月にインドネシアで開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)などの国際会議に合わせた日韓首脳の対話も検討。協議を加速させ、早ければ年内も視野に決着を目指す構えだ。複数の日韓外交筋が23日、明らかにした。
日本側は元徴用工問題に関し、1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場。日本企業に実害が生じないよう韓国側の責任ある対応を求めてきた経緯がある。
日韓両政府が日本企業の賠償金支払いを韓国財団が肩代わりで調整しているという報道
政権が変わったからか、新展開です。
徴用工問題の経緯とおさらい:韓国大法院判決と日韓請求権協定
徴用工問題の経緯とおさらいをします。
既に上掲記事でまとめているので韓国大法院判決後の事情だけ。
- 平成30年(2018年)10月30日、韓国人元徴用工(と称する者)が新日本製鉄(現新日鉄住金)に対して損害賠償を求めた訴訟の差戻し上告審が韓国大法院で行われていたが、同社の上告を棄却した。
- これは日韓請求権協定に違反しているため、日本側は抗議
- 平成31年(2019年)1月9日、原告側による日本企業の財産の差押え申請が認められる
- その後、同様の判決が他の日本企業に出る
- 「現金化」はまだ行われていなかった
ほか、この問題でメディアが報じない重要な事項については以下参照。
韓国最高裁(大法院)の徴用工訴訟判決が「国際法違反」:過去の韓国政府の表明とも矛盾 - 事実を整える
韓国徴用工:日韓請求権協定の個人の請求権に関する河野太郎外務大臣の解説の解説 - 事実を整える
「財団による肩代わり」とは?第三者弁済?債務引受?
当時、この大法院判決による歪みを是正する措置として「韓国政府が敗訴した日本企業の債務引受をする効果をもたらす法律を作る」などの方法が考えられると指摘していました。
実際、そういう話は韓国内でもあったようです。
で、今回の表現は「韓国財団が肩代わり」というもの。
これだと債務引受ではなく第三者弁済の雰囲気があり、第三者弁済はするが求償しないという事実上の合意なのかという予測が立つ。
後で法的に求償請求される余地が残るのかどうかが気になります。
韓国としては「国側の間違い」ということにはしたくないので「財団」なのでしょう。
が、日本としては慰安婦関係で裏切られてきた経緯があります。
たとえば「女性のためのアジア平和国民基金」に対して韓国挺対協の反対で元慰安婦の基金受領を妨害された例や、韓国の「和解・癒やし財団」が慰安婦合意によって日本政府から支出された10億円をかすめ取って勝手に解散した例があります。
韓国側の履行の確約が確保できると客観的に思わせるような内容を強く求めていいでしょう。
※追記+文章の順番を入れ替えました※
なお、韓国側の報道を見ると
아사히 "韓정부, 日기업에 '배상액과 같은 금액 기부' 요청" | 중앙일보
「기부」=「寄付」とありますが、そこでは朝日新聞の報道を参照しています。
寄付だけだと見返りを求めない趣旨に見えますが、同時に
朝日は引き続き韓国政府が「両社が賠償額のような金額を「寄付」などの名目で持ち出す案を水面下で(日本側に)打診した」と伝えた。
とあり、日本製鉄と三菱重工業から財団へ支出する案のようです。
※同様の内容が以下の記事に書かれていることを確認しました。
徴用工問題めぐり、日韓の次官が協議 韓国が水面下で解決策を提案 [岸田政権]:朝日新聞デジタル鈴木拓也=ソウル、野平悠一2022年10月25日 19時30分
日韓、徴用工の着地点探る 韓国、水面下で提案も 次官協議:朝日新聞デジタル2022年10月26日 5時00分
※※追記終わり※※
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