EUの欧州議会がサマータイムを終了することを可決しました。
日本のサマータイム導入議論がどのように行われてきたのか。
振り返ることで供養としましょう。
EUのサマータイム、2021年に終了へ - Impress Watch
EUのサマータイムが2021年に終了:健康への悪影響など
サマータイム廃止支持が84% EU欧州委 意見公募の暫定結果を発表 - 産経ニュース
EUでは3月の最終日曜から時間を1時間進め、10月の最終日曜に戻すサマータイム制度を採用。だが、省エネ効果が薄い一方、健康への悪影響も指摘され、フィンランドなど欧州北部の加盟国や欧州議会で廃止論が高まっていた。
意見公募は8月半ばまでの約1カ月間行われ、過去最大の460万件以上の回答が寄せられた。回答の76%が時間の切り替えによって「悪い経験をした」と指摘。制度廃止を求める理由としては、主に健康への悪影響や交通事故の増加への懸念が挙げられた。
サマータイム(デイライトセービング)は、現代のような電力供給が安定している社会が作られる前に、夜が長い欧州などの高緯度地域で始まりました。
世界を見ると一度導入したが廃止した国ばかりです。
実は日本もGHQ統治時代に導入しましたが評判が悪くて主権回復後に廃止しました。
現代社会においてはあまり効果がないどころか、健康への悪影響があることに加え、新たに始めるには電子機器内の時計の時間変更など、社会的なコストが膨大になるということが指摘されていました。
日本におけるサマータイム導入の議論
2018年夏にはその暑さからか不幸にも東京オリンピックでサマータイム導入するかの議論がなされていましたが、結局は導入しないこととなりました。
朝日新聞:「気持ちとしては(20年までに)導入したいが、システムの問題や世論の反応から物理的に難しい」
日経新聞:「システムの問題や世論の反応をみると難しい」
共同通信:「気持ちは(導入)したいが、物理的にシステムの問題や、世論の反応を見ると、なかなかそこは難しい」
NHK:「2020年のサマータイム導入はシステムの問題などで難しいが、あまり予断を持たずに、理解を得られる範囲内で議論していきたい」
なお、9月時点では自民党の「研究会では今後、専門家などからも意見を聞いて、今年度中に中間報告をまとめることにしています」とありましたが、11月に断念が決定されています。
研究会では、これまで経団連などからヒアリングを行いましたが、「システム改修のための負担が大きい」といった指摘や、「省エネ効果は限られている」などと、導入に否定的な意見が相次ぎました。
このため、研究会は、東京オリンピック・パラリンピックで「サマータイム」を導入するには、時間が足りないとして、21日の会合で、断念する方針を決めることになりました。
オリンピックで導入するには早いが、その後の可能性は残します、という感じです。
これは官僚がうるさいので可能性を排除しなかったということでしょう。
小泉政権の時。ある日、経産官僚がサマータイムをやりたいと総理レクした。小泉さん「なんで?」「オレは反対」とあっさり却下。理由は単純で朝早起きしければいけなだろと。これ以降、政府内ではサマータイムは無理筋案件になった
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) August 10, 2018
夏時間導入論者(だった方々)
サマータイム導入論者の方がたが居るという事実自体、肝が冷える事態だったのですが、今思うと「あれはネタだったのでは」と思ってしまいます。
サマータイム導入に積極的だった森喜朗さんは、過去の国会答弁でGHQ時代のサマータイムは「日本では合わない」「教育現場で苦労した」と言ってたのを発見したときは冷笑してしまいました。
「経済効果がある」と言われていたこともありました。
しかし、試算をした本人である永濱さん自身が、TV番組で「その試算は最大値であり、実際にはそんな効果は出ないと思います」と暴露したのも記憶に新しいところです。
永濱さん、どこから試算の依頼が来たのか、しゃべってほしいです。
デイライトセービングは経産省などの役人の権力欲求の道具
懲りない経産省。サマータイムもどきを経産省で実験しているらしい。官僚に先に実験させるのはいいが、もともと霞ヶ関官僚の出勤時間は遅い。だから多少早く出勤しても民間並なんだよな。本当に実験させるなら、出勤時間を今の9時半から5,6時半くらいにしなければいけないだろ。できるかな笑笑
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) August 10, 2018
高橋洋一さんも指摘する通り、サマータイムは10年おきくらいに官僚から話が持ち上がってきたそうです。EUがサマータイムを廃止したことで、もうそんなことを言う役人は出てこないでしょう。
役人の権力掌握欲求のために国民生活を犠牲にするのは本当に許せませんので、もしも今後そんな官僚が出てきたら、レクしてきた役人を写真つきでSNSにアップしていただきたいと思います。
午後、文科省と文化庁の方々が来所。見送りとなった著作権法改正案の経緯を説明に来られました。スクショが違法になるなどのデマが出回り、それを信じる人達も出始め、法案の中身より誤った情報の錯綜やマスコミの誤報など様々な要因が重なり、結果、見送りに。今後、更に丁寧な説明が必要です。 pic.twitter.com/yUBH8HxjdV
— 山本ともひろ (@ty_polepole) March 19, 2019
明らかなデマを議員に吹聴する役人がいるということが分かります。
これで安心しないように、将来の教訓としましょう。
以上