日本学術会議が中国科学技術協会と協力覚書を署名していることについて。
- 日本学術会議が中国科学技術協会と協力覚書
- 中国科学技術協会は中国国防部の傘下の中国工程院と提携
- 日本政府、文科省や他国も協力覚書
- 本質論:テクノロジーの流出を防げるか
- 日本学術会議のダブルスタンダード
日本学術会議が中国科学技術協会と協力覚書
平成27年9月7日、中国科学技術協会(中国・北京)において、大西隆日本学術会議会長と韓啓徳中国科学技術協会会長との間で、両機関における協力の促進を図ることを目的とした覚書が締結されました。
日本学術会議が中国科学技術協会と協力覚書を署名していることは日本学術会議のHPからも分かることです。
この中国科学技術協会の性質については以下指摘があります。
中国科学技術協会は中国国防部の傘下の中国工程院と提携
チャイナにはアカデミー機関として中国科学院・中国社会科学院・中国科学技術協会がありますが、中国科学技術協会は民間組織です。
参考:各国アカデミー等調査結果
ただ、チャイナのことなので、民間組織であっても共産党中央政府の影響力が及ぶことがあるということは常識でしょう。民間企業であってもそうなのですから。
上図を見るとわかりますが、全国組織が張り巡らされ、工場・企業・高等教育機関・街道・郷・鎮レベルにも下部組織が設置されていると書かれています。
こんなの、共産党組織に紐づいていないと不可能です。
日本学術会議の場合は7地域と都道府県レベルで地区会議がある程度です
参考:地区会議|日本学術会議
で、長尾たかし議員は以下指摘しています。
日本学術会議が覚書を交わした中国科学技術協会は、中国工程院と提携。この中国工程院は事実上、中国国防部の傘下。
— 衆議院議員 長尾たかし (@takashinagao) 2020年10月4日
日本学術会議が注目されたこの機に、何の為の覚書なのか?機微技術が流出しない方策を講じてきたのか?
しっかりとご説明を受けたいと思います。税で運営されてますので、当然です。 https://t.co/gXh6JKGAJR pic.twitter.com/USJlJBjwmD
中国科学技術協会は、事実上、中国国防部の傘下である中国工程院と提携と。
日本政府、文科省や他国も協力覚書
文部科学省における科学技術外交の近年の事例について 「日本-中国国際共同研究イノベーション拠点構築に関する協力覚書」に署名
そして、日本政府・文科省もチャイナ側と研究分野に関する協力覚書を署名したりしています。同様のことはイギリスなど海外諸国も行っています。
「科学技術革新協力覚書」に中国と英国が署名--人民網日本語版--人民日報
本質論:テクノロジーの流出を防げるか
この話の本質論は、国家防衛にとって重要なテクノロジーの流出を防げる体制になっているか否かであって、相手がチャイナだからといってその交流自体を責めるのは筋が悪すぎるのではないでしょうか?
日本学術会議のダブルスタンダード
もっとも、日本学術会議は軍事研究の禁止を謳い、さらにはそれに至らない軍事的安全保障研究に関しても、大学等の各機関に対し、「軍事転用されないように気を付けろ」と制限を設けるよう事実上の要請をしています。
日本学術会議のこうしたダブルスタンダードは見直されるべきであり、その限りで中国科学技術協会との関係性を責めるのであれば、それは十分正当な主張だと思います。
以上