事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

立憲民主党の川内博史「鉄は1トン1万円なのにオスプレイは200億」がツッコみ所満載な件

立憲民主党川内博史の評価評判

立憲民主党 川内博史衆院議員が「鉄は1トン1万円だから重さ15トンだと15万円。他方で15トンのオスプレイはどうして200億円になるのか」と発言したことが調べれば調べるほどツッコみどころ満載すぎて、おもわず更に調べてしまいました。

評判の立憲民主党・川内博史衆院議員の演説

 

立憲民主党 川内博史衆院議員 2019年3月2日 動画3分40秒から

オスプレイってあれ重さ15トンなんですけど。鉄1トンはオーストラリアで買うと1万円です。それが15トンですから本当は15万円ですよ。いろいろ加工して人手がかかってるからいくらかは付加価値はつくかも知れないけど15トンは15万円なんです。それがなんで200億にもなるの~と

全部みなさんに請求書が回るんです。この国のあらゆる財やサービスはすべて皆様がお金を出している。最終的にみなさんの懐に請求書が回るんです。だから政治や行政というものを私たちが正しいものにしていかなければならない。まぁ統計を偽装するようになったらおしまいです。

この発言が総ツッコみを受けているところです。

コストや加工費をなぜか度外視

「いくらかは付加価値はつくかもしれないけど」

という前置きはありますが、結局のところ原材料費から製品価格が決定される途中について全く触れていないので、加工費等を無視していることになっています。

これに対してなんと川内議員がツイッターで釈明をしました

魚拓:http://archive.is/BHIxz

付加価値の中身を考えてもらうという問題提起でした、だから間違ってません

要するにこう言ってるわけですが、それにしても奇妙です。

本当に付加価値の中身を考えていただくということでしたら、聴衆に考える材料を提供しているハズです。しかし、何も言及していません。

本当に川内氏の言うような意図なら15万円⇒200億円の途中にあるべき付加価値の中身について触れるハズですが、それがまったくありません。

なので、オスプレイは必要ないという結論を言いたかったがためだったのがヤバいと思いつつ認めるわけにはいかないのでいい加減な言い訳をしているのではないか?と疑惑をもたれてしまうのです。

なんだか「倉敷の友達からききました」「皮肉として書きました」を思い出します。

鉄のレートは1トン1万円?

鉄鋼市場価格|鋼材・鉄鋼製品・鉄スクラップ価格表|日刊産業新聞

2019/03/08調べ (円/トン)

鉄スクラップ
H2 東京24500 大阪21500
鋼ダライ粉 東京21700 大阪19000

鉄スクラップの半額以下の鉄って、本当にオーストラリアで買えるのでしょうか?

まぁ、オーストラリアの市場価格が調べられなかったので、もしかしたらそうなのかもしれませんが、スクラップよりも安いというのはちょっと…

とまぁ戯言はさておき「鉄の塊」というのは当然にして疑問が呈されるべきでしょう。

オスプレイの機体は主にアルミ製?

「オスプレイみたいな飛行物体が鉄でできているわけはなく、より軽量なアルミ合金でできているのではないか?」

こう指摘する声があったのですが、そうでもないみたいです。

カーボン(Graphite-Epoxy)が主な素材

魚拓はこちら

上記サイトの図を見ると、Graphite-Epoxyが機体(12500ポンド)の59%、金属が20%、ファイバーグラスが11%、その他が10%となっています。

さらに、別のソースからも指摘がありました。

Air Force Magazine

The Osprey is also the first major military aircraft design whose airframe will be made up almost entirely of composites. Slightly more than 6,000 pounds of the aircraft's almost 13,200-pound structure will be made of a graphite-epoxy laminate. 

There will only be about 1,000 pounds of metal in the airframe, and most of that comes in the form of perforated copper that will be laminated to the outer skin panels for lightning protection.

オスプレイは、その機体がほぼ完全に複合材料で構成される最初の主要な軍用機でもあります。機体部分の13,200ポンドの構造のうちの6,000ポンド以上が、グラファイト - エポキシラミネートでできています。

機体には約1,000ポンドの金属しかないでしょう、そしてそのほとんどは雷防護のために外皮パネルに積層される穴のあいた銅でできています

上記2つのサイトの数値にずれがありますが、いずれにしても「鉄の塊」というのはまったくあてはまらないということがわかります。

流石にこれだけ素材が進化してる現代において「比喩表現でした」は通用しないでしょう。しかも本人が「原材料としての鉄」をわざわざ引き合いに出しているのですから、なおさらです。

そもそも200億円というのも間違い

ぼったくりではない日本向けオスプレイの価格(JSF) - 個人 - Yahoo!ニュース

Japan - V-22B Block C Osprey Aircraft | Defense Security Cooperation Agency

内容はオスプレイ17機とエンジン40基、赤外線前方監視装置40基、ミサイル警報システム40基など機体数を上回る予備部品とアメリカでの訓練費用なども含んだ総額の諸経費で、約30億ドルが提案されています。今現在の為替レートは1ドル120円なので約3600億円になります。

ただし、単純に30億ドル(3600億円)を機体数17で割ると1機あたり1.76億ドル(211億円)になりますが、これは前述の通り諸経費込みの価格なので機体単価ではありません。機体単品での価格は1機100億円前後で、諸経費がそれと同じくらいに掛かるという事です。

200億円というのは日本政府がオスプレイ17機を購入した際の総額30億ドルを17で割っただけの数字だったようです。

機体単価だけみると1機約100億円とのことで、この点も川内氏の発言は前提が誤っていたということになります。

民主党政権が購入を提案した点の評価は?

オスプレイ、自衛隊に導入検討へ 防衛省、調査費を計上 :日本経済新聞

オスプレイの導入を巡っては、野田政権時に玄葉光一郎前外相の提案を受け、森本敏前防衛相が導入の可否を検討するよう指示していた。安倍政権でも日米同盟を強化するとの観点から調査費計上の方針は引き継ぐとみられる。

川内博史議員は民主党公認で出馬して2009年には小選挙区で当選しています。

まさか自分の所属していた党が購入する方針だったことをお忘れなのでしょうか?

まとめ:立憲民主党の川内博史議員の演説の正しさは…

立憲民主党 川内博史衆院議員 2019年3月2日 再掲

全部みなさんに請求書が回るんです。この国のあらゆる財やサービスはすべて皆様がお金を出している。最終的にみなさんの懐に請求書が回るんです。だから政治や行政というものを私たちが正しいものにしていかなければならない。まぁ統計を偽装するようになったらおしまいです

川内議員はべつに偽装する目的だったのではない。これだけは言いたい。

あと、オスプレイの重さはちゃんと15トンでしたのでその点はご安心ください。 

以上