事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

帰化人国会議員リストというデマ

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「帰化した国会議員のリスト」というものがありますが

デマなので気を付けましょう。

#帰化人国会議員リスト という「國民新聞」の記事

元ネタとされているものは、平成23年12月25日付日曜版の國民新聞の記事です。

國民新聞というのは名前がそうであるということ以外に実体がよくわかりません。

徳富蘇峰が1890年(明治23年)に創刊した日刊新聞とは関係ありません。

「帰化した国会議員リスト」がデマである理由

  1. 土井たか子の所属政党が民主党になっている。
  2. 「大村秀章」の名前が「犬村秀章」になっている。
  3. 土井たか子の帰化日が日曜日になっている。
  4. 官報検索サービスで検索しても多くの議員はヒットしない。

根拠を端的にまとめると、このようになります。

土井たか子の所属政党が社民党ではなく民主党に

上段の左側には土井たか子の名前がありますが、所属政党が民主党になっています。

言うまでもなく、土井たか子の所属政党は社民党ですし、党首まで務めた人です。

こんな人物の所属を間違えている時点で信憑性が乏しいのですが、それ以外にもおかしな記述がたくさんあります。

國民新聞では「大村秀章」の名前が「犬村秀章」になっている

4段目を見ると、現愛知県知事の自民党村秀章の名前が「村秀章」とあります。

打ち間違えで起こるようなミスではないので、意図的なものと思われます。

なお、大村議員(当時)は平成23年7月22日に自民党から除名処分を受けており、記事掲載時点では自民党員ではなくなっています。

大村愛知知事の自民除名が確定 :日本経済新聞

土井たか子の帰化日が日曜日

土井たか子は「(昭和三十三年十月二十六日帰化)」と記載されています。

これはありえないことです。

国籍法

第十条 法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない。
2 帰化は、前項の告示の日から効力を生ずる

国籍法では、官報告示の日に帰化の効力が生じるとあります。

しかし、昭和三十三年十月二十六日は【日曜日】です。

官報は日曜日に告示されることはありません。

なお、実際にその日の官報があるかを官報情報検索サービスで調べてみたら、やはりありませんでした。

なお、土井たか子の出自を巡っては訴訟になっています。

花岡信昭が月刊誌WiLLに掲載した記事が不法行為だとしてワック側は誤報を認めたが条件面で折り合わず訴訟に。神戸地方裁判所尼崎支部 平成19年(ワ)第540号で土井勝訴、判決直前にワックが謝罪広告を掲載しています。その後、高裁・最高裁でも土井勝訴となり、賠償金が支払われています。

月刊WiLLによる土井たかこ帰化デマで謝罪広告

官報検索サービスで検索しても多くの議員はヒットしない

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官報情報検索サービスで名前と生年月日から検索すれば、帰化していれば分かります。

しかし、実際に調べてみると、國民新聞の帰化議員リストの多くの議員はヒットしません。福山哲郎議員のように、官報の画像が出回っているもの以外は、軽々に信じてはいけないでしょう。

私が検索した範囲ですが、福島瑞穂=趙春花は見つかりませんでした。
(こちらも國民新聞上の帰化日の記載が昭和六十一年二月十五日の土曜日)

まとめ:帰化人国会議員リストというデマ

このデマは2014年くらいからネット上に上がっているようですが、なぜ未だに信じている者が居るのか不思議でしかたがありません。

選挙のたびに出回っている気がします。

以上