竹田恒泰氏が「河野太郎氏は首相にしてはいけない、皇統の原理を破壊する者」とツイートしました。その発言の背景を整理します。
- 竹田恒泰氏「河野太郎氏は首相にしてはいけない、皇統の原理を破壊する者」
- 河野太郎が女性宮家に賛成と回答
- 「男系ではない天皇=女系天皇」の可能性を認める河野太郎
- 他の河野大臣の皇室に関する考え方
- まとめ:内閣に入れるべきだが総理大臣としてはどうか
竹田恒泰氏「河野太郎氏は首相にしてはいけない、皇統の原理を破壊する者」
外務、防衛までですね。皇統の原理を破壊するものは首相にしてはいけません。 https://t.co/xyHLBGBqpM
— 竹田恒泰 (@takenoma) 2020年6月27日
竹田恒泰氏「河野太郎氏は首相にしてはいけない、皇統の原理を破壊する者」とツイートしました。
これは、著述家の竹内久美子氏が「河野氏は女系天皇推しだから、だめです。」と、ポスト安倍の首相レースに河野太郎氏が浮上したとする報道についてツイートしたことに対するものです。
河野太郎氏が「皇統の原理を破壊する者」と言えるだけの材料はあるのでしょうか?
河野太郎が女性宮家に賛成と回答
「河野太郎が女性宮家に賛成している」というソースは、平成29年(2017年)の衆議院議員選挙に際して毎日新聞が候補者アンケートを取った中での問25における回答です。
第48回衆院選 自民 南関東 河野 太郎 - 毎日新聞(魚拓)
問25:皇族の数が減らないようにするため、皇族の女性が結婚後も皇室に残る「女性宮家」を認めることに賛成ですか、反対ですか。
回答:賛成
この設問では「女性宮家」の意味内容が公約数的なものであり、場合によっては理解できるものだと思えます。
参考:安倍政権「女性・女系天皇潰しプラン」と女性宮家、旧皇族の皇籍復帰・養子縁組の議論の経緯のまとめ
ただ、より具体的な言及が河野太郎氏自身によって行われているので、そちらも見て行きます。
「男系ではない天皇=女系天皇」の可能性を認める河野太郎
)(魚拓)
2016年のブログには旧皇族の皇籍復帰に関して以下書いています。
しかし、内親王殿下、女王殿下にもご結婚の自由があり、ご結婚を強制することはできない。
また、旧宮家は1430年に即位した後花園天皇の弟貞常親王の子孫であり、それ以来、600年近く、現皇室との間に男系の繋がりはなく、その男系が皇室を継ぐことが国民的に受け入れられるだろうか。
また、仮に運よくこの方法で宮家が一つ、二つ増やせたとしても、継続的にできるわけではなく、男子が生まれる確率が多少高まるにすぎない。
その上で、男系男子による皇位継承については
こうしたことを考えれば、男系天皇を維持すべしという議論は理解できるにしても、それを具体化するための現実的な、国民に広く受け入れられるような方法はどうするのだろうか。
現実的であり、具体的な方法の議論なしに、男系天皇の維持を主張することは皇室の存続を危うくする。
男系の維持を考慮するならば、国民に広く理解され、受け入れられる具体的な方法の提示が必要である。
このように否定的な見解を示し、女系天皇の可能性について以下言及しています。
二、男系、女系に関わらず皇室の維持を図るべき
男系の維持が困難であるならば、次善の策は、男系、女系に関わらず、皇室の維持を図るべきではないか。
そのためには皇室典範を改正し、長男継承を長子継承に改めるべきではないか。
その場合、親王殿下だけでなく、内親王殿下、女王殿下も宮家を創設し、継承順位に従って、天皇位を継承していくことになる。
たしかにこれまでの天皇家の歴史を変えることになるが、男系天皇を維持できない可能性が高く、その場合、皇統そのものが断絶することになり、その危機を回避するためには皇室のあり方を変えることもやむを得ないのではないか。
そして、次項ではそのための法規の変更について論じています。
「これは論点を紹介しただけだ」
と理解しようとする者もおり、形式的な文章構成からはそのように理解できなくもないと思います。
しかし、その文脈を見れば、女系天皇の可能性検討に向けた論理構成をしているということもまた否定できません。
このような理解からは、河野太郎氏は、2016年の当時としては女性宮家に関しても配偶者やその子孫の皇位継承権を認めかねない考えを持っていると判断せざるを得ません。
他の河野大臣の皇室に関する考え方
https://www.taro.org/2016/10/%E7%9A%87%E5%88%A5%E6%91%82%E5%AE%B6.php
)(魚拓)
前項紹介のエントリの後に「皇別摂家」について言及するエントリがUPされてます。
皇別摂家とは、一般的に五摂家のうち江戸時代に皇族が養子に入って相続した後の近衛家・一条家・鷹司家およびその男系子孫を指します。
しかし、皇別摂家は皇族ではなく、民間人です。旧皇族ですらありません。
皇室には「君臣の別」というルールが存在します。皇族と臣下は明確に分けましょうということです。皇別摂家を皇位継承権者に含めることはこれまで無かったことであり、ルール違反です。
河野大臣は旧皇族の皇籍復帰に関して否定的な見解を述べる一方で「男系天皇の維持ということを考えれば、皇別摂家の血を引く男性にも婿入りの可能性はあるかもしれません。」と書いているのは、どうもよくわかりません。
その前に旧皇族の養子縁組なども手段としては考えられるのに、それにまったく触れていないのは議論の順番として奇妙です。
まとめ:内閣に入れるべきだが総理大臣としてはどうか
河野太郎氏は、原発政策に関して否定的な内容を河野太郎公式サイトにUPしていましたが、閣僚入りするとその内容を削除しました。内閣の方針と明らかに矛盾する内容については削除する人物ということです。
つまり、手綱を付けている限りは悪さはしない、と思われる一方、閣外に出した場合やましてや政府方針を決める総理大臣になった場合に、どのような行為に出るか、という点について不安が付きまといます。
そして、言わずと知れた「ブロック魔」でもあります。
竹田恒泰氏から首相就任について否定的な評価を受けるのも仕方がないと思います。
以上